弊社は今日からお盆休みです。

という訳で、山を登りに行きます。
中央自動車道諏訪湖SAで一服。
と言うと恰もS2000で来ているみたいですが、
松田からだとアクセスが悪いので新宿から高速バスです。

静岡市に模型メーカーが多いのは知っていましたが、
諏訪市にも模型メーカーがあるんですね。
お土産に1個買っていこうかとも思いましたが、
冷静に考えたら登山中邪魔で仕方無いので踏み留まりました。

定刻から1時間遅れて高山濃飛バスセンターに到着。
中央道の高速バスは定刻通りに着いた試しが無い。
この高山市で名古屋からやって来るIT(元・旭丘高)を待ちます。
今回挑戦するのは北アルプス。
愛知・関東両方からのアクセシビリティを考えると
松本の方が登山拠点として都合が良いですし、
実際に松本を拠点としていた時期もあったのですが、
近年はインバウンド需要の影響なのか宿泊費が暴騰。
更に上高地から松本への帰路のバスは全便予約制となり
登山者にとっては厳しい町となってしまいました。
その一方で、松本と比較すると関東からのアクセスが微妙な高山は
インバウンド需要がありつつも安宿がまだ生き残っており、
嬉しいことに上高地へのバスは全便予約不要です。
そういう訳で、去年の西穂高岳・槍ヶ岳以来
自分の中で高山アプローチが主流になっています。
ただ、高山もいつ松本の二の次になるか…

それはそれとして、ITが終業後に来るまで時間があるので
アプローチ用に借りたレンタカーでちょっと観光します。
国道41号で道の駅宙ドーム・神岡へ。
駅名の読みは分かりますか?

正解は「スカイドームかみおか」です。
「そらドーム」じゃないんだ…

立地からも名前からも想像が付くと思いますが、
この道の駅は実質カミオカンデの宣伝施設になっており、
カミオカラボという小さな科学館が併設されています。
博士論文のテーマがニュートリノだったにも関わらず
あろうことかカミオカンデ未履修だったので、
この機会に訪問してみました。

大量に並べられた光電子増倍管。
「フォトマル」って呼ぶと理物っぽくなりますよ。
理物に見られる利点はありませんが。
あと、平成13年のフォトマル大量破損事故については
この科学館では触れていないんですね。

同じく神岡鉱山跡で行われている
重力波観測実験KAGRAの展示もありました。
僕が大学院生だった頃のKAGRAは
コンコルド効果の代表格みたいな存在でしたが、
果たして今は持ち直したのでしょうか。

また、この施設は道の駅に来た家族連れを主要客にしている為、
子供向けにゲームが幾つも用意されています。
自分の経験からするとゲームで釣るよりも
文字通り天文学的なスケールを見せた方が
子供は食い付きそうな気もする。
陽子の寿命の下限値(7.3×1033年[1])とか。

道の駅の物販所には東大宇宙線グッズ
(「東大宇宙線研」ではなく?)がありました。
マグカップやボールペンにベタ印刷しただけの
ノベルティ並みの質はどうにかならなかったんだろうか。

あと、神岡と言えば神岡鉄道です。
旧・国鉄神岡線を引き継いだ第三セクター鉄道で
神岡鉱山で産出した鉱石や硫酸を運んでいましたが、
平成18年に廃止されました。
旧・奥飛騨温泉口駅前には機関車が静態保存されています。
この機関車、何処かで見たことがあるような…

立山砂防軌道の機関車じゃないか!
軌間が神岡鉱山の610mmで同じというだけで
ここに置かれているのでしょうか。

裏に神岡鉱山で使っていた電気機関車もありました。
どちらかと言えばこちらを表に据えるべきなのでは。

この旧・神岡鉄道跡地では廃線のレール上を軌道自転車で走る
レールマウンテンバイク「Gattan Go!!」が開催されており、
奥飛騨の一大観光資源となっています。
今回は数時間前の思い付きで神岡に来たので
予約が一杯で乗れませんでしたが…

Gattan Go!!の折り返し地点になっている神岡鉱山前駅。
現役末期の時代は奥飛騨温泉口駅からここまで
区間列車が日に3往復運転されていたそうです。
鉱夫が通勤に用いていたのでしょうか?

高原川の対岸にあるのが神岡鉱山。
三井金属発祥の地であり、イタイイタイ病の原因となった鉱山です。
流石に新規採掘はもう行なっていませんが、
金属リサイクル工場として今でも稼働しているそうです。

旧・神岡鉄道に沿って断崖絶壁に穿たれた
国道41号を北上していくと、
ちょっと大きめの集落が現れました。
茂住集落です。
この山奥なのに4階建という立派な建物が建っていますが、
これは市役所などではなく…

東大宇宙線研の研究棟です。
こんなところに篭っていたんですね。
食事を取れるお店は疎か商店も無い集落ですが、
どうやって生活必需品を調達しているのでしょうか。
学科の同級生によると富山市から通っていた人も居たそうですが。

今は車でしかアクセス出来ない神岡総合研究棟ですが、
その昔はそうではありませんでした。
高原川の左岸に渡ると…

ありました、旧・神岡鉄道茂住駅です。
宇宙線研の古いウェブサイトを見ると
神岡研究棟のアクセスが茂住駅から徒歩5分と案内されています。

最寄駅が徒歩5分から徒歩100分になった院生の絶望や如何に。
まあ、それで困るくらい院生が普段使いしていたら
もうちょっと神岡鉄道も延命していたでしょうし、
ぶっちゃけ現役時代から大して使っていなかったんでしょうね。

何故かホーム上に祠があります。
カミオカンデの元になった神岡鉱山茂住坑があったので
鉱山での安全を祈っていたのでしょうか。

勢い余って富山県に突入し、
道の駅細入まで行って引き返しました。

岐阜県道75号でショートカットしていた時に
道の脇に何やら気になるものを見付けました。
これは…廃線跡?
でも、この岐阜県道75号の経路は
急勾配過ぎてとても鉄道は敷けないはず…

どういう理由なのかは分かりませんが、
元々茂住峠に置かれていた緩急車などを
特に縁もゆかりも無いこの神原峠に移したそうです。

高山市街に戻ったらインバウンド需要による混雑を避けて
駅前ではなくロードサイド店で高山ラーメンを頂きます。
ざく切りの玉ねぎが無造作に入れられた焼き飯と言い、
こういう朴訥さが本来の高山ラーメンですよね。
この後は宿にチェックインして名古屋から来たITと合流し、
明日の登山に向けて打ち合わせをした後に寝ました。
参考文献
[1] N. Taniuchi et al., Phys. Rev. D 110, 112011 (2024), arXiv:2409.19633 [hep-ex].


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