雨中行軍!白馬鑓ヶ岳 第2日目


4:47、起床。
さて、今日の行程はどうするか…
正直、僕にしてみると最大の目的は白馬鑓温泉だったので
もうここで踵を返しても良いのですが…
天気予報や天気図を見てみると、
午前中は小康状態で午後から大荒れの模様。


ここまで来て小屋泊だけして帰るのは勿体無い!
という意見があり、今の内にサッと山頂まで往復しようという話に。
小雨はずっと降っていますが、
果たして保ってくれるでしょうか。


雨だけの所為なのか定かではありませんが、
コース上に幾つもの滝が現れます。
普段なら濡れないように気を付けるところですが、
今は水濡れに対して実質無敵状態なのでざぶざぶ進みます。


でも、鎖場は怖いな…
鑓の名を付けているだけあって中々険しいです。
晴れていれば大したことない難易度でしょうが。


この辺りの雰囲気はちょっと水平歩道(2023/10/14-15)っぽいですね。
下ノ廊下手前で撤退を余儀無くされた
あの時の景色を重ねてしまっているのでしょうか。


鎖場地帯を抜けて大出原に出ました。
ここも晴れていればお花畑を見ながら休憩出来るそうですが…


手短に軽アイゼンを装着してこのルート最後の雪渓を登ります。
何処からか硫黄の臭いがしてくるけど、
火山ガスでも出ているんだろうか。


登るほどに風が強まってきて稜線の近さを感じます。
これ、尾根は結構な強風が吹いているっぽいな…


鑓温泉分岐に到達。
やっぱり風が強い!
少しでも風を凌げる地点を探して小休止します。


それでは、山頂に向かって最後のアタックです!
吹き荒ぶ暴風と雨に耐えながら歩を進めていきます。
立山(2019/7/20)を思い出すな…
鑓ヶ岳を名乗っているにしては稜線は鎖場も無く穏やかですね。
まあ、この暴風雨の中でちゃんとした鎖場や岩場が現れたら
撤退不可避なのでそれ自体は良いことですが。


最後の急登を詰めれば…


白馬鑓ヶ岳(標高2,903m)登頂です!
眺望は当然の如くゼロだけど達成感が凄い。
確実に、一人では決して成し得なかった登頂です。
隊の意見に流された帰結とも言える訳で、
手放しで喜んで良いのかどうかは分かりませんが…


あまり長居すると低体温症になりそうなので、
記念撮影と栄養補給を済ませたら下山します。
午後は発雷確率が50%もあるらしいので。


今回は姿を拝むことすら叶わなかった不帰キレット。
いつかリベンジしてやる…!


今日も今日とて温泉を心の支えに歩きます。


しとどに濡れた鎖場。
こういうのは登りより下りの方が圧倒的に怖いんだよな…


緊張感を強いられる場面に
遥か高みから彩りを添えてくれるニッコウキスゲ。
文字通り高嶺の花ですね。


昨日より今日の方がコースタイムはずっと長いですが、
変化に富んだコースだからか不思議と昨日よりも疲れていません。
雨の中登山するこの状況に慣れたというのもあるのでしょうか。


花を愛でる余裕も出てきました。
コオニユリとニッコウキスゲが綺麗です。


大崩壊した雪渓が横目に現れたら…


白馬鑓温泉小屋帰着です!
小屋に着いてから10分程で雨が滝のように激しくなってきたので、
正に間一髪のところでした。
もし少し遅れて鎖場のところでこの雨に打たれていたら…


何はともあれ今日も生きているので温泉に浸かります。
露天風呂を貸切状態で楽しめるのも、
温泉がこれだけ沁みるのも、
ある意味この天気あってのもの…なのかも知れません。


白馬鑓温泉小屋に連泊する人は珍しいのではないかと思うのですが、
連泊すると夕食のメニューを変える配慮をしてくれるようです。
我々だけハヤシライスではなくトンカツになっていました。
もしかして、スタッフ用の料理の流用だったり?

美味しい料理に齧り付いていると、
今日登ってきた長野県警察山岳遭難救助隊の方が
宿泊者に対して注意喚起を行い始めました。
この天気に登山道はあの状態だし、
遭難事故が起きることを見越して駐在するのも宜なるかな。
まあ、我々はもう下山するだけなので特に関係は…

「猿倉までの県道も雨量規制で通行止めになる可能性があり、
そうなるとタクシーやバスは上がって来れないので
徒歩でゲートまで下ってもらうことになります、注意して下さい」

…え?
そう言えば、確かに連続雨量80mmに達すると
通行止めになるという標識があったな…
今の連続雨量は…93mm?
93mm!?
あっ!今日16:30の時点で既に通行止めが始まっているだと!
レンタカーが猿倉の駐車場に停めてあるんだぞ!
これじゃあ閉じ込め状態じゃないか!
一体どうすれば…

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