碓氷峠・JR小海線

今日から三連休。
余り知名度は高く無いのですが、
10月の三連休には「秋の乗り放題パス」という
青春18きっぷの3日版みたいなものが存在します。
ついこの間まで夏休みだっただろと言われそうですが、
この機会を逃す訳にはいかないので出掛けます。
…実は三連休の存在に気付いたのが1週間前で
そのまま何処か行こうかと思うだけで時は過ぎ、
昨夜になって慌てて行程を組んだという
今までに無い無計画な鉄道旅行なのですが。

4:10、起床。
東京の朝は早い。
朝食を食べたら出発します。

5:26発東京メトロ千代田線代々木上原行きに乗車。
始発駅の次の駅ですが、この時間でも座れません。
西日暮里駅で5:39発JR埼京線各停大宮行きに乗り換え、
赤羽駅で5:54発JR高崎線普通高崎行きに乗り換え。
良し、席を確保したぞ!
着くまで寝ます。


高崎駅で7:30発JR信越本線普通横川行きに乗り換え。
ここからが本番。
日本一SLが走っている(と思う)信越本線です。
と言っても、僕が乗るのは何の変哲も無い普通列車で、
高校生が大勢乗っています。
何処に行くのかと思ったら、全員が安中駅で降りていました。
曲がりなりにも新幹線駅か…


車内が空いたのでちょっとだけ窓を開けます。
もう寒いくらいだな…
かなりの速度で走っています。


独特な形をした妙義山が見えます。


峠越えっぽくなってきました。
先程まで快調に飛ばしていた元気は何処へやら、
大分苦しそうなエンジン音です。


終点が近付いてきました。


8:03、横川駅に到着。


駅名標には標高が記されています。
流石は日本一名の知られた峠越え路線。
峠を越えてないだろ!良い加減にしろ!って?


嘗ては越えていたのです。
信越本線は嘗て高崎駅と新潟駅を結んでおり、
横川駅と軽井沢駅の間の碓氷峠は
日本の鉄道史上最大の難所で、
普通の列車では勾配がきつ過ぎて登れない為
アプト式という歯車を使った
特殊なレールと機関車を使っていました。
横川-軽井沢の20km足らずの為だけに
専用のレールや機関車を造らねばならない訳で、
その経費が莫大である事は想像に難くなく、
北陸新幹線が高崎と軽井沢を結んだ折に
横川-軽井沢間は廃止されてしまいました。


それだけで無く、JRは相当信越本線を手放したいらしく、
軽井沢-篠ノ井はしなの鉄道に第3セクター化、
更に北陸新幹線が金沢まで延伸した際には
長野-妙高高原がしなの鉄道に、
妙高高原-直江津がえちごトキめき鉄道に
それぞれ第3セクター化されてしまいました。
つまり、
高崎-横川…JR東日本
横川-軽井沢…廃止
軽井沢-篠ノ井…しなの鉄道
篠ノ井-長野…JR東日本
長野-妙高高原…しなの鉄道
妙高高原-直江津…えちごトキめき鉄道
直江津-新潟…JR東日本
という、日本一ぶつ切りの路線になってしまったのです。


さて、横川-軽井沢間は廃線になってしまいましたが、
この区間を移動する術が完全に失われた訳ではありません。
一応、代替バスが走っています。
8:20発JRバス関東碓氷線軽井沢行きに乗車。
予想外に乗客が多いな…
しかし、鉄オタっぽい人は殆ど居ません。
軽井沢に向かう群馬県民かな?


バスは信越本線が沿っていた旧道(中山道)では無く
碓氷バイパスを走っていきます。
バスでも辛そうなくらいのかなりの峠道です。
それもその筈、碓氷峠は何も鉄道に限った難所では無く、
高速道路や新幹線の日本最大勾配も碓氷峠にあるのです。
一説には、この碓氷峠の高速道路に於いて
100km/hを維持出来るというのを基準にして
日本の自動車のパワーが定められているとか。


大分高いところまできました。


峠を越えて長野県に入りました!
ただ、この峠は碓氷峠では無く
入山峠という名前だそうです。


軽井沢の街に入ってきました。
街路樹が紅葉しています。


8:51、軽井沢駅に到着。
避暑地として名高い軽井沢です。
秋は肌寒いです。


駅の南側。
飲食店街っぽいものがあったので行ってみたら、
営業時間が11:00からでした。
軽井沢の朝は遅過ぎませんかね…


9:33発しなの鉄道南しなの線普通長野行きに乗り換え。


浅間山を見つつ走ります。


小諸駅で10:08発JR小海線普通小淵沢行きに乗り換え。
今回最大の目的がこの小海線。
日本の普通鉄道で最も高いところを走る路線です。


「わくわくエコランド」と随所に書かれています。
小海線自体がエコランドという事?
ハイブリッド車両が走っているからでしょうか。
背もたれに描かれているキャラクターは
ぶりっとちゃんという名前だそうです。
ハイブリッドが由来であって何かの擬音は関係ありません。


ちなみに、ハイブリッド車両とは
ディーゼルエンジンと電気モーターを
組み合わせて(ハイブリッドして)走る列車の事。
小海線以外には烏山線久留里線でも走っています。


小海線の愛称は「八ヶ岳高原線」。
高原というと牧場なんかをイメージしてしまうのですが、
小海線の沿線は田んぼばかりです。
ただ、標高が高いのは事実で、
今日は若干雲の中に入っているのか
遠方は霞がかって見えます。


臼田駅。
この辺りが日本の到達困難極、
即ち、日本一海から遠い場所です。
正確には駅から10kmくらい東の地点ですが。


小海線の名前の由来となった小海駅。
とんがり屋根が特徴的な駅です。
小海と言いながら海要素は皆無。
小海線には他にも海瀬、海尻、佐久海ノ口と
海と名の付く駅が4つもあります。
日本一海と縁の無い路線なのに
日本一海の名が多いとはこれ如何に。


小海駅を過ぎると高原と言うよりも
純粋な山岳路線の様相を呈してきます。
名前の通り蛇行する千曲川を沿って越えて
更に高度を増していきます。


佐久広瀬駅。
秘境駅と言われる事もあります。
中学生が3人降りていましたが。


何処に家があるのだろう…


信濃川上駅。
宇宙飛行士油井亀美也さんの地元です。
ここから宇宙飛行士が輩出されたのか…
確かに、すぐ近くに国立天文台の電波望遠鏡があって
宇宙が身近な土地柄かも知れないけど。


野辺山駅。
日本一標高の高い駅です。
標高1,345.7m。
これを高いと思うか、低いと思うか。
富士山登山鉄道が実現したら
この記録も塗り替えられるかも知れません。


列車は八ヶ岳を望みつつ更に高度を増していきます。


エンジンのギアが切り替わり、
長野県から山梨県へと入る正にその瞬間、
日本の普通鉄道の最高地点に到達しました!
標高1,375m。
後ろに見える喫茶店はその名も「最高地点」です。


最高地点を過ぎると列車は一気に坂を駆け下ります。
次の駅まで100mも高度差があるのです。


12:04、清里駅に到着。
標高は1,274.7mです。


海とは隔絶されているのに海の名前が多いと言いましたが、
やはり同じ疑問を抱く人が大勢居るのか、
改札の窓にその理由が貼られていました。
海とは八ヶ岳の噴火によって生まれた
堰き止め湖の事を指していたそうです。
海と隔絶されていたからこその地名だったんですね。


清里駅外観。
第一印象としては、まず寒い!
もう11月のような寒さです。
流石は高原…


さて、折角ここまで来たので観光します。
観光バスもあるのですが、
列車との接続が異常に悪いので
駅前の観光案内所でレンタサイクルを借ります。
人生初の電動自転車。
おぉう、何だか不思議な感覚だ…
しかし、登り坂は非常に楽ですね。


朝4時半の朝食以降8時間何も食べておらず、
空腹が限界に来ていたのでまずは昼食。
牧場の食堂でドリアとミルクプリンを食べました。
乳製品大好き。
稚内牛乳とはまた違う美味しさです。
稚内牛乳がどっしり濃厚という感じなのに対して
こっちはふんわりなめらかという感じです。


しかし、この辺りの景色は何だか見覚えがあるような…?
そう言えば、昔は家族で毎年のように
この辺りに旅行していた…ような…
自動車で訪れていた場所に鉄道で再訪すると
何だか不思議な感覚に陥ります。


それは兎も角として観光を続けます。
小海線に沿って南西へ坂を下っていきます。
高原の坂道を自転車で駆け下りると
実に清々しい気分になります。


駐車場に自動車を停めて歩きます。
クマが出るのか…
確かに、如何にも出そうな土地柄だけど…


小海線をアンダークロスします。
ここで撮り鉄出来るかな?


という訳で、少し撮影。
これもハイブリッド車両だな…
乗ってきた列車の折り返しかな?
誤解されそうですが、
小海線ではハイブリッド車両は割とレアです。


小海線アンダークロスからすぐの場所にあったのが
目的地である吐竜の滝です。
まるで竜が炎を吐いたように水が流れ落ちています。


大半の人は吐竜の滝で満足して帰っていくのですが、
実はまだ遊歩道は続いています。
いきなり道が険しくなっていたので、
気になって行ってみる事にしました。


道が立体的になってきたな…
ちゃんと赤布を確認していないと迷いそうです。


現代芸術の如く角張った岩。
自然は不思議な事をするものです。
地物の人が居たら、この岩の成因とか教えてくれるかな…


磨光の瀬岩(千枚岩)。
上の写真と同様の岩が川に沈み、
水流で磨耗して光沢を放っています。
辺りに看板の類は無いので、
地図をちゃんと把握していないと見逃す可能性大。
時間的にここで折り返す事にしました。
吐竜の滝駐車場から再び坂道を登り、
昼食を食べた牧場を過ぎて更に北上します。


東沢大橋に到着。
おぉ、綺麗だ…
願わくば晴れて欲しかったけど。
もう紅葉が始まっていますね。


東沢大橋では補修工事をしていました。
この足場で作業するのか…
見ているだけで股間がむずむずする。
というか、この足場ってどう組んだのですかね?
東沢大橋からも遊歩道が延びているという話でしたが、
崩落して通行止めになっていたので引き返します。


途中にサイクリングロードがあったので
帰りはここを走ってみる事に。


って、何だこのサイクリングロードは!
驚くくらいヘアピンカーブの連続です。
しかも、落ち葉が積もっていて横滑りし易い。
モンテカルロも吃驚。
これはサイクリングロードでは無く遊歩道では…


途中にエスケープルートがあったので
已む無く一般道にエスケープしました。
下り坂で制限速度ギリギリまで加速したら
寒さもあって涙が出て来た…

自転車を観光案内所に返却してから
ちょっとだけ時間があったので駅前を散策。
三連休初日の高原リゾートだというのに
何だか人の気配に乏しいな…
この不況の御時世では
リゾート観光地は厳しいのかな。


15:48発JR小海線普通小淵沢行きに乗車。


写真を撮った地点を通過します。
横からですが吐竜の滝が見えますね。


小海線名物、小淵沢駅付近の大カーブ。
元々は富士見駅で中央本線と繋がる予定で
富士見駅に向かって線路を延ばしていたのですが、
用地買収等の都合で小淵沢駅起点に変更された為、
急遽Uターンして小淵沢駅に向かったからだそうです。
見切り発車して工事していたのか…


小淵沢駅で16:17発JR中央本線
ホリデー快速ビューやまなし号新宿行きに乗り換え。
特急に比べても遜色無い時間で
新宿まで直通してくれるとても便利な快速列車です。


小淵沢駅始発なので2階の自由席を確保。
普段より高い視点で幾度と無く通った中央本線を走ります。

18:55、新宿駅に到着。
この後は夕食を食べてから北千住に帰りました。

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