

令和5年になりました。
明けましてはまだお預けです。
初日の出を拝みに行きます。

宿のご主人に教えてもらった展望台に来ました。
夜明け前の出羽島はまだ寝静まっています。

でも、ここだと電線が日の出に被りそうだな…
出羽島集落を眼下に、という立地は良いのですが、
日の出が微妙では本末転倒です。
島民は初日の出に無関心という可能性もありますが、
他に誰も居ないことも不安材料なので
ここから俯瞰して他の候補地を探ります。

地形図と合わせて分析した結果、
やはり海岸に出るしかないだろうということで
集落の中の路地を抜けます。

海岸に出られました。
小さい島だと天候面のリカバリーは無理ですが、
立地のリカバリーはしやすくて良いですね。

港町で初日の出を拝む際の定番、
初日の出狙いの漁船も動き出しました。

太陽が頭を出しました!
紀伊半島に遮れないか少し不安でしたが、
どうやら大丈夫そうですね。

これはまた見事なだるま太陽ですね。
宿毛(2014/3/2)がだるま夕日を推しているのは知っていましたが、
隣県の出羽島も中々のものです。

という事で、
明けましておめでとうございます!
本年もどうぞ宜しくお願い致します!
12年連続で無事に初日の出を拝めました。

恒例の記念撮影も勿論やります。
紀伊半島と比較すると風が穏やかでやりやすいです。

すっかり夜が明けた出羽島集落。
箱庭的な可愛らしさがあります。
しかし、出羽島の人口はここ20年だけで6割近く減少。
このままのペースだと向こう10年で無人島になり兼ねません。
この風景は末長く残っていて欲しいものですが、
本土の牟岐町でさえ徳島市から車で2時間弱という立地では
正直如何ともし難いのが現実なのでしょうね…
僕等が今回泊まった民宿も
今月半ばには休業してしまうそうです。

初詣は出羽神社で。
そう言えば、今更だけど
何故阿波にあるのに「出羽」島なんだろうか?
出羽国と言えば秋田県・山形県の位置だけど…
読みは「でわ」ではなく「てば」ですが。

迎えの船がやって来ました。
港の入口ってここまで窄める必要はあるんですかね?

9:00発出羽島連絡船大生丸に乗船。

出羽島を後にします。
次来る時も有人島だと信じて…

9:15、牟岐港に到着。
ここからは愛知県を目指しつつ沿道を観光します。

…と言いながら、いきなり愛知県とは逆の方角へ。
阿波海南駅にやって来ました。

ここは世界で唯一、DMV(Dual Mode Vehicle)が
営業運転をしている阿佐海岸鉄道の駅です。
DMVとは線路と道路の両方を走れる車両のこと。
有り体に言うと、列車とバスの合いの子です。

DMVの何が嬉しいかと言うと、
鉄道駅から乗り換え無しで鉄道の無い地域まで行ける点です。
この阿佐海岸鉄道の場合、
鉄道空白地帯である室戸岬まで
この阿波海南駅から乗り換え無しで行くことが出来ます。
1日1本だけですが。

…が、極めて本末転倒なことに
JRでこの阿波海南駅までやって来ても
阿佐海岸鉄道に乗り換える必要がある為、
それなら最初からバスに乗り換えれば良いのでは?
というか、ぶっちゃけ徳島市(何なら大阪市)から
直通の高速バスに乗れば一番楽では?
という正論には全く歯が立ちません。
しかも、あろうことか元々繋がっていた線路は分断され、
JRと阿佐海岸鉄道の直通運転は物理的に不可能になっています。
何故そんなことになってしまったかと言うと、
DMVにはとある欠点があるからです。
それは車体が軽過ぎること。
一般的な気動車が1輌あたり30tを超える重量を有するのに対し、
マイクロバスを改造したDMVの重さは僅か6t足らず。
これだけ軽いと線路に付けられたセンサーで存在を検知出来ない為、
他の鉄道車両と同じ線路を走らせると位置を捕捉出来なくなって
衝突事故を起こしてしまう可能性が出て来るのです。
勿論、センサーを改良すれば解決出来なくもないのですが、
その為には多額の費用を掛けて当該線路を交換する必要がありますし、
なら車体を30tくらいまで重くすれば良いかというと
今度は道路法の規制で一般道を走れなくなってしまうという…

まあ、阿佐海岸鉄道は端から利便性向上など眼中に無く、
世界で唯一DMVの営業運転を行なっているという
ネームバリューの為だけにDMVを導入しているのですが。
徳島県と高知県の端っこ10kmだけを細々と走り、
沿線に観光地らしい観光地の無い阿佐海岸鉄道は
営業係数全国ワースト1位の大赤字鉄道なので、
こうでもしないと人が来ないのでしょう。

バスモードのDMVがやって来ました!
まずは旅客の乗降を行うと…

そのまま線路の上に移動して…

車体の下から鉄輪が迫り出して来ました!
これが鉄道モードです。

鉄道モードではゴムタイヤの前輪は浮き、
後輪は接地したままで動力を伝えます。
鉄輪は脱線しないようにするガイド用です。

そのままレールの上を走り去っていきました。
シュールな光景ですね。
こう見ると鉄道車両に比べてかなりちっこいです。
そう、これこそがDMV最大の短所。
乗車定員が極めて少ないのです。
阿佐海岸鉄道では全席予約制を取っているのですが、
その定員は1列車あたり僅か16人。
そこらを走るマイクロバス以下の定員でしかないのです。
まあ、阿佐海岸鉄道の需要だと十分過ぎるくらいですが…
でも、やっぱりギミックとしては面白いですね。
こういう面白枠で何処かの第三セクター鉄道が
フリーゲージトレインを導入したりしてくれないかな。

お次は道の駅宍喰温泉へ。
日帰り温泉で一風呂浴びよう…
と思っていたのですが、
9:00〜11:00が閉館時間で駄目でした。

道の駅もDMV一色ですね。
多種多様なDMVグッズが売られています。

軒先では地元の商工会が餅搗きイベントをやっていました。
しかし、手水の加え方がまずかったようで1回目は失敗。
見兼ねた観客の一人が加勢して成功させていました。
餅搗きって搗く側よりも手水側の方がテクニックが要るのか…
謎の知識を得てしまった。
まだまだ色々見ていきたいところですが、
ここは徳島市より室戸岬の方が遥かに近いような場所。
のんびりしていては今日中に帰れなくなってしまうので、
これで撤退します。

鳴門まで戻って昼食。
鳴門名物の鳴門鯛を頂きます。
身が締まっていて美味しい!

さて、早く帰らねばと言った舌の根も乾かぬ内ではありますが、
徳島県はそうそう来られる場所でも無いので
最後にもう少しだけ寄り道します。
神戸淡路鳴門自動車道に乗らず、小鳴門橋を渡って大毛島へ。

黒山集落にやって来ました。
何をしに来たのかって?

上の写真でもひっそりと口を開けているフェンスの隙間から
怪しい雰囲気の小道を上っていきます。

物々しいフェンスが現れました。
しかし、その鉄扉は開放されています。

神戸淡路鳴門自動車道の本線に出ました。
そうです、ここは高速バスが停まる大毛島バス停です。
しかし、ただの高速バス停なら全国に幾らでもあります。
わざわざ立ち寄るほどのものではありません。
では、大毛島バス停は何が凄いのか?

それはバスの停車本数です。
平日のみ朝の7:35に徳島行き下り便が停まるのみで
土休日は全便が通過、
上りに至っては一切停車しません。
日本一停車本数の少ない秘境高速バス停なのです。

この大毛島バス停で奇妙なのは、
神戸淡路鳴門自動車道自体は四国と関西を結ぶ大動脈であり、
高速バスも上下合わせて1日300本以上が走っているという点。
交通量が無いから停車本数が少ないのではなく、
1/300以下の割合でしかバスが停車しないのです。
何故そんなことになってしまったかと言うと、
3kmしか離れていない隣の高速鳴門バス停が便利だから。
大毛島バス停は駐車場も碌に無いということで敬遠され、
今やこの有り様です。

大毛島バス停の案内看板は消防ホース格納箱の右にある
金属製の立て札なのですが、
風化してしまって全く判別出来ません。
ただ、平成22年にこの状況に至ってから
13年もの長きに渡って廃止にもならず維持されているので、
バス会社は大毛島バス停復活に一縷の望みを抱いている…
のかも知れません。

一般的な観光地にも行っておきます。
大毛島の北端に位置する大鳴門橋へ。

車でしか渡れない大鳴門橋ですが、
その下に意味深な空間があることはご存知でしょうか。

実は大鳴門橋は瀬戸大橋と同じく
道路の下に鉄道を通すことが可能な構造で造られています。
それも、単なる在来線ではなく新幹線です。
関西と四国を結ぶ最短経路ということで
本四連絡線として最有力候補だった時期もあったのですが、
オイルショックや国鉄の経営悪化の影響
(当時では技術的に不可能だったとする説明もある)で、
本州側の明石海峡大橋が鉄道を通せない
道路単独橋として建設されてしまった為、
完全に無用の長物と化しています。
現在の四国新幹線計画では淡路島から紀淡海峡を渡って
和歌山に抜ける案も出されてはいるそうですが…

幻の四国新幹線を通すはずだった空間は
現在遊歩道として整備されており、
名高い鳴門の渦潮を上から眺められるスポットになっています。

何故鳴門海峡でだけ見事な渦潮が発生するかと言うと、
大きな要因は淡路島の大きさが丁度良かったから。
満潮になると太平洋からやって来た満ち潮の大半は
狭い鳴門海峡ではなく大阪湾側に流れ込み、
それが明石海峡経由でぐるっと淡路島を回り込んで
瀬戸内海側から鳴門海峡に到達するのですが、
淡路島を迂回するのに要する時間が6時間程。
丁度満潮から干潮に変わるのと同じだけの時間が掛かる為、
迂回してきた満ち潮は干潮で潮位の下がった太平洋とぶつかり、
その高低差によって渦潮が発生するという仕組みなのです。
このような、潮の周期と一致することによって生じる現象には
他にも有明海の激しい干満差(共振が起きている)などがあります。

この後は新旧の名神高速道路で愛知県へと帰りました。
年初から理屈っぽい説明ばかりの観光になってしまいましたが、
そういう質だから仕方無いですね。
改めまして、本年もどうぞ宜しくお願い致します。


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