グランドサークル 第3日目

ライス大学滞在第40日目。


6:23、起床。
荒野が朝日に照らされつつあります。
結構肌寒いですね。


7:30に出発です。
Page(ペイジ)の町を出ると程無くして
Navajo Nation(ナバホ族居留地)に入ります。

(以降、米国山岳部夏時間UTC-6.0h)


例によって車内では爆睡していたら、
いつの間にか沿道にメサやビュートが増えていました。
目的地は宿からほぼ真東にあるのですが、
直線的に繋がる道が無い為大きく南に迂回しています。


Utah(ユタ州)に入りました!
…が、数分でまたArizona(アリゾナ州)に戻ります。
この辺りの州境は基本的に緯度経度で引かれているので、
よりによってこの超重要スポットが
州境で分断される結果となっています。


Monument Valley(モニュメントバレー)です!
Navajo(ナバホ族)の聖地であり、
アメリカの象徴と言っても過言では無い場所。
実物を目の当たりにすると美しさというか、
その神妙に言葉を失います。
ちなみに、National Park(国立公園)ではなく
Tribal Park(部族公園)といって、
米国政府ではなくNavajoが管理する土地になっています。


この写真はビジターセンターから撮ったのですが、
高台にあるからかかなり風が強くて寒いです。
ほんの2、3週間前までは35℃とかになっていたそうですが。


公園内はNavajoのガイド付きでないと
立ち入り出来ない場所が沢山あるので、
ピックアップトラックに乗り換えていざ入園です。


それにしても、雲一つ無い最高の天気ですね!
個人的に米国で一番来たい場所の一つだったので、
こんな快晴の日に訪れることが出来て感無量です。


Monument Valleyで一番有名な
この3つ並んだビュートは、
左がWest Mitten Butte(ウェスト・ミッテン・ビュート)、
真ん中奥がEast Mitten Butte(イースト・ミッテン・ビュート)、
そして右がMerrick Butte(メリック・ビュート)です。
この案内看板は大分不親切な気が…


カルスト地形のドリーネ、ウバーレ、ポリエに次いで
大小関係の分かり辛さで地理選択の高校生を苦しめる
メサとビュートですが、メサは横長でビュートは縦長です。
この写真だと左がメサで右がビュートですね。


ただ、あまりに細くなると最早ビュートとも呼ばれなくなるようで、
真ん中の3本の丘(?)はThree Sisters(三姉妹)という
固有名詞で呼ばれています。
ところで、こういうのって何故十中八九「姉妹」なんですかね?
Острово Шумшу(占守島)沖にあった3つの小島の名も
確かТри Сeстры(三姉妹)だったし。


西部劇の神様と呼ばれる名監督、
John Ford(ジョン・フォード)が好んで撮影したという
John Ford Point(ジョン・フォード・ポイント)。
Monument Valleyが世界的な観光地となる
きっかけを作ったとも言われています。


より西部劇の気分を味わえるようにと
馬のレンタルもやっていたりするので、
景色に気を取られて馬糞を踏まないように気を付けましょう。


道中、
「これは〇〇に見えることから〇〇ロックと呼ばれていて〜」
みたいな話を十数回くらい聞いたような気がしますが、
写真に撮っていただけでメモしていないので完全に忘れました。
是非皆さんの想像力で何に見えるか考えてみてください(丸投げ)


Navajoの伝統家屋であるHogan(ホーガン)。
丸太を組み立てた上から泥を塗っており、
六角形で少し大きいものが「女性系」、
円錐形の少し小振りなものが「男性系」だとか。
Navajoの人達って今でも伝統的な暮らしを守っているんだ〜


と勘違いした人には申し訳無いですが、
となりに現代的な住宅もあります。
Hoganは寝泊まりする場所というよりも、
儀式を行う場所という意味合いが強いそうです。


Navajoの家を過ぎると一気に道が悪くなりました。
ここから先はNavajo同伴でないと入れません。
ぶっちゃけ、僕もこの先で何を見るのか知らずに
今回のツアーに参加しています。


激しく揺られながら巨岩へと近付きます。
先程見たHoganに似ていることから
Big Hogan Arch(ビッグホーガン・アーチ)と呼ばれているとか。


おお、綺麗な穴が空いていますね。
何故こんなど真ん中に…


アーチの中に入って見上げることも出来ます。
危なくないのかな?
と言いつつ入っていますが。
穴が頭に、入口が胴体になって巨人に見えますというようなことを
ガイドさんが説明していました。


実はこういう穴はBig Hogan Archだけでなく
意外と色んな場所にあります。
こちらはBig Hogan Archの隣にある
Moccasin Arch(モカシン・アーチ)。
Moccasinというのは鹿革製の靴のこと。
巨人が穴から足を入れるイメージでしょうか。


岩壁に目を遣ると何やら小さな影のようなものが見えます。
これは哀れにも干涸びたヤモリ…
ではなく、約4,000年前に描かれた壁画です。
こんな小さな、それも曲がりなりにも屋外に描かれた壁画が
何千年も残っているとは…
天井に大きな穴が空く以上風食はかなりのもののはずですが。


更に隣にあるSun’s Eye(太陽の目)。
この角度から見ると光に照らされた壁と合わせて
ハートのような形に見えます。
ただ、名前は心臓ではなく目なので
当時の人達はハート形を有難がらなかったようですね。


そしてここにも壁画が。
先程の壁画は小ささもあって
正直ノートの端っこに描いた落書き感がありましたが、
こちらは所謂壁画っぽい規模です。
描かれているのはバイソン?
嘗てはこの地にも動物が溢れていたのでしょうか。


良く見たら今もウシがいますね。
これはNavajoが飼っているウシだそうです。
こんな場所でどうやって生計を立てて、
どうやって日用品を調達しているんだろうか…


更にもう1個穴。
Ear of the Wind(風の耳)だそうです。
いつの間にか穴巡りのツアーになっていますね。


Monument Valleyのツアーは
Navajoの人々がそれぞれ独自に執り行っているので、
ガイドによって行く場所は様々だとか。
今回のように穴巡りをするガイドも居れば、
この写真に見えているTotem Pole(トーテムポール)と呼ばれる
細長い奇岩などを巡るガイドも居ます。
もし、「絶対にここへ行きたい!」というスポットがあれば
事前に確認しておいた方が良いでしょう。
しかし、ミステリーツアー的に楽しむのもまた一興です。
Big Hogan Archは中々良かったですね。


いやぁ、期待を裏切らない最高のMonument Valleyだった…
それは他のツアー参加者も同じだったようで、
1時間半の予定が大盛り上がりになって
たっぷり2時間半のツアーになりました。
まあ、削られるのはどうせ土産物屋での時間ですしね。


Tribal Parkから一歩引いた位置にある食堂で昼食。
この近辺では事実上唯一の食堂です。


Navajo Taco(ナバホ・タコス)を注文してみました。
郷土料理というよりはB級グルメ感が凄い。
普通のタコスとの違いとしては、
Tortilla(トルティーヤ)が揚げられていることと、
サルサにパクチーが入っていないことくらいでしょうか。
パクチーレスの時点で盛大なる拍手を送りたい。
Navajoに幸あれ。


公園のビジターセンターにもThe View Hotel
(ザ・ビュー・ホテル)というホテルが併設されていますが、
大人気で滅多に予約が取れない…
という時は、こちらのGoulding’s Lodge
(ゴールディング・ロッジ)もオススメです。
今回は例によってリーズナブルなツアーなので
こんなところには泊まれませんが。


無人の荒野をかっ飛ばして
Page近郊まで戻って来ました。
ここでガソリンを補給します。
Kingman(キングマン)よりも更にガソリンが高い…
Houston(ヒューストン)と比較して
ガソリン価格が4割増しくらいになっています。


Royal Dutch Shell(ロイヤル・ダッチ・シェル)の
看板を表に掲げていますが、
中は何ともディープな土産物屋になっています。
何故こんな共産主義指導者のラベルばかり…
大地が「赤い」→コミーめ!
という発想でしょうか。


何ともアメリカンな
“WE DON’T DIAL 911”(警察なんざ呼ばねぇ)
という標識。
まあ、この地だと警察を呼んでも到着まで何時間も掛かりそうですね。
射撃場の広告もありました。


もう日没が近いですが、今日はもう一つ目玉があります。
Pageから4mi(6km)ほど南にある観光スポットへ。
一見何も無いように見えますが…


地面を良ーく見てみると何かが刻まれているのが見えませんか?


そう!Colorado River(コロラド川)が刻んだ
世界一有名な大峡谷、
Grand Canyon(グランドキャニオン)です!
ここはその中でも特に有名な地点である
Horseshoe Bend(ホースシュー・ベンド)。
まるでHorseshoe(馬蹄)のような形に曲がっていることから
その名が付けられています。


「〇〇のグランドキャニオン」というのは
壮大な大峡谷を表す常套句であり、
これまで中国のグランドキャニオン
キルギスのグランドキャニオン
メキシコのグランドキャニオンを巡りましたが、
遂に本家本元のGrand Canyonを拝めました。
最後のBarranca del Cobre(銅峡谷)以外は
ぶっちゃけCanyon(峡谷)では無かったのですが、
これは紛うことなき大峡谷ですね。


300mにも及ぶ高低差がありながら、
殆どの場所では柵が設けられていません。
ほんの一部だけにある柵すら2018年に漸く付けられたとか。
実際、ちょくちょく転落する人が居るとか。
この自由さは流石米国と言わざるを得ない。
そのお蔭でGrand Canyonを存分に楽しめますが。
日没まで存分に満喫させてもらいました。


Pageの町に戻って祝杯を挙げます。
Monument ValleyとGrand Canyon、
米国の象徴を遂に拝むことが出来て感無量な一日でした。
これでやっと胸を張って渡米経験があると言えますね。

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