(無題)

メラネシア旅行第5日目。
Tanna(タンナ島)を巡ります。


6:56、起床。
世界の果ての島で新時代令和を迎えました。
インターネットが通じないので
日本がどうなっているか全く分かりません。
清々しい朝です。
朝食を済ませたらツアーに申し込み、
迎えに来たピックアップトラックで出発します。


溶岩台地。
溶岩が流れ出て固まった様子が手に取るように分かります。


良く見ると、ペレの毛と呼ばれる
溶岩が細い糸状に固まったものが
そこら中に散らばっています。
風で目に入ったりしたら大変そうですね。


Sydney(シドニー)から来た陽気なおじさんが合流し、
Narak族(ナラック族)の村を訪ねます。
歌を歌って歓迎してくれている…
写真しか撮れていませんが、
実際には出会い頭に急襲を受けて取り囲まれています。
結構ビビる。


儀式を終えたら集落の中へ。
ここには初めてTannaに定住した人が
住んでいたとされる、
洞窟状の住居を見ることが出来ます。


武器の使い方なども教えてくれます。
火山灰を竹に詰めて水を注いで固めると
アスファルトのようになって武器になるんだとか。


嘗てこの槍は鏃に毒のある果汁を塗っていたそうですが、
1987年のサイクロンUmaで毒果実が全滅してしまい、
今ではその風習が途絶えてしまったのだとか。
バヌアツなのにサイクロンで全滅する果実って
進化が不十分だったのでは。


法螺吹き講座もありました。
唇を震わせてトランペットのように吹きます。
中学1年の時に吹奏楽部の体験入部で
酸欠になりかけた自分としては中々辛かったです。


集落の外には(僕の聴解が正しければ)
2万年前に付けられたとされる足跡の化石が。
まだ熱々だった泥の上を歩いて足跡が残ったとか。
何故そんな熱々の場所を裸足で歩こうと思ったのか。


Narak族に別れを告げ、
ワイルドな洗い越しを越えて島の南東部へ向かいます。


Banyan(バニャン)の巨木が聳える村の入口に来ました。
左がメスで右がオスの木だそうです。
中は村長の為の空間になっており、
村で何か揉め事があるとここに入って判断を仰ぐとか。


集落に続く門の役割も果たしているようです。
トトロでも出て来そうな雰囲気ですね。


またしても急襲を受けました。
森の中の部族だからなのか武器は棍棒です。
Nafe族(ナフェ族)という部族だとか。


襲撃が終わるといきなりBanyanの葉っぱ使い方講座が始まりました。
このように互い違いに葉っぱを重ねると…


このように幼児を運ぶ担架になるそうです。
結構な強度ですね。


村の入口に辿り着きました。
まだこちらを警戒しているようですが、
ある儀式を行えば客人として認めてくれるそうです。
その儀式とは…


フェイスペインティングです。
と言っても、彼等のように真っ黒になるまで塗るのではなく、
額に黒い間一文字を入れるだけですが。


客人として迎えてくれたところで歓迎の歌。
故郷Tannaの素晴らしさを歌っています。
…何故僕が意味を理解出来るのかというと英語だからです。
目の前には何故か観光客がお金を入れてくれる
呪術的な木筒(DONATION BOX)があったり。


最後は記念撮影をして終了。
マサイ族ほどではありませんが、中々観光地化していますね。
とは言え、観光地化していない本当に昔ながらの部族を訪ねたりしたら
本気で襲われかねないので、僕は勿論これで十二分に満足です。


現地人の乗る乗合トラックとすれ違いながら、
今度は海へと向かいます。


真っ白い砂に抜けるような青色の海がまるで絵画のような海岸。
その名もWhite Sands(ホワイト・サンズ)です。
何と言う安直な名付け。
しかし、この美しさをゴタゴタと記述したら
その方が却って野暮というものかも知れません。
かなり風が強くて波もそこそこありますが、勿論泳ぎました。
こんなに透き通った海は初めてだ…
ただ、水清ければ魚棲まずなのか魚はあまりいません。


泳ぎ終わったら海の家(?)で昼食。
焼き魚にバナナのココナッツミルク掛けを添えた
バヌアツの料理だそうです。
波の音を聞きながら食べると一層美味しい。


お次はSulphur Bay(サルファー湾)へ。
ここもまた非常に安直なネーミングで分かる通り、
温泉が湧いて硫黄(sulphur)の臭いがする湾です。
確かに、波打ち際の中に熱いほどになっている箇所があります。


また別の部族の人の案内で
Sulphur Bayから延びる道を進みます。
(部族の名前は聞き忘れました…)
蟻が大量にいてちょっと歩き辛い。


粘土層が露出している場所に着きました。
ここの土も地熱で温かいです。


この色とりどりの粘土はフェイスペインティングに使われるのだとか。
Nafe族は木炭を使っていたので黒一色でしたが、
ここの部族は色鮮やかなんですね。


水蒸気がもくもくと上がる大穴もありました。
もしやこの下には温泉が!?


…水蒸気だけか。
温泉卵は作らないそうですが、
野菜を蒸したりすることはあるそうです。
蒸気に含まれている硫黄の所為なのか、
ここでサンダルの底が剥がれてしまいました。
よりによってこんな場所で…
まあ、ツアーはもう終わりですが。


車が何やら小さな売店の前で停まりました。
何やら大きなボトルが並べられていますが、
一体何の屋台なのでしょうか。
ミネラルウォーターとか?


ガソリンなのか!
これがバヌアツ式のガソリンスタンド…
1本1,000Vt(約1,000円)だそうです。


今日も噴煙を上げるMt. Yasur(ヤスール火山)。
小噴火の音が聞こえてくるな…


そんな感じでTannaの自然だけでなく文化も満喫した一日でした。
このツアー、色んな部族の協力の上に成り立っていたけど、
誰が利害関係を調整して取り纏めたのかな…
長老同士の話し合い?
その辺の裏話も気になってしまうくらい面白いツアーでした。

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