北岳 第2日目


3:50、起床。
小屋で朝食を食べたら御来光を拝みに外に出ます。


今朝は東側も晴れて既に光条が見えており、
この分なら御来光も期待出来そうです。


北岳バットレスの隣にはくっきりと富士山が。


北を見ると、甲斐駒ヶ岳(2017/10/1)と仙丈ヶ岳が
北沢峠を挟んで鎮座しています。
甲斐駒ヶ岳の手前にあるのは、
昔広河原で山仕事をしていた人達が
最初に朝焼けを見たことからその名が付いたと言われる
アサヨ峰(浅夜峰または朝与峰)。
今のアサヨ峰が無くて甲斐駒が直に見えていたら
甲斐駒が代わりにアサヨ峰と呼ばれていたのでしょうか。


その奥には燕岳の御来光(2023/7/30)でも
特徴的な噴煙を上げていた浅間山が見えます。
当然ではありますが燕岳からとは全く違う方位に見えて、
甲信地方のスケール感を感じます。


地蔵岳のオベリスクもまた特徴的。
去年(2022/10/2)はあそこから日の出を眺めたなぁ…


時刻的にはもう日の出のはずですが…
地平線に雲が掛かっていて遅延しています。


富士山方面には既に日が当たったようで
浮世絵で見たような赤富士になっています。


北アルプスも既に日が照っていますね。
この距離からでも槍ヶ岳と穂高岳は容易に同定出来ます。


が、北岳はまだもう少し掛かりそうなので、
寒くなってきて小屋の中に戻りました。
北岳バットレスのモルゲンロートも見たかったな…


身仕度をしたらいよいよ大詰め、
日本第二の山頂を目指します。


かなりの高地まで森林がある温暖な南アルプスですが、
ここまで来ると流石に岩山の様相を呈しています。
岩山と言っても、山頂付近の極一部を除いて
南アらしい脆い堆積岩なので険しさはあまりありません。
そして…


日本第二の高峰、北岳(標高3,193m)登頂です!


南東に聳える富士山を除いて、
今自分が立っているこの地点よりも高い地面は
この日本列島上に存在しません。


こうして見ると富士山はつくづく絵になりますね。
実際に登るとなると相当単調そうに見えますが。


ここからも当然見える地蔵岳のオベリスク。
あの時あそこの稜線から眺めていた北岳の山頂に
今正に立っていると思うと感動も一入です。


南方を見遣ると更に深みへと続いていく南アルプスの主稜線。
実は甲斐駒ヶ岳やこの北岳のような北部に位置する山々は
南アルプスの中ではかなり登山者に「優しい」方で、
南アルプス、いや赤石山脈の真価はあの南部にこそあります。
どういう意味か?
それはじきにこのブログでも触れることになるはずです…


暫し記念撮影タイム。


記念撮影を終えたら下山します。
甲斐駒ヶ岳(2017/10/1)と赤岳(2022/7/23-24)が目の前に見えていますね。
色んな方角に登ったことのある山があって
経験値の高まりを感じます。
これが可視化か。


下山していると谷筋に沿ってヘリコプターが飛んできました。
まさか遭難者?
いや、吊り下げている物の大きさや
何往復もしているところから見るに物資輸送ですね。


ヘリが貨物を下ろすところにはギリギリ間に合いませんでしたが、
白根御池小屋ではヘリが持ってきた物資を荷解きしていました。
この包みはお酒ばっかりだな…


お酒には目も呉れずひたすら下っていきます。
日本第二の高峰から下山するのだから
その高低差はかなりのものです。


お昼を回ったころになって漸く広河原に下山。
中々長かった…
朝に立っていた頂が沢を詰めた遥か向こうに聳えています。
数時間前あそこに居たんですね。


12:00発のバスに乗れたら甲府で昼食でも良かったのですが、
残念ながらその便は逃してしまったので
広河原山荘で昼食にします。
食事提供があって助かった。


14:00発山梨交通37系統快速甲府駅行きに乗車。
3台体制です。


先週(2023/8/27)訪れた奈良田へも14:30発のバスが出ているので、
実はそちら経由で帰ることも出来たりします。
あのかき氷を食べたいような気がしないでもない。


先週血眼になって探して
石垣らしきものしか見付からなかった野呂川林用軌道ですが、
実はこのバスが走る南アルプス林道の一部は
野呂川林用軌道跡を転用しており、
沿道には隧道の跡まであったりします。
一瞬で通過してしまった上に機材置き場になっていて
良く分からない写真しか撮れませんでしたが…


この後は甲府で打ち上げをしてから帰途に就きました。
このグループでの大目標だった北岳を討てて大満足です。
次なる目標は何処に据えようかな…

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