斜里岳遠征 第2日目

7:00、起床。
本来は今日が登山決行日でした。
起床時刻からも明らかですが今日は無理です。
こんな狙ったように雨になるなんて…
しかし、こんなこともあろうかと予備日を設けていたので、
登山は明日に順延します。
冗長性は大切ですね。


ただ、雨だからと言って
網走まで来ておいて引き籠もるのは勿体無いので、
何かしら観光はします。
旧・国鉄湧網線の跡に沿って西へ。


やって来たのは卯原内サンゴ草群落地です。
別名アッケシ草(厚岸草)とも呼ばれる花で、
まるでサンゴのような色合いからその名が付いています。
サロマ湖畔の卯原内は日本一の群落地で、
丁度今の時期に美しい花を咲かせています。


まるで田植機で植えたかのように整然と並んだサンゴ草。
実は保護の為に人の手が入っていて、
サンゴ草以外の塩生植物が生えてこないように
毎年トラクターで土を掘り起こしているそうです。


現在ではレンタカーでしかアクセス出来ない
卯原内サンゴ草群落地ですが、
嘗てはすぐ近くに国鉄湧網線の卯原内駅がありました。


サンゴ草群落地がもう少し早く有名になっていれば、
湧網線も違った運命を歩んでいたのでしょうか。
いや、秋の1ヶ月しか咲かないサンゴ草では
廃線を回避させるのは厳しいか…


お次は北見ハッカ記念館。
嘗て世界のハッカ流通量の7割を占めるにまで至った
北見市のハッカ事業について展示されています。


ハッカはミントを水蒸気で蒸留して得られる取卸油から
結晶として取り出したハッカ脳(写真左から2番目)と、
ハッカ脳を取り出した後の赤油を精製した
ハッカ油(白油、同4番目)の2つを主に指します。
あのスースーする主成分はl-メントールです。


ハッカの製造に使われていた機械は
漫画で良く見る「研究所にありがちな謎の機械」そのものです。
もしかしてハッカ製造機がモデルなんだろうか。


実際にミントを水蒸気蒸留して取卸油を抽出する
実演展示も行われていました。
メスシリンダーの一番上に溜まっている
黄色い液体が取卸油です。
ここまでは農家が自分の家で行ったとか。
取卸油にすることで体積が大きく減り、
当時の劣悪な道路状況でも十分に輸送可能だったというのが
北海道でハッカ生産が盛行した要因だったそうです。


お土産コーナーでは今でも北見ハッカを買うことが出来ます。
鉱物として飾っておいても良いくらい綺麗ですね。
ぶっちゃけメントールのあの清涼感は個人的に苦手なのですが、
そうは言っても折角なのでチョコミントタブレットを買ってみたら
これが巷のものより遥かに美味しかったです。
チョコミントもこれなら食べられる。


本来の主目的である斜里岳から遠ざかってしまったので、
ポケモンマンホールを回収したりしつつ東に舵を取ります。
北海道のポケモンマンホールは
何故かどれもロコンが描かれているけど、
北海道がモデルのダイパだと
ロコンってかなり特殊な出現条件じゃなかったっけ…


網走に戻って同行者の強い希望で博物館網走監獄へ。
再収監されてしまった。


ただ、冬に来た時(2022/3/4)とは雰囲気が違い過ぎて
同じ場所だとは思えませんね。
森の中のログハウス風別荘みたいな印象さえ受けます。
勿論内部は記憶と寸分違わぬ監獄っぷりでしたが。


ここまで網走では半年前の復習ばかりしていますが、
ここで僕が希望を出して初訪問の場所へ。
北海道立北方民族博物館です。
アイヌに限らず北極圏周辺に暮らす民族について展示されています。


結構衝撃的だったのですが、
「パーカー」ってイヌイットの言葉だったんですね。
そして更に衝撃的だったのがこの原始的なパーカーの素材。
何とアザラシの腸です。
確かに、天然素材としては抜群の防水性と軽さか…
生活の知恵には驚くばかりですね。

半年振りの網走周辺観光を満喫したら、
スーパーマーケットで買い出しをして
いよいよ斜里方面へと走ります。


明日こそ登山決行日!
晴れてくれると良いなぁ…

コメント