那須連山

先週(2022/5/28)は会社の人達と交流を深めるべく
大菩薩嶺に登ってきましたが、
新しい人間関係だけでなく昔からの人間関係も重視したいものです。
という訳で、大菩薩嶺から1週間しか経っていませんが
今日は元・東大ワンゲル部の2人と登山しに行くことにしました。

まだシーズンが始まったばかりで身体もそんなに慣れていないから
ガチな山というよりは楽しめるくらいの山にしよう、
というのは大菩薩嶺の時と同じ指針ですが、
とは言え腐っても元・ワンダーフォーゲル部なので
大菩薩嶺のようにコースタイム4時間未満では満足出来ません。
なのでコースタイム7時間強の山を選んだのですが、
そうなると電車の始発で行っていては間に合いません。
ということで、金曜の仕事終わりに蒲田でFAと合流して投宿し、
そこからFAの車に乗ってもう一人の参加者であるODを拾い、
東北自動車道で一路北へと向かいます。


栃木県の北端に位置する
那須ロープウェイ近くの登山口にやって来ました。
避暑地として名高い那須高原です。
初めて来ましたが中々良い雰囲気の場所ですね。


ロープウェイもあるにはありますが、
営業開始を待っていられないので普通に歩いて登ります。
あとは、FAがロープウェイ利用で満足出来る訳がないので…


まだ標高1,600mほどでしかないのですが
ものの10分で森林限界を越えました。
茶臼岳が活火山で火山ガスの噴出が多かったり、
風の強いのが原因でしょうか。
遮る物が無くなってしまったので
直立すら儘ならないほどの猛烈な風が吹き荒れています。


峠の茶屋…にしか見えない「峰の茶屋」という名前の
避難小屋まで登ってきました。
ちなみに、「峠の茶屋」は登山口の駐車場のところにあります。
どちらも1ステップずつ早過ぎるのでは。
地理的に正しい名前は「峠の茶屋」と「麓の茶屋」な気がするけど…


峰の茶屋からは稜線歩きになるのでより一層風が強まります。
東側を巻くような箇所はまだ良いのですが…


西側はかなりとんでもない風が吹き付けています。
何故ここまで風が強いのだろう…
今日が偶々そういう日なんですかね?


そんな暴風の中、草一本生えない荒涼とした稜線を進みます。
ここは地図に拠れば鎖場らしいけど、
手摺りとして鎖が設置してある場所は鎖場と呼ぶのだろうか…


那須連山は多くの山頂に巻き道が付けられているのですが、
巻いてばかりでは何をしに来たか分からないので
ここの山頂は窮めておきます。


朝日岳(標高1,896m)に登頂。
丁度登頂のタイミングで雲が晴れてくれました。


茶臼岳から続く荒涼とした稜線。
毛無峠(2018/8/25)を思い出させる景色ですね。
登山口から1時間ほどでこの景色を拝めるのは
実にコスパが良いです。


関東平野を望みながら一休み。
長閑な一場面に見えますが、
例によって暴風が吹き付けているので
少しでも風を凌げる場所を探して身を寄せ合っています。


朝日岳を過ぎると池塘を楽しめる清水平に。
こういう見通しの利く稜線歩きは最高です。
ちょっとガスってしまっていますが…
FAは
「俺は通だから山頂じゃなくて稜線が好きなんだよ」
と言っているけど、多分多くの山屋が同じ意見なのでは。


プラントの設計やら発電機の慣性力やら
イカ東(死語)な話をしていたら、
いつの間にか那須連山最高峰の三本槍岳(標高1,917m)に登頂。
こちらはまだガスっていますね…
ほんの数百m、ほんの数分で大きく天気が変わるのも
また稜線らしさであります。


ガスの切れ間を見計らって撮った三本槍岳からの眺望。
この辺りが栃木県の最北端です。
陽射しが無いと肌寒いので休憩もそこそこに戻ります。


天気が上り坂になってきました。
清水平も往路より輝いています。


行きと天気が違い過ぎて同じ山とは思えない…
(ガスっていた時の写真は撮っていないので
何を言っているのか良く分からないかも知れませんが。)
一度の山行で二度楽しめてお得ですね。
風もかなり収まってきました。


まだまだ時間も体力もあるので
峰の茶屋の裏手に見えていた茶臼岳にも登っておきます。
三座の中で最も火山らしい山容で、
気象庁の噴火警戒レベルの対象にもなっています。


草木が全く無いので登山道からして眺望抜群です。
通なFAの好みとは少し違うかも知れませんが。


茶臼岳(標高1,915m)に登頂。
那須連山の三座を制覇しました!
茶臼岳はロープウェイが通じているとあって賑わっています。


山を含めた景色では朝日岳や三本槍岳に軍配が上がりますが、
独立峰に近い形をした茶臼岳からは
遮る物無く何処までも関東平野が望めます。
東京は勿論、富士山も見えるそうです。
今日は富士山までは難しそうですが…


茶臼岳は典型的な成層火山なのでお鉢巡りも出来ます。
思ったより小さなお鉢ですね。
あと、火口の中からは噴煙が上がっていません。
現在では北麓に噴気口があるようです。


那須連山で絶景を堪能出来たのと、
人が増えてきたのでそろそろ下山します。
人混みを極端に嫌うのもまたワンゲル部の特徴…


会社の同僚と行くのとはまた一味違う山行でした。
山に馴染みの無い人に山の魅力を知ってもらう山行も
勿論とっても楽しいものですが、
お互いに実力を良く知り合っていて
遠慮することのない山行もまた良きものですね。


山行中に火山ガスの臭いを嗅ぎまくって
すっかり温泉の気分になってしまったので、
下山後は川床をそのまま露天風呂にした温泉に浸かってから
東北自動車道で東京へと帰りました。

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