(無題)

ドイツ出張第10日目。

7:23、起床。
朝ご飯にバナナを2本食べてから研究室へ。
今日はお昼にジャーナルクラブがありました。
本来は火曜に行われるものではないそうですが、
自分の研究紹介をさせて欲しいと頼み込んで
特別にやってもらえることになりました。
前半は宇宙論研のarXivセミナーとほぼ同様のもので、
皆が気になった新着論文を紹介し合うというものでしたが、
パソコン等は一切用意されていなくて
「そう言えば〇〇の論文読んだ?」
「ああ、それなら非可換な時空を考えて階層性問題を…」
みたいに論文を諳んじている感じでした。
DESYともなると1週間分の新着論文を記憶しているのか…?
会った人の名前さえ覚えられない僕には厳しい。

新着論文紹介が一通り済んだところでいよいよ研究紹介。
前述の通りパソコンは無いので黒板を使っての発表です。
持ち時間は30分弱でスライドを使えないとなると
普段以上に情報を選別しなくてはなりません。
その分聴衆との距離が近いので質問はバンバン飛んできます。
COSMOや昨日のセミナーの様子から、
ドイツの人はそんなに質問に積極的ではないのかと
不安に思っていましたが全くの杞憂でした。
僕の発表に穴が多過ぎるからかも知れませんが。
何にせよ質問は多い方が寂しくなくて良いですね。
午後はお昼の発表も踏まえてDomckeさんと議論しました。
会話のスピードが速くてリスニングの特訓になります。
粒子生成とかが好きだと言ったら、
「私も今粒子生成を良く研究してるんだよ!」
と盛り上がったので、これをきっかけに共同研究が…
となったら嬉しいんだけど。

沢山話したからかお腹がペコペコです。
そう言えば、まだ全然Hamburg(ハンブルク)を見ていないな…
というわけで、皆に倣って17時半退勤し、
3番バスRathausmarkt (Petrikirche)(市庁舎(聖ペトリ教会))行きに乗車。


Johannes-Brahms-Platz(ヨハネス・ブラームス広場)。
HamburgはBrahms(ブラームス)の故郷です。
P会民としてはBrahms-Museum Hamburg
(ブラームス博物館)も行っておくべきなのでしょうが、
17:00閉館なのでとても無理でした。


Rathaus(ハンブルク市庁舎)にやって来ました。
お城のように立派な市庁舎です。
Hamburgは王族や貴族による統治を受けなかった
Hansestadt(ハンザ都市)と呼ばれる生粋の商人の町で、
この市庁舎も市民の寄付によって建てられたそうです。
現在もHamburgは一都市だけで特別州を形成するなど
独立色の強い土地柄となっています。


どうしてそんなに商業が栄えたのかと言えば、
ここがElbe(エルベ川)に面した良港であり、
第3回十字軍への貢献の見返りとして船舶航行特権、
関税特権、経済特権などを相次いで獲得したことにより、
港湾都市としての地位を築いてきたからです。
Rathaus駅(市庁舎駅)からUバーンU3線Barmbek(バームベック)行きに乗り、
運河沿いのBaumwall駅(バウムヴァル駅)に来てみました。


1896年から20世紀半ばまで現役だったという
Rickmer Rickmers(リックマー・リックマース号)。
Hamburgの顔の一つです。
青森市でいう八甲田丸みたいなものでしょうか。


同じHansestadtだったBremen(ブレーメン)や
Lübeck(リューベック)は今では衰退してしまいましたが、
Hamburgは今でも現役バリバリの港湾都市であり、
大量のガントリークレーンが蠢く様を望めます。


UバーンU3線に乗って再びRathausに戻ります。


Rathausの地下をそのまま使ったレストランへ。
一仕事終えた後のビールは最高です。


Labskaus(ラプスカウス)。
嘗て北ドイツの船乗り達が好んで食べていたという
マッシュポテトにコンビーフとビーツを混ぜた料理。
日本風に言えば漁師飯です。
漁師飯なのに魚を使わないのか…


デザートはRote Grütze(ローテ・グリュッツェ)。
種々のベリーを煮詰めた北ドイツの名物料理です。
ジャガイモだらけのドイツ料理に爽やかな酸味が嬉しい。
ロシアのВаренье(ヴァレーニエ)といい、北国はベリーが好きですね。
冬の間のビタミン不足を補う為の生きる知恵なのでしょうか。


やっとHamburgを満喫できて満足したところで
3番バスに乗ってDESYへと戻りました。
いよいよ残すところあと1日か…

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