利尻礼文旅行第3日目。
礼文島に渡ります。
6:30、起床。
昨夜打ち上げをしたからか眠い…
起きた瞬間は雷も鳴る豪雨で焦りましたが、
程なくして止んでくれました。
宿の人に鴛泊フェリーターミナルまで送ってもらいます。
明日から実習や仕事のあるSY先輩とKSさんは
ここでお別れです。
昨日ペシ岬に登っていないFKの希望により、
僕等の乗る船が出るまでペシ岬を登る事にしました。
岬の上からフィルイーズ宗谷をお見送り。
今日も利尻富士山頂は雲の中だな…
今日は鴛泊灯台の方まで行ってみます。
こぢんまりとした鴛泊灯台。
灯台本体はこんな大きさですが、
ペシ岬自体が70mの断崖になっている為、
灯高(海からライトまでの高さ)は76mもあります。
それでは、僕等も利尻島を発ちます。
9:20発ボレアース宗谷に乗船。
何故同じ船に乗らなかったのかって?
そりゃあ、目的地が違いますからね。
10:05、香深港に到着。
利尻島の隣に双子のように鎮座する島、礼文島です!
ここまで来たのならやはりこちらも訪れないわけにはいきません。
例によって公共交通機関はあって無きが如しなので、
港のレンタカー屋で自動車を借りました。
天気が良い内に、北部にある絶景地帯を巡っておきます。
富士山をそのまま海に浮かべたような利尻島とは違い、
利尻島内部は比較的なだらかな丘陵地帯です。
それでも殆ど樹木が生えていないというのは
如何にも北海道らしい景色ですね。
北海岸まで出てから島を横断して西海岸へと出ます。
どん詰まりの駐車場までやって来ました。
ドアが引き千切られそうなほど風が強いです。
駐車場からは遊歩道を歩きます。
それにしても風が強い!
吹き飛ばされそうになりながら階段を上ると…
澄海岬です!
正に「スカイ」の名に相応しく、
青空とそれに負けない青い入り江が何とも美しい岬です。
澄海岬の名前は公募で決まったのだとか。
南の方を見遣ってみると何とも険しい地形。
この先には、陸上からはほぼ到達不可能で
小型船でしか行けないという秘境中の秘境、
郵便物を送ろうとしても届けてもらえない交通困難地に指定されている
北海道礼文郡礼文町船泊村メシクニとメシコタイがあります。
流石にそこに通年定住している住民は居らず、
番屋(漁師の作業・休憩小屋)しか存在していませんが。
澄海岬を見終えたら更に北へ。
ガードレールも無い林道のような道を走ります。
走っていて実に気持ちの良い道です。
道中にあったトド島展望台からの眺め。
遥か眼下に海沿いを走る北海道道507号線が見えます。
砂利敷の駐車場に車を停めて
遊歩道を少し歩くと…
着きました!
礼文島最北端のスコトン岬です。
一般人の行ける日本の島の中では最北端の場所。
嘗ては宗谷岬と最北端の座を争っていたそうですが、
測量により宗谷岬に軍配が挙がった後は
最北端ではなく「最北限」を名乗っています。
目の前に見えているのは海驢島という無人島です。
すぐ傍には何と民宿がありました。
こんなところで泊まったらさぞかし気持ち良いだろうなぁ…
北部の絶景岬2つを制覇したら、
再び港のある南部へと戻ります。
昆布を干す為のスペースが沿道の至る所にあります。
が、今は一切干されていません。
もう時期が終わってしまったのかな?
しかし、利尻島と並んで昆布が有名な礼文島。
食べないわけにはいかないので、
港近くの食堂で昆布出汁の海鮮ラーメンを注文。
ウニまで載って礼文尽くしですね。
やはり出汁は昆布に限る。
海鮮ラーメンで腹拵えを済ませたら、
北海道道765号線の旧道へ向かいます。
完全閉鎖された旧・桃岩トンネル。
虫一匹入れさせまいとする意気込みを感じます。
このようなトンネル封鎖は北海道の廃道の特徴だとか。
ヒグマが棲み着かないようにする為という説がありますが、
そもそも礼文島にヒグマはいないような…
車道は最早進めないので、
トンネルの傍の駐車場からトレイルを歩きます。
桃岩展望台に到着。
おお、絶景!
離島とは思えぬ壮大な景色です。
圏谷のようにも見えます。
展望台の名前の由来になった桃岩はこれ。
桃と言われれば桃に見える…ような?
利尻島のようなはっきりした山は無い礼文島ですが、
その分島内には幾つものトレイルが走っています。
花の礼文島と呼ばれるくらい植物も綺麗だとか。
トレッキングしたかったなぁ…
新桃岩トンネルを抜けて西海岸にやって来ました。
礼文島の集落はほぼ全て東海岸にある為、
西海岸は人跡未踏感が凄いです。
奥に見える島から裂かれたような形をしている巨岩は
地蔵岩という名前だとか。
桃台猫台という不思議な名前の展望台。
おお…
息を呑む美しさとは正にこのこと。
圧倒的な自然の造形美。
一番右端に写っているのが桃岩です。
こちら側からだと確かに桃っぽいですね。
反対側。
この現実離れした地に何と建物が建っています。
あれは全国的にも有名な桃岩荘。
番屋を改築したユースホステルで、
その独特の文化で名を轟かせています。
ちなみに、桃台猫台の「猫台」の名前の由来になった
猫岩はこの写真の右端に写っている小さな岩です。
最後に、礼文島最南端にある
北のカナリアパークに来てみました。
映画「北のカナリアたち」で実際に使われたセットを
そのまま資料館とした施設です。
映画の舞台は北海道最北の島の小学校。
セットはどう見ても本物の小学校にしか見えません。
壁に貼られていたフェリーの時刻表。
島の名前は礼文島ではなく麗端島になっています。
でも、島名以外の地名は全てそのままですね。
小樽からの夜行便も記載されていますが、
これは平成5年まで本当にあった
北海商船フェリーの小樽利札航路です。
本土の鉄道時刻表は駅名も含めて
現実のものと全く同じですね。
今は亡き寝台特急利尻の姿がありますが。
あれ?でも、小樽利札航路が現役だった頃は
まだ特急じゃなくて急行列車だったはず…
さて、礼文島をぐるっと一通り見終えたので
今夜の宿に向かいます。
実は、宿は北部にあるので、
北のカナリアパークからだと
島を完全に縦断するような形になります。
今日だけで無駄に1往復半もしてしまった。
結局、天気は一日中良いままだったので、
最後にもう一度あの澄海岬を訪れて
日没を見ようと思います。
陽の紅と湾の碧がせめぎ合って
得も言われぬコントラストを生み出しています。
うーん、一々景色が美し過ぎて
僕の陳腐な語彙力では全く表現出来ない。
実は利尻島のおまけくらいのつもりだった礼文島ですが、
実際に来てみるとあまりの美しさに絶句の連続です。
こんなに素晴らしい島があったなんて…
これだから島巡りは止められませんね。
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