甲斐駒ヶ岳

3:00、起床。
朝と言うべきか夜と言うべきか
良く分からないような時間です。
朝食(?)を済ませて甲府駅に向かいます。
甲府駅の始発列車は5:18発JR身延線普通富士行き。
その1時間も前に行ったところで一体何をするのか?


バスは出ているんですね。
しかも、高速バスとかではなく普通の路線バスが。
4:35発山梨交通広河原行きに乗車。
想像以上に人が並んで居た為、
バスが2台に増発されたにも関わらず座り切れず、
僕等三人は席にありつけませんでした。
うへぇ、このバスは2時間近く乗るのに…
仕方無いので床に座って爆睡。
アンデスのバスが思い出されるな…
あれより遥かに揺れますが。


広河原バス停で林道バスに乗り換えます。
ここも驚くほど人が多いな…
今時、外国人観光客皆無でこれだけ賑わう場所は
もうこういうところしか残っていないのではないか。
6:50発南アルプス市営バス北沢峠行きに乗り換え。


7:15、北沢峠バス停に到着。
寒い!
ここの標高は2,000mを超えているとあって
10月頭なのに0℃近いです。
近くの山小屋で冷たい水を汲んでから7:30に出発。


そう、秋晴れの土日に
わざわざ山梨県に出向いてする事と言ったら、
山登りをおいて他にありません!
実は以前からHKとKYに
成中登山部を結成しないかと持ち掛けており、
今回はその記念すべき第1回目の山行なのです。
二人は愛知県在住なので、
東京都在住の僕との間を取って
甲斐駒ヶ岳へ登ろうという事になりました。
出だしは眺望の無い樹林帯の急登。
他の登山者は別ルートを通っているのか人が少ないので、
三人で懐メロを歌いながら歩いていました。


1時間20分ほどで稜線に出ました。
いきなりの大展望です。
良いですねー。


8:52、双児山(標高2,649m)に到着。
ただでさえ甲府からの日帰りでは
時間が厳しい甲斐駒ヶ岳。
初心者二人を無理矢理連れて来たので
遅れないか心配でしたが、
コースタイムより若干早いくらいのペースで来ています。


そして見えました!
手前の駒津峰に隠されてはいますが、
奥に聳える白亜の山こそ甲斐駒ヶ岳です。


赤石山脈の山々を望みつつ稜線を歩きます。
アクセスの悪い山が多い南アルプスは、
北アルプスや中央アルプスに比べると
かなり秘境の山が多いです。
山梨-長野県境はまだ良い方なのですが、
静岡-長野県境は…


駒津峰(標高2,752m)に到着。
順調そのものです。
天気も素晴らしい!
天気が悪いと登山は地獄だからな…


痩せた尾根を進みます。
紅葉が綺麗ですね。
こういう稜線歩き本当に好き。
この為に山に登っていると言っても過言ではありません。
KYも好きだと言っていました。


六万石を過ぎたらいよいよ甲斐駒ヶ岳へ最後の登りです。
稜線をそのままトレースする急峻な直登ルートと、
岩登りを避ける巻き道ルートがあるのですが…


僕等は勿論直登ルートを選びます。
この山行は三段跳で行ったらホップに相当するので、
技術を磨く為にも高難度ルートに挑戦せざるを得ません。
碧岩に比べたら屁でもない難度ですが。


とは言え、振り返ると中々の高度感です。
下りでこのルートを利用するのはやめた方が無難ですね…


岩場に次ぐ岩場。
御殿下ボルダリングの成果が発揮されますね。
HKが意外と岩登りに長けていました。


岩場の連続を抜けて一段落。
ここからは甲斐駒ヶ岳名物の白砂の登山道です。
夏場でも白く輝く甲斐駒ヶ岳は
南アルプスには珍しい花崗岩質である為、
頂上付近は花崗岩が風化した白い砂利に覆われています。
その為、かなり滑り易いです。
寧ろ岩場より登り難いかもな…


そんな数々の試練を乗り越えれば…


着きました!
甲斐駒ヶ岳(標高2,967m)山頂です!
日本百名山を選定した深田久弥をして
「日本アルプスで最も美しい山頂」と言わしめた名山中の名山。
喜びも一入です。
実は僕がこれまでに登った中で最も高い山だったり。


甲府盆地を一望の下に望めます。
いやー、爽快の一言!


そして、南東に目を遣ると標高日本一の富士山、
その右には標高日本二位の北岳が。
何とも贅沢な景色だ…
勿論、八ヶ岳や中央アルプスも見えます。


日本の名山を取り揃えたような
贅を尽くした絶景をおかずに昼食。
頂でのおにぎりとお茶の美味しさは筆舌に尽くし難い!


存分に甲斐駒ヶ岳山頂を満喫したら、
帰りのバスに遅れぬよう下山を開始します。
帰路は巻き道ルートで。


まるで砂漠のようですね。
このギャップがまた楽しい。


成中登山部の宣材写真として撮影したKYの後ろ姿。
部員募集中です。


行きは登るのに必死であまり見ていませんでしたが、
綺麗に木々が色づいています。
もう秋だな…


駒津峰で休憩。
歩行時間が5時間を超え、
元気だった二人も疲労の色が濃くなってきました。
下山が辛いのも登山の内。


復路は双児山経由ではなく仙水峠経由で下ります。
森林限界よりも下ると樹林帯に入ってしまい、
ひたすら眺望に乏しい道を歩き続ける事になります。
下りはKYの方がHKよりも得意なようです。


仙水峠に到着。
ゴールまであと一息です。


この辺りは岩礫地になっており、
急な登山道より歩き易い
…と思うのですが、二人は大分手こずっていました。
岩礫地は僕が一番得意なようですね。


沢まで降りてきました。
あと一歩!
例によって歌を歌いながら歩きます。


着いたー!
終バス発車時刻(16:00)の25分前、
15:35に北沢峠バス停まで戻ってきました。
何とか間に合ったな…
満員になり次第発車という
中央アジアの乗合バスみたいな方式なので、
定刻より10分早い15:50に出発。


南アルプススーパー林道を下ります。
建設時には激しい反対運動が巻き起こった道です。
もし本当に建設が中止されていたとしたら、
赤石山脈の山々は今よりも遥かに
登山の難しい山域となっていた事でしょう。
登山家的には林道様様ですね。
広河原バス停で16:40発山梨交通甲府駅行きに乗り換え。
今度は定刻通りに出ました。


18:32、甲府駅に到着。
昨日から気になっていた信玄餅ソフトを食べ、
駅前で急いで立ち食い蕎麦を掻き込みます。
愛知に帰る二人と別れて一人で駅へ。


19:00発富士急行バス新宿行きに乗車。
帰りは高速バスを使ってみます。
特急列車並みの時間で帰れて、しかも運賃は鈍行列車並み。
こりゃ良いと思ったのですが、
中央自動車道小仏トンネルが30kmも渋滞していて、
実際には鈍行列車で帰るよりも時間が掛かりました。
やはり高速バスは糞、はっきり分かんだね。
ワイドビューしなのが鹿と衝突して
部分運休した二人よりはマシかも知れませんが…
そんな感じの成中登山部第一回山行でした。
このままステップアップしていって
ゆくゆくは憧れの北アルプスへ…!

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