昨日は殆ど終日勉強詰めだったから、
今日は何処か出掛けたいな…
という事で、今見頃を迎えている
関東の紅葉を見に行く事にしました。
4:30、起床。
眠い目を擦りながら朝食を済ませ、北千住駅に向かいます。
6:03発東武伊勢崎線区間急行太田行きに乗車。
車内でFK(元・成岩中)と合流。
久し振りに中学校の同級生と会いました。
中学校の同級生ではFKとばかり会っていますね。
埼玉県に入ると凄まじい濃霧に。
以前日光に行った時もこんな感じだったな…
埼玉・栃木では良くある事なのかな?
濃霧の所為で列車が5分以上遅れる有り様。
確か次の列車は2分しか乗り換え時間が無いけど大丈夫かな…
館林駅で7:15発東武佐野線普通葛生行きに乗り換え。
接続待ちしてくれていました。
ここは東武鉄道とはいえ1時間に1~2本の末端路線。
区間急行くらいなら待ってくれるようですね。
相変わらず霧の濃い関東平野を走ります。
7:50、田沼駅に到着。
田舎の小さな駅です。
駅前にはこんな碑が。
日本列島中心の町…?
どういう基準で求めたのかと思ったら、
宗谷岬と佐多岬から等距離にある
日本海岸の点と太平洋岸の点をそれぞれ割り出し、
その2点を結ぶ線分の中点を求めると
ここ田沼町(現在は合併して佐野市)内になるんだとか。
何だか不思議な算出法に基づいているんだな…
田沼町の役所が頑張って考えたのでしょうか。
8:05発佐野市営バス野上線蓬山ログビレッジ行きに乗り換え。
居酒屋の送迎バスみたいですが、市営バスです。
合併によって広大な市域を有する事になった佐野市には
何本も市営バス、通称「さーのって号」が走っていて、
運賃は均一料金で1乗車300円。
1日乗車券が600円と格安なので
今日はこれを駆使していきたいと思います。
霧に包まれた山里を走ります。
このバスの乗客は僕等2人だけ。
たった300円の運賃でやっていけるのかな…?
8:40、終点の蓬山ログビレッジに到着。
ここで地図を入手します。
バス路線はここで終わりですが、
目指す紅葉スポットはまだまだ先にあるのです。
何故そこまでバスを通してくれなかったのか。
ここにも日本列島中心の碑がありました。
どうやら、日本列島中心はこの先の山中にあるようです。
早速歩きます。
霧に包まれていてちょっと寒い。
朝露に濡れた森の良い香りが漂っています。
ここからは林道になるようです。
群馬県境で行き止まり…
流石は秘境群馬。
沿道も綺麗に紅葉しています。
いやー、良いですね。
この先は携帯電話圏外?
そんなまさか…
って、本当に圏外じゃん!
佐野市ってこんなに田舎だったのか…
余りそんなイメージは無かったけどな…
道端で大量のポリタンクを置いて
何やらやっている怪しげな三人組が居たので
一体何事かと思ったら、
道路脇に水が湧いていました。
佐野市は湧水でも有名なんだとか。
それにしても汲み過ぎでは…
100Lは汲んでいるように見えるけど、何に使うのだろう。
一層道が細く険しくなってきました。
そろそろ目的地かな?
蓬莱山に到着。
既に多くのカメラマンが撮影に勤しんでいます。
紅葉のピークは既に少し過ぎているようですが、
紅葉が風に吹かれて散っていくのもまた一興です。
写真では伝わりませんが。
折角新しいカメラを買ったので色々試してみます。
色相をちょっと弄ってより紅葉感を出してみた図。
おー、綺麗。
だけど、現実以上に綺麗になってしまう感があるから
それはどうなんだという気がしないでもない。
蓬莱山の駐車場も綺麗に色付いています。
駐車場は満車で、ここに至る細い道まで渋滞してるけど、
こんなに人気のある紅葉名所だったんだな…
だったら、尚の事何故ここまでバスを走らせないのか。
そうすれば少しは利用率が上がるかも知れないのに。
蓬莱山本体。
荒々しい岩肌と紅葉の対照が際立ちます。
ここは日光二荒山を開山した勝道上人が開いたとされている山で
今もお堂などが残されています。
ただ、住職などは常駐していない様子。
ちなみに、この写真もちょっと色相を弄ってます。
陽光に輝く葉。
あれだけ濃かった霧も晴れましたね。
混んできたので早めに退散する事にします。
ネットで探して偶々見付けた場所だったけど、
期待より遥かに綺麗な場所でした。
でも、このまま直でバス停に戻ると
帰りのバスまで結構時間が余りそうだな…
そう言えば、蓬山ログビレッジで貰った地図に
日本列島の中心が葛生町との町境付近に記されていたっけ。
折角だし日本の中心に行ってみるか!
地図によるとここから右の林道に入るようです。
日本列島の中心というネームバリューの割には
看板の一つも立っていないな…
本当にこの道で合っているんだよな…?
物凄い急勾配の直登路を登ります。
道幅は軽自動車が通れそうなくらいあるけど、
こんな急坂を軽自動車で登れるんだろうか…
というか、道がガタガタ過ぎて
並の自動車ではパンクか脱輪してしまいそうだけど。
しかし、地図からするとこの道で間違いないようです。
時間を気にしつつ登っていきます。
おー、随分登ってきたなぁ!
不意に尾根の高さに出た事を知るのは中々良いものです。
ここまで来たらあともう一踏ん張りの筈…
道路状況が急に良くなりました。
と、ここで右側の奥に
こんな山奥に似つかわしくない巨大な人工物が。
あれが日本列島の中心を示すモニュメントか!?
この道を進んで左から回り込めば行けるかな?
しかし、FKの提案で斜面をトラバースして近道する事に。
キツい坂道の末に日本列島の中心に…!
…って、ただの送電鉄塔じゃないか!
えー。
日本列島の中心はまだ先のようですね…
時間が迫っているから急がないと!
お、あんなところが紅葉してる。
人工林と自然林の境目が面白いほどはっきりと分かります。
地図からすると、丁度あの辺りが日本列島の中心かな?
良し、それじゃあパッパッと行っ(グルルルル
……
えっ…?
特に示し合わせた訳でもないのに顔を見合わせる二人。
一瞬の後にお互いの顔が強張っていくのを感じ、
静寂の時が流れます。
いや、そんなまさか…
何かの聞き間違いでは…
…
(グルルルル
…いや、聞き間違いではない!
居る…すぐ目の前の藪に巨大な生物が居る!
刹那、ITとKRから言われた言葉が脳裏を過ります。
「お前はこれまで滅茶苦茶に運が良かったから
何とか五体満足で旅行を乗り切ってきたけど、
普通だったら何度か死んでいるであろう事を自覚した方が良い。」
…こっ、こんなところで死んで堪るかー!
決して背中を見せないように
大きな音や声で威嚇しながら後退りしていきます。
こっちへ来るんじゃあないぞ!
追ってきていない事を確かめたら、
急坂を転げ落ちるようにして下っていきます。
早く下山しなくては…!
人里だ!
た、助かった…
僕の悪運はまだ尽きてはいなかった。
もし送電鉄塔に気付いていなかったら、
もし鉄塔に向かってトラバースしていなかったら、
もし尾根の紅葉に気付いていなかったら、
もし時間が無いからと先を急いでいたら…
そう思うと空恐ろしいです。
しかし、本能的に危険を感じて逃げてきたけど、
あの声は一体何だったのか…
本当にツキノワグマの威嚇音だったのか…?
でも、音の大きさと低さからして
そのレベルの動物しか考えられないけどな…
何とか生きて帰ってきた蓬山ログビレッジで昼食。
佐野市名物らしいいもフライ。
誤解を恐れずに言えば、
栃木県という語感から想像される印象そのままの素朴な味です。
何処ぞの東京とかいう場所はお洒落さばかり求めているけど、
こういうのが良いんだよなぁ…
行きはガラガラでしたが、
蓬莱山から戻ってきた人達で大混雑です。
市営バスで来ているのは僕等2人だけですが。
余りに混んでいて中々メインの蕎麦が出て来ず、
1日5本しかないバスの時間に遅れそうになったので
急いで掻き込んでバス停へと走りました。
13:08発佐野市営バス野上線田沼行政センター行きに乗車。
野上線の午後の3便は予約制なので、
午前の便で運転手さんに話を付けておきました。
蓬山ログビレッジはあんなに混んでいたのに
相変わらず乗客は僕等2人のみ。
まあ、1日5往復(まともに使えるのは3往復半)で
しかも4km以上歩かないと蓬莱山に行けない市営バスなんて
余程の物好きでもないと使わないか…
田沼行政センターバス停で下車して
13:51発佐野市営バス飛駒線寺沢入口行きに乗り換え。
この飛駒線は午前中も含めて全便予約運行です。
こちらは地元のお年寄りが4人乗っていました。
14:04、上西原バス停に到着。
未だ嘗てこのバス停で降りた観光客が居たのだろうか。
そのくらい何も無い場所にあるバス停です。
では何故そんなバス停で降りたのかというと、
次なる目的地の最寄りのバス停は1日4往復しか停まらず、
しかもバスを乗り継いで行こうとすると
終バスにギリギリ間に合わない為、
隣の谷筋を走る飛駒線の上西原バス停から歩く事にしたのです。
畑に囲まれた細い路地を歩きます。
逆光ですが、デジカメのHDRモードを使ってみました。
何枚か連続で撮影したものを合成して
暗部と明部の明度差を抑えているようです。
石灰質の河原が現れました。
元々今日乗ってきた東部佐野線は
この地域で産出する石灰の輸送を目的とした路線でした。
まるで要塞のような工場跡。
近くのバス停の名前からすると「荻野石灰」という名前だそうです。
3kmほど歩いてお目当ての出流原弁天池に到着。
この出流原弁天池は石灰質の地層から湧き出る
豊富な水によって生まれた澄んだ池で、
名水百選にも選ばれています。
紅葉と弁天池。
池の目の前にあるホテルの軒先では
湧水を飲む事も出来ます。
水温は年間を通して約16℃で
冷た過ぎず美味しいです。
折角なので池の隣にある
弁天堂にもお参りしておきます。
階段を昇って本堂へ。
そんなに長い階段でもなかったのに
景色が開けてきました。
おお、良い景色!
平野の中でここだけぴょっこり高くなっている為、
ほんの2、30mながら大展望が開けています。
ここが正に関東平野の際なんですね。
赤見温泉バス停から15:42発
佐野市営バス名水赤見線佐野駅行きに乗車。
この赤見温泉バス停は出流原弁天池の目と鼻の先にあるので
バスを使って普通に来る場合はこちらで来た方が便利です。
名水赤見線は予約不要、つまりは普通のバスです。
16:01、スーパーヤマグチ前バス停に到着。
またしてもローカルバス停。
そして、またしてもここから歩きます。
一面の田んぼ。
将来はこれよりは田舎な場所に住みたいな…
やって来たのは道の駅どまんなかたぬまです。
日本列島の中心というのは
極一部の人だけが言っているのかと思ったら、
町を挙げて結構大々的にアピールしているんですね。
海外の野外遊園地を思わせる施設も付随しています。
何か美味しそうな田沼名物でも無いかと探しましたが、
地元の特産品を売る道の駅にはあるまじき
北海道物産展なる企画をやっている有り様で、
これと言って惹かれるものが無かったので
飲むゆずヨーグルトだけ買って帰る事に。
吉水駅から17:22発東武佐野線普通館林行きに乗車。
館林駅で17:54発東武伊勢崎線普通久喜行きに乗り換え、
久喜駅で18:24発東武伊勢崎線急行中央林間行きに乗り換え、
19:08、北千住駅に到着。
北千住の駅ビルで夕食を食べてからFKと別れました。
田沼の紅葉は実に美しく、
新しいデジカメの力も試せてとても楽しかったです。
不便な市営バスを乗り継いでこその楽しみもありますね。
ただ、クマの一件だけは本当に生きた心地がしなかったです。
碧岩を超えて、これまでに感じた死の恐怖暫定一位だな…
コメント
コロンビアで22歳の一橋大生が強盗に殺された事件があったばかりだからね…ほんと他人事でははないとおもう
無事でよかった
強盗とクマは別枠な気もするが…
命は大切にしようと思いました(小並感)