半月山・社山

今日は文化の日。
何処か文化的なところにでも行きたいですね。
そう言えば、北千住から行き易いあそこは
何度か行くには行ったけど、まともに観光した事は無いな…
という訳で、日光へ行ってみる事にしました。

4:10、起床。
盛夏でさえ日の出前なのに秋となると完全に深夜です。
朝食を済ませ、北千住駅へ向かいます。
ザックを背負っていると普段の朝より有意に遅くなるな…
最後はホームまでダッシュしたものの、
5:15発東武伊勢崎線区間急行東武動物公園行きに乗車。
東武動物公園駅で5:48発東武日光線
普通新栃木行きに乗り換え、
栃木駅で6:40発東武日光線普通東武日光行きに乗り換え。
凄い霧だな…
霧の所為で列車が遅れる程です。
天気予報では昼前から晴れる筈だけど…


日光の山々が見えてきました。
晴れていますね。


7:37、東武日光駅に到着。
三度目の日光です。
烏山線のついでに来た一度目
会津からの帰りに寄った二度目
そしてその反省を活かし、日光単体で訪れた今回。
三度目の正直。
7:55発東武バス湯元温泉行きに乗り換え。

さて、今回は男体山に登るつもりです。
バスの車内で男体山についておさらいしておくか。
「男体山は古くより山体信仰の対象とされており、
全域が二荒山神社の敷地となっている。
毎年5月5日に山開きが行われ、
10月25日には閉山祭りが行われる。」…
…10月25日!?
先週じゃん!
何とこんな初歩的なミスを犯すとは…
しかし、賽は既に振られた後。
僕はもういろは坂を登り始めているのです。
閉山期でも神官の目を掻い潜ったりすれば
登山可能という情報もあるけど…
二荒山神社を通らない裏の志津峠から登るか…?
でも、バス停からかなりの距離があって
往復9時間は軽く掛かりそうだしな…
今から登り始めたら真っ暗になってしまう…
うーん…


中禅寺湖バスターミナルで下車。
悩んだ末、今回は男体山を諦めて別の山を登る事に。
神仏を信じる系物理学科生なので
罰当たりな事はしたくありません。
どうも日光とは相性が悪いな…
いや、今回は完全に僕の下調べ不足が原因ですが。
何にせよ中禅寺湖バスターミナルで下車したので
折角なら華厳の滝を見てみます。


おー、これが華厳の滝か。
97mもの落差を一気に流れ落ちる様は圧巻です。
その水の勢いで今も浸食で少しずつ上流に動いており、
昭和61年には大規模な崩落も発生しました。
エレベーターで滝壺の近くまで下りられるそうですが、
今回は華厳の滝が主目的では無いので止めておきます。


お墓の隣にある登山口からいざ入山。
男体山に登る事が出来ないならば
せめてその雄大な姿を目に焼き付けておこうと
中禅寺湖を挟んで向かいの山に登ります。

暫くは樹林に囲まれて眺望の無い登り。
北から冷たい風が吹き付けてきてかなり寒いです。
耳が痛くなるほど。
今日はこの時期にしてはかなり暖かい筈なのに…
まあ、既に標高は1,300m近いし、当然と言えば当然か?
茶ノ木平で明智平から来たと思われる人を見掛けた以外、
他の登山者に全く会っていません。
まあ、紅葉は殆ど終わっているからな…


茶ノ木平からは稜線になります。
ここからは稜線を繋いでプチ縦走に挑戦してみます。
稜線と言っても、木々に囲まれているので眺望は微妙。
標高が低いから仕方無いか…
と、ちょっとがっかりしつつ歩みを進めていると…


おぉ!男体山!
九十九折になった中禅寺湖スカイラインも見えます。
実に爽快な景色です。


その中禅寺湖スカイラインと交差しました。
夏期は東武バスが走っているので
この茶ノ木平遊歩道入口バス停からも歩く事が出来ます。
というか、山頂直下までバスで行けます。
僕はそんな事しませんが。


雑木林から笹藪の道となり、
展望の良い山歩きが楽しめるようになってきました。
見えているのは中禅寺湖とは反対の南側。
日光の北(南会津)が凄まじい秘境なのは知っていますが、
日光の南(足尾)も中々のものですね。
しかし、その間にあるのに日光は良く整備されていて
ちょっと退屈だと言えなくも無い。


と思っていたら、いきなり道が険しくなりました。
道が見当たらない…
赤布を頼りに倒木を乗り越えて進みます。


半月山の山頂に到着しました!
標高1,753m。
樹木に囲まれていて眺望は全くありません。
栃木百名山第三十四座だとか。
栃木って100座以上山があったのか…


展望台があるという看板があったので行ってみます。


木組みの展望台がありました。
既に5人程の人で賑わっています。


おお、絶景!
八丁出島と男体山。
これぞ日光です。
これで漸く日光に行った事があると胸を張って言えるな…
足立区立中央図書館で借りてきた登山ガイドではここが終点。
しかし、幾ら景色が良いと言ってもまだ正午前。
3時間足らずしか登っていない訳で
ここで引き返すのは余りに素っ気ありません。
コースタイムを見るに、頑張ればもう少し行けそうだな…


という訳で、稜線を繋いでみる事にしました。
コースタイム通りなら18時下山だけど、
コースタイムは大分遅めだろうし行ける筈!


半月峠。
「峠を越える」とは普通一番の難所を越える事を言いますが、
稜線歩きに於いてはそこからキツくなる事を意味します。


ひっそりと看板が掲げられていた中禅寺山(標高1,650m)。
栃木百名山にも入っていません。
登山ガイドの地図にさえ載っていません。
名前的には中禅寺湖の代表っぽいのに…
ただ、展望も良く無ければ大した登りも無いので
注意していないと山頂である事さえ見逃しそうです。


中禅寺山を過ぎると尾根が痩せてきました。
この辺りは歩く人も少なさそうですね。


阿世潟峠。
折角得た位置エネルギーを浪費させられる感じがするから、
稜線歩きの峠は精神的に辛い。


良い尾根になってきました。
こういうガレた尾根が大好きです。
低山にしては楽しい稜線ですね。


背丈ほどの笹藪もあります。
何とも盛り沢山。
これで鎖場もあれば言う事無しなんだけど。


笹藪を抜ければ山頂はもう目の前。


社山(標高1,827m)に到着。
栃木百名山第二十八座。
中禅寺スカイラインが通っていて
駐車場からものの30分で着ける半月山とは違い、
社山はひっそりとしています。
中禅寺湖側には木々が茂っていて展望がありませんが…


南側はこの景色。
足尾の雄大な山々が広がります。


セルフタイマーで記念撮影に挑戦。
最長で12秒にしか設定出来ないので苦労しました。
急いで岩に攀じ登ったから滑落しかけた…


さて、満足したら下山します。
時刻は14時を回ったところ。
ここからは山の北側を下っていくので
早く帰らないと真っ暗になってしまいます。
下山路を急いでいたら、下から何やらガサガサ動く音が。
今から登る人が居るのか?


って、シカ!?
驚く程近くにシカがいました。
お互い気付かないものだな…
これがクマだったらと思うと…


中禅寺湖まで降りてきました。
ここからは湖畔を歩きます。


旧・イタリア大使館別荘がありました。
平成9年までは実際に使われていたものを
日光市が譲り受けて記念公園としています。
湖畔に佇む良い立地です。


中はこんな感じ。
和洋折衷?
見学も出来るのですが、
流石にザックを背負ったジャージ姿で入るのは止めておきました。


夕陽を背にバス停へと向かいます。


ベルギー大使館別荘がありました。
ワロン語とフラマン語の2ヶ国語表記がベルギーらしい。


すぐ隣にはフランス大使館別荘も。
日光は大使館の別荘地なんですね。
外国人観光客が多いのはその所為もあるのかな?
この2つは今も現役なので無断で立ち入ると捕まります。


大鳥居まで出てきました。
男体山の神域に入る事を意味するものです。
男体山…いつかは…


稜線は完全に落葉していましたが、
中禅寺湖の市街地の紅葉は丁度見頃です。
外国人観光客も喜んで写真を撮っています。


夕焼けと相俟って辺りは赤く滲みます。


中禅寺湖バスターミナルまで戻ってきました。
さて、次のバスはいつ来るのか…
と思っていたら、3分もしない内に来ました。
何というグッドタイミング。
16:42発東武バスJR日光駅行きに乗車。


第一いろは坂を下ります。
この大型バスが曲がるとガードレールすれすれ。
神経を擦り減らしそうだな…


「二速に落せ」看板。
「一速に落せ」版もありました。
AT限定免許の人は二速の意味って分かるのかな?


祝日だけあって大渋滞。
17:39発の列車に乗れると乗れないとでは
北千住到着に40分以上の差が出るから
何としても乗りたいところだけど、これは厳しいか…?
幸い、扉近くの席に座っていたので
バスが停車すると同時にすぐさま扉に向かい、
清算を済ませて東武日光駅へ。


17:39発東武日光線区間快速浅草行きに乗車。
何とか乗れた!
南会津・下野-東京を移動する際に超便利な区間快速です。
その便利さもあってか車内は満員でした。
乗客の半数が外国人なのも面白い。
でも、外国人観光客ってジャパンレールパスが買えるから
JR日光線を使った方が安く済むような気がするけど…
隣に居るのは臨時特急スカイツリー号。
こちらはそこまで混んでいないように見えました。

発車時刻ギリギリに乗ったので当然席には座れず、
このまま北千住駅まで2時間以上立ち続けるのかと
絶望しかけていましたが、
下今市駅で鬼怒川方面からの列車を
4両連結したので座れました。
東武日光駅から来るのが2両編成なのに
会津田島駅から来るのが4両編成なのか…
需要的には真逆だと思うのですが。
19:53、北千住駅に到着。
三度目の正直である日光巡りが終わりました。
日光も中々面白いところですね。

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