英国出張 第4日目(書きかけ)


5:07、起床。
時差があるのに日本に居る時より狙った時刻に起きられる気がする。


さて、今日はロンドン支社にお邪魔して議論する
…はずだったのですが、オフィスが今閉鎖中とのことで
「折角イングランドまで来たんだし、遊んできたら?」
とまさかの許可が出たので、
お言葉に甘えて遠慮無く行かせてもらうことにします。
Londonからギリギリ日帰り出来そうな場所と言ったら…
思慮を巡らせた後に種々の交通機関を予約して
West Kensington駅(ウェスト・ケンジントン駅)へ。


London Underground District Line(ロンドン地下鉄ディストリクト線)
Upminster(アップミンスター)行きに乗車。


London Victoria駅(ロンドン・ヴィクトリア駅)にやって来ました。
London Waterloo駅(ロンドン・ウォータールー駅)に次いで
英国内で2番目の利用者数を誇る一大ターミナルであり、
VSOEことVenice Simplon-Orient-Express
(ヴェニス・シンプロン・オリエント急行)の始発駅でもあります。
その割には閑散としているな…
昨年度の1日あたり乗降客数が13.9万人らしいので、
金山駅より少し少ないくらいの利用者が居るはずなのですが。


6:40発Southeastern Railway(サウスイースタン鉄道)
Dover Priory(ドーヴァー・プライオリー)/
Ramsgate(ラムズゲート)行きに乗車。
途中のFaversham駅(ファーヴァシャム駅)で4両ずつに切り離し、
前4両がRamsgate行き、後4両がDover Priory行きになるそうです。
英国でもそういう運用があるんだ。


朝焼けのLondon(ロンドン)を抜けます。


Londonからでも30分も走ればこんな景色。
英国のこういうところは素直に羨ましい。


ホームの柵の外で馬が草を食むTeynham駅(テインハム駅)。
JR日高本線(2013/8/16)を思い出します。


Faversham駅で予告通り切り離しが行われます。
この切り離し一つに5人くらいの鉄道員が対応しているの、
国鉄時代を思い起こさせる人員過多ですね。


2つに切り離された上で僕が向かうのは…


8:40、Dover Priory駅(ドーヴァー・プライオリー駅)に到着。
Primery駅(第一駅)かPriority駅(優先駅)かと思いきや
Priory(小修道院)でした。
途中は少し乗客が多かった区間もありましたが、
殆ど全員Canterbury East駅(カンタベリー東駅)で降りたので
Dover Priory駅まで乗った乗客は極僅かでした。


誰もが知っているであろう世界一有名な海峡の一つ、
Strait of Dover(ドーヴァー海峡)で名を轟かせるDoverです。
カモメの鳴き声が聞こえてくる如何にもな港町。


街を見下ろす高台の上ではDover Castle(ドーヴァー城)が
睨みを効かせており、
ここが軍事上の要衝であることを感じさせます。
英国の最大の敵国がフランスだった時代を思えば
ここは最前線の中の最前線だからな…


今日は歩き回るので、通りの商店で水とお菓子でも買います。


おおっ!?
これはポーランド料理のインスタントじゃないか!
他の商品もルーマニアだったりリトアニアだったり、
東欧のものばかり揃っています。


良く見たら、お店の看板に東欧諸国の国旗が描かれていますね。
興奮してつい色々買ってしまいました。
値段もリーズナブル。
やはり極東の民の味方は東欧か。


Dover Beach(ドーヴァー・ビーチ)に出ました。
春というよりは冬に近い気温ですが、
砂利浜の海岸では肌を焼いている人まで居たりします。


そして、奥の方に白亜の断崖が見えていますね。
その名もずばりThe White Cliffs of Dover(ドーヴァーの白崖)。
英国の海岸線と言えばこれのイメージがあります。


The White Cliffs of DoverはNational Trust
(ナショナル・トラスト)が保全する自然遺産になっていて、
遊歩道も整備されているので行ってみます。
ちなみに、National Trustは自然保護が本来の主目的ではなく、
19世紀末に国内統合が進んでいなかった当時の大英帝国が
愛国心の醸成を図って英国の原風景を保全したという裏話があります。
その意味でもフランスに対峙するDoverはうってつけだった訳です。


急な坂を登っていくと急に草原が広がりました。
ここからが保全区域のようです。


崖の上からはPort of Dover(ドーヴァー港)が一望出来ます。
車線に沿ってトラックがギチギチに詰まっていて
トミカワールドを思い起こさせます。

 

(以下、メモ書きネタバレ注意)

[画像]
海辺の喫茶店でCheese x Kimchi Toastie
(チーズキムチ・トースト)を注文。
何故英国なのにキムチ…?
と疑問に思いつつ頼んでみましたが、美味しかったです。
イギリス料理に打ちのめされていた日本人に東アジアの味が沁みる。
辛味というより酸味のあることが嬉しい。

[画像]
さて、Doverまで来て崖だけ見て帰るのも味気無いので、
折角なら海を渡ります。

[画像]
出港1時間半前の12:10に連絡バスが出発。
徒歩客は僕を含めて15人でした。

[画像]
バルカン半島を思い出す料金所みたいな出入国管理所。

[画像]
絶対に省略されるだろうと思っていたので
押印されて吃驚した入国スタンプ。
日本から英国への入国では押されなかったのに、
同じ欧州内の移動で押されるのか…
ブレクジットの影響ですかね?

[画像]
Dover港(ドーヴァー港)13:40発P&O Ferry(P&Oフェリー)
P&O Liberte

(以降、中央ヨーロッパ時間UTC+1.0h)

[画像]
16:15、Calais港(カレー港)に到着。
徒歩客を乗せるシャトルバスは他の車が全て捌けてから出るので、
着岸から下船までは30分くらい待たされました。

[画像]
Calais側では市街地までシャトルバスが出ているので、
やって来たかなり小さめのバスに乗り継ぎます。
このシャトルバスに乗り継いだ人は僕を含めて7人でした。
でもって、このバスに乗るのも寒空の下えらく待たされました。
徒歩客の冷遇っぷりよ。

Calais Ville駅(カレー・ヴィル駅)17:38発TER 46509便
Calais – Frethun(カレー・フレタン)行きに乗車。

Calais – Frethun駅(カレー・フレタン駅)

18:07発TER 844408便Lille Europe
(リール・ユーロプ)行きに乗り換え。
TER(地域圏急行輸送)と言っている割には
TGV inOui

駅の案内も車内放送も徹底してフランス語しかない拘り。
英国を目の前にしたこの立地ですらこうなのか…

[画像]
18:35、Lille Europe駅(リール・ユーロプ駅)に到着。

[画像]
中世の荘厳さをそのまま残すタイプの英国と違って
モダンさを取り入れるのがフランス式なのでしょうか?

 

[画像]
もう飲み物からして美味しい。
Cidre Loïc Raison Le Fruité(シードル・ロイク・レゾン・ル・フルイテ)
という名の甘口のシードルなのですが、
帰国しても探し出して買いたいくらい美味しい。
調子に乗って2本飲んでしまいました。
まあ、アルコール度数2.5度しかないし…

[画像]
そして、お待ち兼ねのメインディッシュ。
Assiette Régionale(地元料理の盛り合わせ)で、
Carbonade Flamande、Potjevleesch、Croquette au Maroilles、Welsh au Maroilles
牛肉のビール煮込み、ハムの煮凝り、チーズコロッケ、チーズグラタン。
牛肉はほろほろになるまで煮込んであるし、
煮凝りはコンソメの出汁がしっかり効いているし、
グラタンのチーズがくっさいウォッシュタイプだしもう最高。
あと、ちゃんと緑黄色野菜のサラダも添えてくれる気遣いよ。
メシマズの英国から来たこともあって泣きそうになりました。
結局、英国と言いドイツと言いアングロサクソン如きが
食でラテンに勝てる訳無いんだよね(人種差別発言)

Irish Gourmand(アイリッシュコーヒーとデザート盛り合わせ)も
非常に気になるところではありましたが、
シードルでそれなりに酔ったので
Créme Brulée au Carambar(クリームブリュレ・オ・カランバル)。
クリーム自体にキャラメルの風味が付いていて、
これだけ食べて一昨日のBirmingham(バーミンガム)の
カレー一式と変わらない値段というのも素晴らしい。

Lille Europe駅21:35発Eurostar9167便
London St. Pancras(ロンドン・セントパンクラス)行きに乗車。

(以降、グリニッジ標準時UTC±0.0h)

21:57、St. Pancras駅

コメント