執念深さでは負けない。
嘗て渡航を断念せざるを得なかったあの国へリベンジです。
8:05、起床。
とってもリゾートなお宿です。
海を望むバンガローの雰囲気は最高。
まあ、僕が泊まったのはビジネスホテルみたいな
Efficiency Room(エフィシエンシー・ルーム)なんですけどね。
今日はぶっちゃけ何も予定がありません。
どうしようかな…
街を漫ろ歩きしてみます。
去年は行かなかったDarrit(ダリット)に…
とも考えましたが、見るからに何も無いので却下。
なのでUliga(ウリガ)へ。
既視感が凄い。
何も変わっていない。
1年しか間を空けていなければ当たり前か。
しかし、スーパーマーケットの品揃えはちょっと違いました。
生鮮食品が揃っている!
そして、沢庵が無い!
あんなに大人気みたいな雰囲気を醸し出していたのに
1年で姿を消してしまうなんて…
代わりに、同じく東海漬物の味キムチが陳列されていました。
東海漬物は相変わらず強いですね。
一応、初来訪の場所もということで路地裏のUliga Pier(ウリガ埠頭)へ。
貨物船が停泊するには小さいので、漁船用でしょうか?
海が綺麗です。
Uliga Pierの近くにあったマーシャル諸島にしては最大級の建物。
Nauru(ナウル)の文字が見えます。
ナウルの領事館とか?こんな大きいの!?
と思いましたが、Parties to the Nauru Agreement Office
(ナウル協定加盟国事務所)とは
太平洋のマグロ漁を管理するNauru Agreement(ナウル協定)の
運営にあたる為の事務所だそうです。
結局、何もせず海を眺めるのが最高の過ごし方だと気付き、
宿に戻ってテラスでのんびりしていました。
何やら崩壊した階段を見付けて
インスタ映えする写真が撮れないかと試行錯誤した図。
うーむ、のんびりしきれていない。
昼過ぎになったら宿の車で空港へ。
Amata Kabua国際空港(アマタ・カブア国際空港)。
2時間半前でもチェックインは出来ましたが、
航空券は届くまで待てと言われました。
航空券が届くってどういうこと?
国際空港なのに航空券の印刷機が無いのか…?
改めて空港の外で海を眺めてみます。
結局、何もせず海を眺めるのが(ry
入口が非常に分かり難いのですが、
空港の旅客ターミナルに入って左手に食堂を見付けました。
Chicken Yakisoba(チキン焼きそば)を注文。
上に薄焼き玉子が乗せられています。
カップ焼きそば風の縮れ麺。
この他にもラーメンなどがありました。
あと、この食堂に置いてあった新聞で知ったのですが、
5/3(金)はDelap Park(デラップ公園)で
World Tuna Day 2024(世界まぐろデー)祭をやるそうです。
参加したかった!
搭乗券が届いたようなので受け取って搭乗口へ。
「まだ入国審査官が来てないから、中で座って待ってて」
と言われて通されました。
入国審査官が来ていないのにゲートを開けたのか…
16:05発ON42便に搭乗。
中央太平洋の翼、Nauru Airlines(ナウル航空)です!
Nauru Airlinesは航空券比較サイトで検索しても
何故かほぼ検索に引っ掛からない不思議な航空会社で、
しかも以前散々苦労させられた通り
ナウルという国はビザを取るのが滅茶苦茶面倒な国なので、
Nauru空港(ナウル空港)で乗り継ぎさせられそうなNauru Airlinesを
わざわざ航空会社のサイトまで行って調べる人は居ないでしょう。
しかし、僕は4年前(2020/2/8)に見ています。
Nadi国際空港(ナンディ国際空港)でON41便に乗ろうとした際、
電光掲示板の目的地にNauru(ナウル)だけではなく
Pohnpei(ポンペイ)やMajuro(マジュロ)が表示されていたのを。
United Airlines(ユナイテッド航空)のものと比較して
知名度は遥かに劣りますが、
実はNauru Airlinesにもアイランドホッパーがあるのです。
さらば、マーシャル諸島よ!
こう見ると飛行機雲みたいな細さですね。
更に再訪することはあるのだろうか…
1時間のフライトでもちゃんと機内食を出すのは
Nauru Airlinesらしいですね。
改めて飛行機雲のようにか細い島が見えてきました。
ホップする先は…
(以降、ギルバート諸島時間UTC+12.0h)
17:10、Bonriki国際空港(ボンリキ国際空港)に到着。
あの日(2020/2/4)の絶望から4年を経て遂に辿り着きました!
世界で最初に日が明ける国、キリバス共和国です!
もう少し具体的に言うと、首都が置かれている
Gilbert Islands(ギルバート諸島)Tarawa Atoll(タラワ環礁)です。
このキリバスという国、想像の数倍旅行のハードルが高いです。
まず、航空便の数が極端に少ない。
その少ない航空便も4年前のようにしょっちゅう欠航する。
しかし、それにも況して何より厄介なのが宿の予約の取り難さ。
大人気で予約が取れない訳でも、絶対数が少ないからでもありません。
連絡が付かないのです。
大手予約サイトに一切載っていないことは当然として、
Googleマップに載っているURLはリンク切れ、
ネットの海から探し出したメールアドレスも待てど暮らせど返信が無く、
意を決して国際電話を掛けてみるも繫がらず…
最終手段としてキリバス政府観光局に直電して泣き付き、
そこから地元の旅行代理店に繫いでもらって
どうにか諸々の手配をすることが出来ました。
が、それで一件落着かと思いきや、
旅行代金の振り込みでまた一悶着。
送られてきた請求書は派手に計算を間違えている上に
必要な情報(受取人の住所等)が足りておらず、
自分で調べて補完する必要がありました。
更に、あのソマリアでさえ対応している国際送金サービスの
Western Unionがキリバスにはピンポイントで対応しておらず、
阿呆みたいに高い手数料を払って銀行から国際送金する破目に。
日本人はビザ不要なことだけが唯一の救いです。
これでビザまで必要だったらナウル超え確定だからな…
何はともあれキリバス入国です。
入国カードの職業欄に、
一応研究開発職だし研究者かなぁ
と思って”Researcher”と書いてみたら、
「貴方まさか何か研究する気じゃないでしょうね?
研究には許可が必要なのよ?」
と訝しがられました。
まあ、土地柄観光客より研究者の方がずっと多いんだろうな…
その所為なのかは分かりませんが、
本来1ヶ月の有効期限で付与されるはずのアライバルビザが
予定ギリギリの5日間分にされました。
飛行機が欠航したら1週間単位で滞在が延びそうだけど、
万が一そうなったらどうするのかな…
Bonriki国際空港外観。
長閑な国際空港です。
迎えに来ていた車に乗って宿に向かいます。
空港のあるBonriki(ボンリキ)と中心街のBetio(ベシオ)は
Tarawa Atollの東端と西端に位置している為、
宿までは結構な距離を走る必要があります。
マーシャル諸島(2023/3/27-29)や
ミクロネシア連邦(2023/3/30-4/1)よりも発展途上な雰囲気。
今まで行った中だとツバル(2020/2/4-6)が近い気がします。
実際、Gilbert Islandsはツバルに隣接しており、
英国領時代はツバルと一緒にGilbert and Ellice Islands
(ギルバート及びエリス諸島)として統治されていました。
そして、今やオセアニアに2つしか残っていない
卒業予定の無い後発開発途上国がこのキリバスとツバルです
(ソロモン諸島も後発開発途上国だが、2027年に卒業予定)。
つまり、国連が正式に「オセアニアで最も発展が遅れている」と
お墨付きを与えた2ヶ国なのです。
これまで行ったことのある国で言うと、
カンボジア(2015/3/7-9)とかエチオピア(2017/2/15-24)とかのレベルですね。
これだけ細いと発展の余地も中々無いだろうしな…
いや、それはさっきまで居たマーシャル諸島も同じか。
マーシャル諸島との差は何処で出来たのか。
そんなキリバスですが、敬虔なカトリックが多いそうで
教会はとても立派です。
ステンドグラスまで配われているところもあります。
建材を仕入れるのも大変だろうに…
Betioがあまりにも遠くて日が沈んでしまいました。
この先はナイトドライブです。
「ガソリンを入れるからちょっと待ってくれ」
と言って運転手さんが車を停めました。
トタン屋根の下に無造作にドラム缶が置かれているけど、まさか…
細いチューブでドラム缶から給油し始めました。
色々と適当過ぎる。
これが乙四の無い世界線か。
ツバルと仲良く後発開発途上国だと言いましたが、
Tarawa AtollはFunafuti Atoll(フナフティ環礁)より面積も人口も
10倍以上違って文字通り桁違いなので、
ツバルでは見られなかったインフラもあったりします。
例えばショッピングモールだったり…
ラウンドアバウトだったり…
観覧車だったりです。
「タラワに(他の島へ渡る)”ferries”はあるの?」
と運転手さんに訊いたら、僕の発音が悪くて
「”Ferris (wheel)”ならこれだぞ」
と紹介されました。
一瞬どういう勘違いをされたのか分からなかった。
また、飛び石状になっている環礁の島々を繋ぐ
Causeway(コーズウェイ、土手道)もあります。
その中でも最長のものがBairiki(バイリキ)とBetioを結ぶ
その名もNippon Causeway(ニッポン・コーズウェイ)。
日本の無償資金協力によって昭和60年に建設され、
平成31年に改修されたものです。
日本との関わりという点で言うと、
Tarawaは太平洋戦争中に日本が掌握した中で
最東端に位置する場所の一つでもあり、
日本軍が玉砕したタラワの戦いの舞台になっています。
Betioには今も砲台やバンカーが遺されており、
島の形が変わるほど艦砲射撃を受けたとまで言われる
当時の激戦を偲ぶことが出来ます。
ということで宿に到着しました。
割とお洒落な雰囲気のお宿です。
部屋はビジネスホテル的な感じですし、お湯は勿論出ませんが。
夕食は宿の食堂で。
Black Beans(ブラック・ビーンズ)の鶏肉入りを注文。
名前的にはブラジル料理のFeijoada(フェイジョアーダ、2016/3/12)が
思い起こされましたが、
中華っぽい雰囲気の料理です。
「スパイシーでも大丈夫?」
と訊かれて大丈夫と答えたら、生姜の風味が効いていました。
太平洋での中華普及率は高いですね。
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