峡南旅行 第1日目

アラビア半島から日本に戻ってきて、
イスラム教の戒律で禁止されていた豚肉は
やっぱり恋しくなってすぐに食べましたが、
もう一つ欲求が残っていました。
お酒は普段から大して飲まないので別に良いとして、
温泉です。
女性だけでなく男性も、人前で肌を露にすることはNG。
従って、不特定多数の人間と裸で同じ湯船に浸かる温泉は
ムスリムからすると破廉恥極まりない変態行為なのです。
まあ、そもそもアラビアの気候で温泉に入りたいかというと
どう考えても入りたくならないよなぁという
生理的な問題もあるのですが。
何はともあれ、この週末は温泉に入りに行きます。
S2000で山梨県へ。


温泉はまだ遠いのですが、休憩がてら忍野八海へ。
名前は何度も聞いていましたが、
中々来る機会が無く日々を過ごしていました。
賑わっていますね。
忍野八海は8つの湧泉があることからその名が付いていますが、
土産物屋がそれぞれ縄張りとしている泉が在るようです。
この水の豊富さもアラビアと日本の大きな違いか。


同じく富士山に端を発する柿田川湧水(2016/12/10)と同じく、
氷のように透き通った清水です。
衛星写真から自動判定したと思しきGoogleマップは、
あまりに水が透き通っている為に
池底にある藻や水草を見て草地の色で塗り分けています。


一際観光客を集めているのがこの中池。
8mもの深さがあるそうで、
ニジマスが優雅に泳いでいます。
ただ、この池は土産物屋が集客の為に造ったもので
忍野八海には含まれていないのだとか。
この周辺には中池を入れて丁度8つ池があるのですが、
忍野八海最後の一つは微妙に離れた位置にある出口池です。


波が殆ど立っておらず透明度も高いので、
池底を写そうとしても雲が入り込んでしまって
まるで魚が空を泳いでいるかのような写真になってしまいます。
偏光フィルターが無いと池の中は写らなさそうだな…


この銚子池は色こそ地味ですが…


富士山からの水が池底の砂を巻き上げて
湧き上がっている様子が手に取るように分かります。
静止画だと微妙かも知れませんが。


水路沿いを歩いてちょっと離れた池も行ってみます。
ハグロトンボが飛び交っていて綺麗。


忍野八海で最も小さな池だというお釜池。
面積は小さいですが、井戸のような穴が空いており
深さは結構あります。
その深さを写真に収めようとしますが…


何故急に空の写真を?
と思われるかも知れませんが、
これはお釜池の穴を上から覗き込む形で撮った写真です。
水面が穏やか過ぎる所為で反射光しか写らないじゃないか!


角度を調整したりして何とか頑張ったのがこちら。
全然深さが分かりませんね…
偏光フィルターも買った方が良いのでしょうか。
でも、水の上から水中を撮る機会なんてそうそう無いしな…


忍野八海を見終えたら昼食。
山梨県らしく馬刺しです。
熊本県には遠く及びませんが、それでも生産量は全国5位なので。
もうちょっと山梨県らしいほうとうも頂きました。


でも、もっと山梨県らしい食べ物もありますよね。


桃と葡萄!
今はその両方が楽しめる時期です。
実はこれが今回山梨県を選んだ理由だったり。
甘味一辺倒ではなく酸味や渋みの組み合わさった調和…
これもまた中東では中々味わえない味です。


さて、そろそろ本題の温泉を目指して山を登っていきます。
随分奥の方にあるんだな…


着きました!
細い林道の先に潜む一軒宿の赤石温泉です。
日本旅行と言えば山奥の秘湯、
これは太古から受け継がれてきた真理です。


さて、チェックインを済ませて部屋でのんびりしていても良いのですが、
女将さんから
「裏手に滝があってそこまで散歩出来ますよ」
とオススメされたので行ってみることにします。
何だか奇妙なオブジェが沢山飾ってありますね…


浴衣でも行けるくらいの遊歩道かと思いきや
結構な急斜面を木道で無理矢理下りていくなど、
それなりにしっかりしたトレッキングの様相です。


おや…?
更に雲行きが怪しくなってきたぞ…


薄暗いゴルジュを頼りない桟橋で進む形に。
トレッキングの中でもそれなりに気を張る必要がある類のやつです。
途中、土砂崩れで通行止めの貼り紙もありましたが、
「気を付けて行けば大丈夫ですよ」
との言葉を信じて進みます。


手摺りも足場も鉄製とは思えないほど
へにょへにょに曲がっているんだけど…
昭和の工場の足場のようでおよそ観光客向けではありません。
これ、ちゃんと手入れされているよな…?
想像より遥かにスリリングな遊歩道です。
こういうのが好きなんだろ?って?
そりゃもう大好物で絶賛大興奮中です。


最後の最後は何と足場も骨組みだけになってしまいました。
手摺りも思い切り傾いているし。


勿論行きますけどね。
こういう時に限ってトレッキングシューズじゃないんだよな…
手摺りはただ傾いているだけではなくて
ちょっと体重を掛けただけでグラグラ揺れるので、
なるべく足だけでバランスを取るようにして進みます。


辿り着きました!
妙蓮の滝です。
龍神伝説もあり、冬季には龍の形に氷結することもあるとか。
冬季にここまで来る気には中々なれないけど…


最後の鉄骨渡りが出来なくてもこのくらいの景色は拝めます。
赤石温泉を訪れた際には寄ってみては如何でしょうか。
道中の桟橋の強度が未知数なので安全は保証出来ませんが…


滝の写真を撮っていたら遠くから雷鳴が轟いてきたので
急いで退却します。
ここで雨に降られるのは大分まずい!


行きは見逃していたけど、あんな場所に小便小僧の像が…
祖谷のやつ(2019/8/17)を真似たのかな?
って、そんなこと言ってないで早く戻らないと!


宿に着くか着かないかギリギリのところで
会話も儘ならないレベルの土砂降りになりました。
間一髪だったな…
宿に着いてしまえばこっちのものです。
…ここに来るまでの林道が崩落したりしないよね?
そういう心配をしたくなるレベルの豪雨だけど…


まあ、それはもう今更気に病んだところで仕方無いので
今夜は温泉を満喫します。
鉄分多めで赤茶けた泉質。
この色味はちょっとアラビアの砂漠を思い出す…ような?
やっぱり温泉は良いですね…

コメント