白馬岳 第1日目

関東甲信地方が梅雨明けしました。
遂に気象庁も認める夏の到来です。


おはようございます。
白馬駅前5:55発アルピコ交通猿倉線のバスに乗って
村営猿倉荘にやって来ました。
夏と言ったら山に登らない訳にはいきません。
本格的夏山シーズンの初戦は、
会社の登山部の新入部員の方々に
小屋泊山行を体験して頂く1泊2日の白馬岳です!
天気は若干不安だけど、
この山行の成否は新入部員の方々の
今後の参加率を大きく左右するし、
何とか霧雨くらいまでで保って欲しい…


暫くは砂防工事用の作業道を歩きます。
これはまたえらく大胆な洗い越し。


作業道が終わり本格的な登山道が始まって程無くすると
白馬尻小屋(の跡地)が現れます。
白馬尻小屋は夏山シーズンの始まりに建てられて
シーズンが終わると毎回解体されていたのですが、
近年はコロナ禍の影響で解体されっぱなしになっています。
では、それ以前に何故毎シーズン建設と解体をするという
しち面倒なことを繰り返していたのか?


それはこの場所が日本最大の雪渓、
白馬大雪渓の末端に位置しているからです。
周囲の谷筋や山肌からの大量の雪崩を掻き集め、
自身も数え切れない程の雪崩を繰り返す白馬大雪渓。
そんな雪渓の下に冬の間も小屋を置いていたら
何が起こるかは火を見るより明らかです。


その全長や実に3.5km。
迂回出来る大きさではないので、
軽アイゼンを履いて登っていくことになります。
新入部員向けなのに軽アイゼン必須はどうなんだ
と言われそうですが、
このコースは白馬岳で一番メジャーですし、
こういうギミックがあった方が楽しめますし、
そもそも新入部員の方々はそんなに初心者ではないので…


などという言い訳は置いておいて登ります。
数年前に買ったマイ軽アイゼンの初出番ですが、
これを着けているだけで驚く程変わりますね。
広大な大雪渓で道を見失わないよう
標準ルートには紅殻が撒かれています。


雪渓の発する冷気の所為なのか、
単に今日の天候が不安定なだけなのか、
数分毎にガスって晴れてを繰り返しています。
関東は連日猛暑日の今日この頃ですが、
雪渓の上は日が陰ると肌寒いくらいです。


たっぷり2時間程掛けて白馬大雪渓を通過。
雪渓自体はまだ続いていますが、
ここで雪渓を離れて普通の登山道になります。


ここより上は雪渓がこんな有様になるので…
この雪渓ってこんなに厚かったんだな…


また、周囲の枝谷の傾斜がキツくなるので
落石も頻発するようになります。
僕等が登っている脇でもバラバラと音を立てて
石や岩が滑り落ちてきていました。


雪渓上はそんな世紀末の様相を呈していますが、
登山道の方は高山植物に包まれお花畑状態です。
この花畑を目当てに白馬岳に来る人も多いとか。


惜しむらくは我々の植物学の知識が貧弱過ぎて
どれが何の花なのか全然判別出来ないことですが…
と悩んでいる様子を声に出したりすると、
教えたがりのおじさんが教えてくれたりします。
これはコオニユリだそうです。
…と教えてくれたけど、
後から調べてみると葉の付き方がクルマユリっぽいような。


残雪のお蔭で白馬岳は高地でも水が豊富。
この潤沢な水がお花畑を育んでいるのでしょう。


村営白馬岳頂上宿舎に到着。
頂上と謳いつつも実はまだこれより上に山小屋があります。
僕等が今日泊まるのはそちらです。


後立山連峰の主稜線に出て更に進みます。
ガスったからか雷鳥がいました。


雷鳥のいたすぐ目の前が今日のお宿、白馬山荘です。
明治39年開業という日本最古の商業山小屋で、
増築に増築を重ねた非常に巨大な山小屋。
この写真に写っているので半分くらいです。


小屋の裏手に登って何とか全景を収めた図。
コロナ禍以降宿泊者数を絞った状態でも定員800人、
嘗ては1,500人にも達していたとか。
日本最古にして日本最大の山小屋です。
ちなみに、収容人数日本2位はさっき見た村営白馬岳頂上宿舎。
白馬岳ってそんなに登山者が多いのか…


中は山小屋とは思えぬ綺麗さ。
流石日本最大の山小屋は資金力が違いますね。
我々は8人組だったので個室を貸し切ることが出来ました。
ちなみに、猿倉荘で借りた軽アイゼンは
ここで返却することが出来るのですが、
まだこの先のルート上に別の雪渓が残っているということで
引き続き借りることになりました。


サクサク登ってきて時間が大分余っているので、
ちょっと白馬岳山頂まで散歩します。


白馬山荘から15分程で白馬岳山頂(標高2,932m)に到着。


ガスがかかったり晴れたりの天気です。
明日万が一天気が崩れた時の保険の意味もあって
今日一度登ってきましたが、
果たして明日はこれより良くなるか悪くなるか…


西側は割となだらかな斜面ですが、
東側は断崖絶壁になっています。
この急峻なカールが雪渓を育んでいるのでしょうか。


白馬山荘に戻っておやつ。
スカイプラザという名のレストランでは
ケーキセットやビールセットは勿論、
何とかき氷まであります。
もしかして白馬大雪渓の雪を…?


料理好きの先輩が自家製バーニャカウダや
ラスクも持ってきて下さったので、
そのままプチ宴会に突入。
ガチな山の上とは思えぬ優雅さですね。
この写真を宣材にすれば登山部にエンジョイ勢も取り込めるだろうか。


今日は一日中目まぐるしく変わり続ける天気でした。
日没は残念ながらガスった時間帯だったので拝めず…


収容人数が多い為、夕食は何と4交代制です。
我々は比較的到着が早かったのか2巡目の17:45からの回で夕食。
山小屋の夕食と言えば十中八九カレーライス+一菜ですが、
流石白馬山荘は拘っています。
こんな品数良く揃えられるものだな…
流石にシャワーやお風呂はありませんが、
非常に快適な山小屋で小屋泊デビューにピッタリですね。

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