中南米旅行 第6日目

中南米6日目

7:30、起床。
さあ、今日は勝負の日。
嘗て世界一暴力的な街とまで呼ばれたBogotá(ボゴタ)の
Centro Histórico(旧市街)を観光します。


朝の新市街(Zona T)。
ここは全く治安の悪さを感じさせませんね。
治安面では新市街が一番なのですが、
困ったことに新市街に観光スポットはありません。
観光客としては治安の宜しくないCentro Históricoへ
出向かざるを得ないのです。
朝食を終えたらUberを呼んでCentro Históricoへ。
山際のCarrera 1(カレラ1)で南へ向かいます。


Bogotáの街は碁盤の目状に系統立てて整備されており、
南北に走る道はCarrera(カレラ)、
東西に走る道はCalle(カジェ)と呼ばれています。
Carreraは東からCarrera 1、Carrera 2…
Calleは南からCalle 1、Calle 2…と番号が振られており、
北海道で言うところの丁目と条のようなシステムになっています
(Carrera 1より東の道はCarrera 1 Este、
Calle 1より南の道はCalle 1 Surとなったり、
郊外まで行くと段々賽の目が傾いてくる影響で
寧ろCarreraの方が東西方向になったりするが、
そんな地域に観光客が立ち入ることは決してない)。


そして、これが本質情報なのですが、
Bogotáは基本的に南ほど治安が悪いと言われています。
つまり、Calleの番号が小さいほど危ない場所なのです。
Calleの50〜60番台では高級マンションが建ち並んでいますが…


これが30〜40番台になると落書きが目立ち始め、
塀にはガラスの破片が埋め込まれているようになり…


20番台ともなるとこの有様。
雑な落書きが壁という壁を埋め尽くし、
路端の行き倒れ、棍棒で道行く車を叩く浮浪者など
明らかに挙動のヤバい人間がそこかしこに現れます。


では、観光地のCentro Históricoは
Calleで言うと何番から何番に相当する区域なのかというと、
ざっくり言って7〜19番です。
そんなのもう世紀末じゃん…
と絶望せずにはいられませんが、
Centro Históricoだけは例外的な区域で
コロンビア政府が本気で治安維持に乗り出している為、
それなりに治安が保たれた場所になっています。
このParque Santander(サンタンデル公園)も
Calleで言うと16番に面した場所ではありますが、
多くの人達で賑わっていてそこまで危ない空気はありません。
それでも、危険地域に囲まれた離れ小島なので
通りを一本間違えると殺られる危険があることは
重々理解しておかなければなりませんが。


屋外は気が休まらないので、
Museo del Oro(黄金博物館)に入ります。
高い金属加工技術を有していたインカ帝国の
金装飾品を収蔵している博物館で、
金製品の博物館としては世界最大規模を誇るとか。
強盗とかに襲われたりしないんだろうか。


非常に精巧な金細工です。
インカの技術力の高さが窺えます。


その中でも特に精巧なのがBalsa Muisca(ムイスカの筏)。
「黄金の筏」とも呼ばれ、Museo del Oroで一番有名な収蔵品です。
神への捧げ物として作られたものだとか。
写真では大きさが分かり難いですが、
幅と高さが10cmずつ、奥行きが20cmで結構小さく見えます。
現代と違って道具もそんなに良くないだろうに、
良くこんな細かい物を作ったな…


もう一つ有名な収蔵品がこれ。
Poporo(ポポロ)という道具です。
瓢箪みたいな形をしていて、
良く見ると天辺に小さな穴が開いています。
何に使うものか分かりますか?
ヒントは現代のコロンビアでも有名なあれです。


正解は石灰を貯めておく為の容器。
では、その石灰をいつ使うかと言えば
コカの葉を噛む時です。
そう、コカインの原料であるコカの木は南米が原産。
インカ帝国の時代には噛みタバコのように嗜まれており、
効果を増す為に石灰と一緒に噛んでいたそうです。
現代でもコカインはコロンビアの一大産業ですね。


これだけの技術を有していた訳ですから
当然金細工以外でもその技術力は発揮されていて、
Zenú(シヌー文化)では50万haにも及ぶ用水路を作って
川の氾濫で灌漑を行うシステムを築いていたとか。
蚊が凄そうだけど、虫除けの技術もあったのかな?


大量の収蔵品を見て回ってお腹ペコペコなので、
博物館の地下にあるレストランで昼食。
頼んだのはArroz del Puerto(アロス・デル・プエルト)。
直訳すれば「港のご飯」でPaella(パエリア)みたいな料理です。
またパクチーが…


安全地帯である博物館にいつまでも留まる訳にもいかないので、
街歩きに出ます。
歩行者天国のCarrera 7は多くの人で賑わっていて
そんなに危険な雰囲気は感じません。
当然、ガチガチに緊張していますが。


Parque Santanderを挟んでMuseo del Oroに面している
Iglesia de San Francisco(聖フランシスコ教会)。
写真撮影禁止なので中の写真はありませんが、
折角なので参拝しておきます。
Quito(キト)にも同名の教会がありましたが、
あそこ以上に金色に輝く内装で、
Museo del Oroへの対抗心を感じさせました。
いや、建造年からしてそんな意図は無いはずですが。


コロンビアと言えば裏社会のコカインだけではなくて
表社会ではやはりコーヒーが有名。
こちらはコロンビア版Starbucks(スターバックス)と言うべき
Juan Valdez Café(ファン・バルデス・カフェ)です。


注文したのはGranizado Café(グラニサード・カフェ)。
スタバで言うところのフラペチーノでしょうか。
エクアドルと同じくほろ苦い味付けです。
フラペチーノより好きかも。
甘味料はPanela(パネーラ)?


Carrera 7を歩いてPlaza de Bolívar(ボリバル広場)まで来ました。
何かバンダナで顔を覆って長い棒を担いだ謎の集団が
行進をしているけど、これは一体…


Capitolio Nacional de Colombia(コロンビア国会議事堂)の前で
整列して何やら演説している…
抗議活動か何かなのでしょうか。
あまり近寄らない方が良さそうだな…
Plaza de Bolívarは怪しい客引きもちらほら居て治安が悪いです。


そんなPlaza de Bolívarでビクーニャを見付けたOMさんは
大興奮で記念写真を撮っていました。
胆力がありますね…


Plaza de Bolívarは早々に引き上げて、
Parque Santander近くにある土産物屋の集まった
小さなショッピングモール的な施設に入ってみました。
コロンビア土産を物色します。


コーヒー豆とコカの葉が同列に陳列されているのが流石過ぎる。
南米の多くの国でコカ茶用のコカの葉は合法ですが、
日本に持ち込むと違法なので気を付けましょう。


奥に苔生した噴水が特徴的な喫茶店があったので、
Juan Valdez Caféにも寄った後ですが一服します。
ここのコーヒー、地元の人達も飲みに来ていて凄く美味しい。
これまで人生で飲んだ中で一番美味しいコーヒーかも知れない。
周りのおじさんやおばさんが
「怖く感じているかも知れないけど、
コロンビアって良い所だよ!」
と談笑に混じってくる雰囲気も良い。
ビビっていましたが、何だかんだコロンビアも良い国ですね。


しかし、暗くなったら表情を一変させそうな街ではあるので、
早めに新市街へと戻ります。


という我々の思いを余所に運転手は車を幹線道路から外し、
人気の無い公園内の道へと寄り出しました。
えっ、まさかこれって人気の無いところに連れて行かれて…
と気が気ではありませんでしたが、
「夕暮れ時のこの辺りは綺麗なんだよ〜
良かったらちょっと降りて写真でも撮るかい?」
とただBogotáの公園をオススメしたいだけの運転手でした。


コロンビア料理のレストランに到着。
テーマパークみたいな雰囲気です。


僕が頼んだのはAjiaco con Pollo(アヒアコ・コン・ポジョ)。
何故か茹でトウモロコシが突っ込まれており、
Locro(ロクロ)よりも更に薄味です。
付け合わせはやっぱりアボカド。
アボカドはシチューっぽいスープに良く合いますね。


こちらはスペイン料理らしいPapas Bravas(パパス・ブラーバス)。
サイコロ状の揚げ焼きポテトに辛口ソースがかけられており、
お酒のおつまみに良さそうなお味です。
でも、酔った状態で通りを歩くのは危険だからオレンジジュースで…
と僕は自制していたのですが、
OMさんは普通にコロンビアビールを飲んで酔っ払っていました。
胆力の問題…なのか?

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