中南米旅行 第4日目

6:30、起床。

朝食を食べに外に出ます。


昨日バンジージャンプをしていた
Puente San Francisco(サンフランシスコ橋)からの俯瞰。
バンジージャンプ1回USD20だそうです。
リーズナブルが故に怖い。


朝から賑わうBaños de Agua Santa(バーニョス・デ・アグアサンタ)。
朝食営業している喫茶店も結構あります。


という訳で、愛知県民らしく喫茶店でモーニング。
Ecuadorian Breakfast(エクアドルの朝食)という
お誂え向きのメニューを頼んでみました。
炒り卵にジャガイモとタマネギの炒め物、
それにアボカドとトマトという組み合わせで、
朝にピッタリなあっさりとした味付けです。
自宅で作るのにも良さそう。


朝食を済ませたら、迎えの車に乗って出掛けます。


コカの飴と同様に高山病に効くと言われて渡されたお菓子。
使い捨てシャンプーの袋に入っているのは…


Panela(パネーラ)というサトウキビの飴だそうです。
見た目に反して柑橘のような爽やかな風味があります。
オレンジピール的な物が入っていますね。
手作りだから入れ物が無いにしても
せめて食品の袋を使えなかったのか。


Riobamba(リオバンバ)を経由して
どんどん標高を上げていきます。
この辺りは酪農が盛んらしく、
かなり急斜面な山肌にも牧場が拓かれています。


標高4,000m付近で森林限界となり、
辺りには荒涼たる景色が広がるようになります。
逆に4,000mまで森林があるというのは流石赤道地帯ですね。


Centro de Visitantes(ビジターセンター)で入園手続き。
パスポートを見せて国立公園の入園者として登録します。
ここの標高4,350mです。


事務所には高山病への注意を促すポスターが貼られています。
ちなみに、(アンデスの)高山病はスペイン語でSorocheと言います。
まあ、この地で具合が悪そうにしていたら
何も言わなくても高山病だと思われるでしょうが。


ここはReserva de Producción de Fauna Chimborazo
(チンボラソ動植物保護区)、
地球上で最も地球の中心からの距離が遠い場所です。
一番高い山がMt. Everest(エベレスト)であることは周知の事実ですが、
地球は完全な球体ではなく
自転の遠心力によって赤道付近が膨らんだ楕円体になっている為、
海抜8,848mのMt. Everestよりも
海抜6,268mのChimborazoの方が
2,000m以上地球の中心から遠いのです。


Centro de Visitantesから更に車道は続きます。
Chimborazoは成層火山なので道は引きやすいのでしょう。


沿道にはVicugna(ビクーニャ)がいます。
日本ではAlpaca(アルパカ)が有名ですが、
AlpacaはVicugnaを家畜化したものという説があります。
Vicugnaの原種は縄張り意識が強いので
家畜化するのには向かないそうですが。


Pikes Peak(パイクスピーク)を彷彿とさせる道を登りきって
車道の終点兼Ruta de los Refugiosの登山口に到着。
「難民ルート」とも訳せますが、
これは順当に「避難小屋ルート」の意味でしょう。


既に富士山頂より1,000m以上高い
標高4,800mからのトレッキングスタートです。
空気が薄い…!


駐車場からすぐRefugio Hermanos Carrel
(カレル兄弟避難小屋)に到着。
ここには入らず先に進みます。


Refugio Hermanos Carrelから本格的な登りが始まります。
馬に乗っている人も居るけど、
バランスを取ることを考えると徒歩より大変ではなかろうか…


大した道ではないですし、
近所の散歩みたいな服装の人が多いのですが、
4,000mどころか3,000mすら殆ど経験の無い日本人にとっては
普通に歩くだけでも一苦労です。
休み休み歩いていきます。


1時間程掛けてRefugio Whymper(ウィンパー避難小屋)に到着。
残念ながら小屋は閉鎖中のようです。
ここで遂に標高は5,000mの大台に乗ります。


5,000mというキリの良い数字を待っていたかのように
道が雪に包まれます。
赤道直下とはいえ、この高度では万年雪があります。


温泉が湧いているのか、この環境の中でも凍っていない
Condor Cocha(コンドル池)。
残念ながら浸かれるような温度ではありませんが。
Lago Titicaca(チチカカ湖)より遥かに高い位置に位置する池です。


大海原を思わせる濃青の空。
標高が上がるほど太陽との間にある空気の量が減る為、
平地では空気によって遮られてしまう光、
具体的には紫外線など波長の短い(青い)光も届くようになり、
このように空が青みの強い色になります。


という訳で、この標高5,100m地点が日帰りツアーで来られる
最高地点になります!
勿論、僕の人生で到達した中での最高標高です。
ヒマラヤのトレッキングでこの標高に到達しようと思うと
徒歩で片道1週間は掛かるのが普通ですから、
非常に「お手軽」であると言って良いでしょう。
その分高山病のリスクは高いですが。


ここでやってみたかった実験をします。
標高5,100mで空気を一杯に詰めたペットボトルを
海抜0mまで持っていくとどれくらい潰れるのか?
結果は5日後(2023/5/6)に。


標高5,000m超え地帯に留まっていると
いよいよ本格的に高山病になってしまいそうなので、
記念撮影を終えたら下山します。
ガイドのおじさんが
「君達まだ元気が余っていそうだから
下りはもうちょっとエキサイティングな道にするか!」
とラッセルが必要な悪路を選んできた…


下山中ふと振り返ると
Chimorazoが標高6,268mの頂まで姿を見せていました。
折角なので記念撮影。
まるで頂上まで登るかのような雰囲気を醸し出そうとしていますが、
荷物の少なさでバレバレですね。


Chimborazo周辺の景勝地に寄りながら帰ります。
まずはChimborazoから流れ出る川にある
Cascada la Chorrera(ラチョレラの滝)。
火山性の大地に深く刻んだ
華厳の滝を彷彿とさせる巨大な滝です。
ロッククライミングをする人も居るとか。
「クライマーが来る」という説明はここだけではなくて
エクアドルの険しい地形の場所でちょくちょく聞くんですよね。
僕は知らなかったのですが、
エクアドルってクライマーの中では聖地なんですかね?


こちらはChimborazoの隣、
県名にもなっているTungurahua(トゥングラワ火山)。
綺麗な成層火山の麓に畑が広がる景色は
何処と無くアジアっぽさを感じさせます。


このTungurahuaはエクアドルの中でも
特に活動が活発な火山の一つで、
最近では2016年に大規模な噴火を起こしています。
良く見ると山肌には溶岩の流れ出た跡が。
この活発さで外務省から危険レベル1を発令されています。
火山活動だけが理由で危険レベルが出るって結構珍しい気がする。
実は昨日のCotopaxi(コトパクシ山)も
同じ理由でレベル1だったりしますが。
ちなみに、左奥に見えている町がBaños de Agua Santaで、
地形の影響であそこには溶岩が流れてこないのだそうです。

日が暮れて真っ暗になった頃にBaños de Agua Santaに帰着。
治安が心配…
とかではなくて、高山病に罹ったのか
誰も夕食を食べられるほどの食欲が湧かなかったので、
そのまま寝落ちしました。

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