四国環状旅行 第4日目

4:40、起床。
バースデイは今日ですが、
バースデイきっぷの有効期限は昨日までなので
今日は四国を抜けます。
四国から本州に渡る方法は幾らでもありますが、
まだ使ったことのない方法で行ってみます。


6:00発ジャンボフェリーりつりん2に乗船。
四国の交通と言えば海運。
昔なら四国へ向かう一番メジャーな手段でした。
運賃を安く抑えられるので今もそれなりに乗客が居ます。


小豆島坂手港に寄港して関西を目指します。


大晦日と元日に渡った明石海峡大橋。
今回は潜ります。


11:02、神戸三宮フェリーターミナルに到着。
バスに乗り換えて三ノ宮駅を目指します。


阪神高速や国道2号のバイパスを潜る国道174号。
ここはその道のオタクには有名な国道で…


全長187.1mの日本一短い国道として名を馳せています。
神戸港と国道2号を結ぶ国道として指定されたのですが、
国道2号が港側にバイパスを作った為に
切り詰められて日本最短になったという経緯があります。
200mも全長が無い割には11車線もあり、
国道としての面目は保っている…と言えるでしょうか。


三ノ宮駅で11:28発JR東海道本線普通高槻行きに乗り換え。


灘駅で11:40発みなと観光バス51系統坂バスに乗り換え。


急坂の細い街路を登ります。
S2000では絶対に走りたくない道だな…
神戸は街の雰囲気は好きだけどMT車に厳し過ぎる。


今日はそんな勾配の街神戸で山の鉄道を乗り潰します。
まずは住宅街の中のログハウスみたいな摩耶ケーブル駅へ。


12:00発摩耶ケーブル虹の駅行きに乗り換え。
河和駅行きを「河和行き」と呼ぶなら、
虹の駅行きは「虹の行き」と呼ぶべきだろうか。


住宅街の中から唐突に始まるケーブルカー。
摩耶山天上寺への参拝鉄道として建設されたもので、
すぐに山奥のような風景になります。
ギリッギリのところまで宅地開発しているんだな…


途中には資料すら残っていない謎のホーム跡があったり、
ミステリアスな一面も持っています。
ここで降りたとして何処に向かうのだろう…


最急勾配は546.5‰。
かなり直線的な経路で先まで見通せるので、
まるで垂直に反り立つ壁のように見えます。


12:05、虹の駅に到着。


お隣には廃墟と化した摩耶観光ホテルが。
平成5年に閉鎖されて以降廃墟マニアの聖地となっており、
令和3年には廃墟にも関わらず
国の登録有形文化財に指定されました。


ここからだとまだ景色は微妙ですね…
ここには嘗て千万弗展望台があったそうですが。
千万弗(1,000万ドル)は見積もりが甘くない?


ちょっと歩いてもう一つの虹の駅へ向かいます。
何故この謎の空白区間が生まれてしまったのだろうか。


12:20発摩耶ロープウェー星の駅行きに乗り換え。


ケーブルカーからロープウェイにバトンタッチです。
大阪湾に望む神戸市街が一望出来ます。
手前に見えている採石場のようなものは霊園です。
お墓参りだけでプチ登山だな…


12:25、星の駅に到着。


普通ケーブルカーに乗ると、
復路も乗るにせよ帰りは歩くにせよ
ピストンしなければならなくなるものですが、
そこは流石神戸市民の遊び場六甲山。
六甲山の上を走る路線バスなんてものがあるのです。
12:30発阪急バス表六甲線六甲ケーブル山上駅行きに乗り換え。


摩耶山天上寺や六甲山牧場などの観光地を繫ぎます。
数十分で高原リゾートに行けるなんて羨ましい。


12:53、六甲山上駅に到着。
摩耶ケーブルの隣にある六甲ケーブルです。
観覧車くらいのノリでケーブルカーがありますね。


13:00発六甲山観光六甲ケーブル六甲ケーブル下行きに乗り換え。
随分レトロな雰囲気の駅舎と車両です。


この六甲ケーブル、嘗ては1本の路線でなく、
現在交換場となっているこの場所に清水駅という駅があって
下部と上部のケーブルカーを乗り換える必要がありました。


それが昭和13年の阪神大水害で壊滅的な被害を受け、
復旧する際に今のような一繋がりの路線になったようです。
渓流に沿っていて見るからに水害を被りそうだもんな…


13:10、六甲ケーブル下駅に到着。
神戸大学の最寄り駅です。


13:14発神戸市営バス16系統JR六甲道行きに乗り換え、
六甲駅で13:29発阪急神戸本線普通大阪梅田行きに乗り換え。


西宮北口駅で13:48発阪急今津線普通宝塚行きに乗り換え。
4ヶ月振り(2022/11/6)の阪急今津線。
今度は阪急神戸本線で切られた内の北側に乗ります。


宝塚駅で14:11発JR福知山線区間快速大阪行きに乗り換え、
14:18、川西池田駅に到着。
川西能勢口駅へと歩きます。
この辺りの事情に詳しい人には
意味不明な経路を取っているように見えるでしょうが
(JRではなく阪急を乗り継いでいれば川西能勢口駅に着く)、
これはJR福知山線に未乗区間を残さない為の施策です。


14:34発能勢電鉄妙見線普通日生中央行きに乗り換え。
どう見ても阪急ですが、能勢電鉄という私鉄です。
元・近鉄の養老鉄道みたいに
経営不振で第三セクター化されたという訳ではなく、
寧ろ元々独立していた能勢電気軌道(当時)が
大正時代に経営難に陥った際に阪急へ資本参加を仰ぎ、
その関係が今まで続いているのだとか。


山下駅で14:53発能勢電鉄妙見線妙見口行きに乗り換え。
能勢電鉄はその名の通り能勢妙見山への参拝路線として
建設されたという経緯がありますが、
昭和53年に阪急日生ニュータウンへのアクセス路線として
能勢電鉄日生線が開通すると、
列車はほぼ全てそちらへ直通するようになり、
本家の妙見線はオマケの盲腸線みたいになってしまいました。


山に挑むニュータウン路線ということで
神戸電鉄(2018/1/14)を彷彿とさせますが、
能勢電鉄は数ある私鉄の中でも
相当儲かっている会社の一つだとか。
神戸と大阪の力の差でしょうか…


15:01、妙見口駅に到着。


昭和をそのまま小包にしたような駅前。
駅前は狭過ぎてバスが乗り入れられません。


駅から80m歩いたところにあるバス停から
15:20発阪急バス妙見口能勢線ケーブル黒川駅行きに乗り換え。


15:24、黒川駅に到着。
今日3つ目のケーブルカー、妙見の森ケーブルです。
低く垂れ込めた雲の中に線路が消えています。
今から乗ると上に着いても蜻蛉返りになってしまうので、
駅員さんから
「ホンマに行くんか?」
と引き止められましたが、
フリー切符を持っている旨を告げると
「あっ、ほんならしゃあないな」
とすんなり通してくれました。
流石は元を取ることに敏感な関西人。


15:40発妙見の森ケーブル ケーブル山上行きに乗り換え。
当然のことながら貸切状態です。


線路が雲中に消えている…


15:45、ケーブル山上駅に到着。


例によってここでまた乗り換えるのですが、
摩耶ケーブルと摩耶ロープウェーと同じく
ここもまた徒歩区間があります。
でもって、この徒歩区間がありえないくらいの激坂!
スニーカーでも雨だと滑りそうなくらいの急傾斜です。
何故こんな人間工学ガン無視の構造になっているかというと
ここには元々ケーブルカーが走っていたからです。


妙見の森リフトは元々下部線と上部線の2つあったものの、
戦時中に不要不急線として廃止させられ、
戦後復旧する際に建設費の都合で
上部線はケーブルカーではなくリフトでの再建となり、
カーブを曲がれないというリフトの性質上
カーブより下が空白区間として残ってしまったのです。


リフトにしては仰々し過ぎる掘割が
ここがケーブルカーの廃線であることを物語っています。
…リフトって間違ってもこんな雨の日に乗るものじゃないな。
申し訳程度の屋根が申し訳にもなっていない…


ずぶ濡れになりながら妙見山駅に到着。
その名の通り能勢妙見山の最寄駅ですが、
参拝しているような時間は一切無いので蜻蛉返りします。


下っていると反対方向から営業終了の紙が流れてきました。
リフトの終便ってこういう感じなんですね。


ずっこけないように気を付けつつ
ケーブル山上駅への駆け下ります。


良し、間に合った!
16:20発妙見の森ケーブル黒川行きに乗り換え。


黒川駅で16:31発阪急バス妙見口能勢線妙見口駅行きに乗り換え、
妙見口駅で16:43発能勢電鉄妙見線普通山下行きに乗り換え、
山下駅で17:01発能勢電鉄日生線普通日生中央行きに乗り換え。


17:04、日生中央駅に到着。
これで能勢電鉄は完乗です。


日生線は日生ニュータウンへのアクセス路線として、
妙見線から遅れること65年の昭和53年に開通した路線ですが、
現在川西能勢口駅からの列車の殆どは
この日生中央駅に直通しています。
凄い山奥みたいな空気ですが、
直通特急の日生エクスプレスを使うと梅田まで40分です。

折り返し17:09発能勢電鉄日生線普通川西能勢口行きに乗車し、
川西池田駅で17:36発JR福知山線普通高槻行きに乗り換え、
尼崎駅まで行ったところで兵庫県の鉄道を完全乗車しました!


ついでに大阪の鉄道もちょっとだけ乗り潰します。
今も増築が進む大阪駅で迷いに迷って
19:00発JR大阪環状線大和路快速奈良行きに乗り換え。
この地下ホームは一昨々日に開業したばかりの
ピカピカでガラガラな空間です。
ふぅ、昼食も満足に食べられず乗り換えに次ぐ乗り換えで
今日は流石に疲れたな…
……


やってしまった…ぁあ!
久宝寺駅で乗り換えるべきところを寝過ごして
奈良県の王寺駅まで飛ばされてしまいました。
新大阪駅で夕食を食べる予定だったのに…!
しかし、嘆いてもどうしようもないので
新大阪でバッファを設けていたお蔭で助かったと考えるようにして
19:00発JR関西本線大和路快速天王寺行きで久宝寺駅に戻ります。


久宝寺駅で19:16発JRおおさか東線普通大阪行きに乗り換え。
城東貨物線を旅客化して平成31年3月に全線開通した、
平成最後の新線です。

19:50、新大阪駅に到着。
元々は19:54発の新幹線に乗り換える予定だったけど、
切符の受け取りもまだなのに4分で乗り換えは無理だよな…
まあ、こうなったら鷹揚に構えて良い駅弁でも買うか…
自由席って混むのかなぁ…(鷹揚度0)

とか考えていたのですが、
実際には思ったより新幹線乗り場が近かったので
行けるのでは?と試したら乗れてしまいました。
帰宅は早くなったけど、
昼食に続いて夕食まで危うくなってしまった…
東京での乗り換えでシャリバテして倒れそう。


しかし、流石は天下の東海道新幹線なだけあって
車内販売が健在なので駅弁を買うことが出来ました。
今まで車内販売で駅弁を買ったことなんてなかったけど、
こういう時のセーフティネットになっているんだな…
そんなこんなで、年度末らしいドタバタした旅行でした。

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