奄美群島旅行 第3日目

7:30、起床。
亀徳新港へ向かいます。


9:40発マルエーフェリー フェリーあけぼのに乗船。
3,000t弱だったフェリーあまみに比べて
こちらは8,000t超の大型船なので安定感があります。
年末年始は欠航していたそうですが。


徳之島を後にします。


次に渡るのは徳之島と比べて起伏に乏しい平坦なこの島。
全土が隆起サンゴ礁で出来ており、
石灰岩質の地形が発達したこの島は…


11:30、沖永良部島和泊港に上陸。
卓越した鍾乳洞で知られた沖永良部島です!
そもそもここに来たいが為に旅行を組んだ節があります。


徳之島より一回り小さく、喜界島と似た大きさの島。
発展具合は喜界島と徳之島の間といったところです。
コンビニはありませんが、何故か百均は沢山あります。


ホテルのレストランで昼食。
奄美大島より沖縄本島に近いという立地なので
沖縄そばを頂きました。
奄美群島のコーレーグースは
黒糖焼酎で漬け込んでいるんですね。

昼食を終えたら今回の旅行の目玉、
リムストーンケイブのケイビングツアーに参加します!
沖永良部島は小さな島ながら日本有数の規模を誇る
大規模な鍾乳洞に恵まれた土地であり、
近年ではケイビングが盛んです。
これまでもエスピリトゥ・サント島(2019/5/5)
宮古島(2022/3/21)でケイビングを体験しましたが、
更に上を目指すべく聖地にやって来ました。


ウェットスーツの上にツナギ、
頭にはヘッドライト付きのヘルメットという
ケイビングスタイルに着替えたら、
高台の農地の奥にある洞口に向かいます。


何の案内もありませんが、この奥だそうです。
えらく分かり難い場所にありますね。
思えば、ケイビングの洞窟の入口は
何処も一筋縄ではいかない立地だったな…
分かり易くすると無断侵入者が現れてしまうのでしょうか。


ただ、ここは何時間もジャングルを歩いたり
荒れる海をシーカヤックで横断しなくても良いので
かなり温情がある方です。
夏はちょっと辛そうですが…


それでは、いざ入洞!


立派な鍾乳石が林立(倒立?)する洞窟です。
勿論、ただ歩いて鍾乳洞を見学するだけなら
ウエットスーツは要らない訳で…


すぐに水没区間となります。
幾ら奄美群島とはいえ1月の地下水は冷たく、
そこに胸まで浸かって進んでいきます。
探検感が出てきましたね!


泳ぐだけではなく、
こんな感じで小さな穴に潜り込む箇所も多々あります。
良くこのルートを見付けたな…


かと思えばこんな巨大な空間に出たり。
斜めになっている鍾乳石は
天井から崩落してきたものだそうです。
あれがケイビング中に落ちてきたら…


何万年もの間、人知れず地下で育ってきた鍾乳石。
地上の河川侵食なら最終的には準平原に落ち着くけど、
鍾乳洞って最終的にはどういう地形に至るのかな?
ポリエ?


足元にはこんなものもあります。
この茹で卵みたいなものは、
砂利などが石灰でコーティングされたケイブパール(洞窟真珠)。
水流で揺れ動かされる環境にあると洞床にくっつかず、
このような真珠状になるのだそうです。
しかし、これは大きさと言い、質感と言い、どう見ても茹で卵…


上のように石灰石は基本的に白いですが、
主成分の炭酸カルシウムが純粋に結晶化したものは透明です。
所謂方解石です。
小さなものではありますが、この洞窟にもありました。


こんな薄い形に析出した方解石もあります。
大根の薄切りにしか見えない。
さっきからおでんの具材にばかり喩えているけど、
お腹が空いているのかな…


大空間を後にして更に奥地へと進みます。


ここまでも大分細かったですが、
遂に匍匐前進を強いられる場面が現れました。
洞床を水が流れているので余計に息苦しいです。


匍匐前進で抜けると滝壺が現れました。
滝と言っても落差は1mあるか無いかですが、
岩は茸の傘のような形になっているので
最後は滑って飛び込む必要があります。
天然のウォータースライダーですね。


ちなみに、こんな形の岩です。
何故こんな形になって、なおかつこの形で安定しているのだろう…
宮古島(2022/3/21)のパンプキンホールにも近い形の鍾乳石はありましたが。


ウォータースライダーからもう少し進んで
広くなったところで休憩。
ガイドさんが温かい紅茶を淹れてくれました。
地下水で冷え切った身体に沁みる…
ガイドさんは魔法瓶に入れていたお湯を使っていましたが、
登山と違ってバーナーも使えないのは辛そうですね。
そして、我々が休憩している間に
ガイドさんは一番の見せ所の準備をします。
準備が終わったとの知らせを受けて進むと…


出ました!
これこそこのリムストーンケイブの名前の由来となった
リムストーン(畦石)です!
その名の通り、鍾乳石が畔の役割をして
まるで棚田のように地下水が池を成しています。
幻想的な景色ですね。


…お気付きかと思いますが、
ここは洞口から遠く離れた鍾乳洞の中なので
ヘッドライトだけではただ歩き難いだけの場所になってしまいます。
この幻想的な景色の裏には
先程の紅茶休憩中に一個一個ライトを池に沈めた
ガイドさんの地道な努力があるのです。


こんなに奥の方まで準備したんだな…
頭の下がる思いです。
我々のインスタ映えの為に…
惜しむらくは我々の誰もまともにインスタをやっていないことですが。
まあ、僕がこうしてブログには使ったので…


一頻り記念撮影を済ませたら更に奥へと進みます。


水が勢い良く流れ込む穴に潜り…


顔が水没しないように
少し仰け反りながら匍匐前進し…


林立する石筍の合間を縫って更に匍匐前進を続けて…


ここが今の装備で行ける最深部です!
この先は完全に水没してしまっているので
ダイビングの装備が無ければ行けません。
この鍾乳洞の奥の奥で最後のアトラクション。
全ての灯りを消して漆黒の闇を体験します。
ここには一切可視光が届いていないので
幾ら経っても目が慣れることはありません。
真の闇。
目を開けていても閉じているような錯覚に陥ります。
ただ、皆と一緒に居るからか不思議と恐怖感よりも
安心感にも似た妙な感覚を覚えました。


それでも、ヒトは元来地上の生き物です。
あるべき場所に戻りましょう。
這い蹲って、泳いで、攀じ登って…


光だ!


という訳で、大興奮のケイビングツアーでした。
地下にはあんなにミステリアスな空間が広がっていたのに、
地上に出ると長閑な畑というギャップが面白いですね。


一日の締めに夕陽を眺めようと田皆岬へ。
火サスの撮影地にでもなりそうな断崖です。


暫くの間ご無沙汰だったお天道様が沈んでいく…


今日の宿は一棟貸だったので、
この後はスーパーマーケットで色々買い込んで
宿でバーベキューを楽しみました。
ケイビングの後のお肉は美味しい!

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