奄美群島旅行 第1日目


5:00、起床。
鹿児島中央駅前から6:00発南国交通空港連絡バスに乗車。


鹿児島空港で7:35発JAL3783便に搭乗。
勿論、鹿児島市も経由地です。
真の目的地は…


8:45、喜界空港に到着。
奄美群島の最東端、喜界島にやって来ました!
喜界島と言えば漢字こそ違うものの鬼界カルデラ…
と勘違いしていましたが、
鬼界カルデラの名前の由来になった「鬼界ヶ島」は
喜界島ではなく薩摩硫黄島(2016/2/4)のことだそうです。


徒歩や自転車で巡るにはちょっと大きい島なので、
レンタカーを借りて島を回ります。
まずは空港近くのビーチへ。
多良間島(2022/3/18)を彷彿とさせる未舗装路ですね。


空港の裏のスギラビーチ。
喜界空港に離発着する飛行機を眺めながら泳げる
航空マニアにうってつけのビーチです。
いや、航空マニアは泳がないか(偏見)


散策用の水と行動食を調達するべくスーパーへ。
駐車場が屋根付きで店舗と一体化しているのは
台風や通り雨対策でしょうか。
品揃えは結構良いです。
そして、(失礼ながら)驚くべきことに
喜界島にはこの規模のスーパーが複数あります。
もっと鄙びた島を想像していたけど、
案外栄えているんだな…


荒木・中里遊歩道にやって来ました。
喜界島は隆起サンゴ礁の島で、
雨や波で侵食されたカルスト地形を見ることが出来ます。
実はさっきの未舗装路は
この荒木・中里遊歩道に来ようとして迷い込んだのは秘密。


何やらトロ箱が打ち上げられていますね。
近くの漁港から流されてきたのでしょうか。


と思ったら気仙沼!?
黒潮に乗って遥々流されてきた…
っていうか、黒潮って南から北に向かう流れでは?
一体どういう経路を辿ってきたのでしょうか。


お次は手久津久集落のガジュマル巨木。
幹回りは16mもあるそうです。
「ガジュマル群」と書いてある案内もあるので、
1本ではなくて複数のガジュマルが絡み合っているのでしょうか。
嘗ては燃料や防風の役を担って島の生活を支えていたそうです。


現代の島の生活を支えるスポットも見ておきます。
喜界土地改良区の事務所で手続きをして
サトウキビ畑の中にあるこの建物の中に入ると…


地下へと降りていく階段が現れます。
20mほど下ると…


トンネルに出ました。
何処にも通じていない地下で完結するトンネル。
これは一体何か?


地下ダムです!
宮古島(2022/3/21)でも見ましたね。
福里地下ダムでは地上に飛び出した部分を見学出来ましたが、
こちらは地下で実際に水を湛えている琉球石灰岩層を見られます。
1m3あたり80L貯水しているのだとか。


上だとパッと見では水があるかどうか良く分かりませんが、
レバーを捻ると水が流れ出すので
清らかな水を満々と湛えているようです。
この設備、完全に見学客の善意に任せているけど
誰かが開けっ放しにしちゃったりしたら大変なことにならないのかな?
というか、それ以前にトンネルの至る所から漏水しているけど…


一応、水を汲み出すポンプは設けられていました。
そこそこの頻度で動いています。


地下ダムのほぼ直上にある観光物産協会の中庭では
汲み上げられた水が亀や鯉達を潤していました。
地下ダムが出来る以前は
こんな贅沢な水の使い方は出来なかったことでしょう。
地下ダムは文字通り喜界島の生活を変えたんですね。


ちなみに、同じ中庭では
オオゴマダラの金色に輝く蛹も見られます。
この綺麗な金色はモルフォチョウの青色と同じく構造色だそうです。


流れでそのまま観光物産協会の喫茶店で昼食にします。
島の食材を使った色んな料理がお品書きに載っています
が、その多くは品切れでした。
ロシアを思い出すな…
喜界島は白ゴマやそら豆が特産なようです。


昼食を終えたらウフヤグチ(太谷口)鍾乳洞へ。
隆起珊瑚礁の島と来れば当然鍾乳洞があります。


ウフ(大きい)と付けられている通り、
広々した印象を受ける鍾乳洞です。
奥行きは大したことありませんが。
戦時中は軍の防空壕としても使われたそうです。
その際に石柱などは一部壊されてしまったとか。


お次は百之台国立公園展望台へ。
隆起サンゴ礁の島ながら台地が存在していることが分かります。
これは、喜界島が二度に渡って隆起したことの名残。
最初は今立っている台地だけが海面上に出て、
その次に今の状態まで隆起したということです。
隆起自体は今も年2mmのペースで続いているとか。

朝から天気が下り坂でしたが、
ここで遂に雨が降り出してしまいました。
レンタカーだからあまり関係無いと言えば関係無いけど…
雨の中下車したり狭い道を走るのも嫌なので、
車の中で暫し仮眠を取ります。
こういう点は後部座席がある車の方が便利ですね。
いや、一般的に乗用車が求められる大抵の場面で
後部座席はあった方が有利なのは確かですが。


休んでいる内に雨が止んだので観光再開。
こちらはサトウキビ畑の中を真一文字に貫く、
その名も「サトウキビ畑の一本道」です。
小さな島ながら3.5kmに及ぶ直線路があるという。
近代になってから開拓したのでしょうか。


一本道の北端から程近い小野津海水浴場。
曇天でもこの青さ。
一見何の変哲も無い海水浴場のようですが
(海水浴場が港湾内にあるのは外洋の離島では一般的)、
ここにはちょっとした追加要素があります。


それがこれ。
駐車場に引かれた黄色の二重線。
パッと見駐車スペースを表しているようにも見えますが、
微妙に傾いています。


これは東経130度線です。
日本で東経130度線が陸上を通過しているのはここだけ…
という訳でもなく、唐津や諫早もガッツリ通っています。
そもそも、物理的な基準のある緯線ならともかく、
恣意的に定められた経線のキリの良さに
どれほどの意味があるかは分かりませんが。


最後はまだあまり大っぴらに案内されていないスポットへ。
伊実久集落近くのサトウキビ畑の中を注意深く探していくと…


小さな入江に辿り着きました。
今は鏡のように静かな水面ですが、
喜界島の海岸には時折思いがけないものも流れ着きます。


平成24年5月、東日本大震災から1年以上の月日をかけて
気仙沼市から漂着したという小舟です。
津波の恐ろしさを伝えるべく保存しているそうで、
ある意味では震災遺構と言えるでしょう。
もしかして、今朝荒木・中里遊歩道で見たあのトロ箱も
東日本大震災で流されてきたものだったんだろうか。


志戸桶には壇ノ浦の戦いで敗れた平家が
遥々流れ着いたという場所もあるので、
意外と本州方面からの漂流物が流れ着く定番の地なのかも知れません。
でも、上の小舟の例から推察するに
壇ノ浦からとは言え数ヶ月は掛かっていそうだけど、
どうやって生き延びたんだろうか…


ちなみに、ついでにもう一つ隠れ観光スポットを挙げておくと、
漂着船の近くには通称伊実久の滝という
喜界島唯一の滝があります。
川ではないらしいので真の意味で滝と呼んで良いのか分かりませんが、
流れ落ちている岩壁に水草がもこもこに生えていて
本州の滝とはまた違う雰囲気が見られるので、
時間に余裕があれば漂着船と合わせて立ち寄ってみてください。
まあ、喜界島の大きさだと十中八九時間を持て余すので…


奄美群島なので夕食は勿論鶏飯(けいはん)。
出汁茶漬けとはまた一味違う食べ応えが良き。
スーパーなどではフリーズドライも売られています。
お土産にまとめ買いして帰ろうかな。

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