6:30、起床。
清々しい島の朝です。
朝食前に朝の散歩をします。
大久野島は昭和4年から太平洋戦争終戦まで、
陸軍が毒ガス製造を行っていた島として有名。
島の各地に点在しているコンクリート製の構造物は
全て毒ガス製造工場の遺構です。
そしてもう一つ、大久野島は兎の島としても有名です。
これは毒ガスの動物実験に用いられていたウサギが
脱走して野生化したことによるもので…
だと思いたくなるところですが、
毒ガス時代のウサギは戦後に全頭殺処分されたので、
今いるウサギは昭和46年に
観光資源化目的で放たれたものだそうです。
観光客から餌を貰っているので、
しゃがむだけで勘違いして近寄ってきます。
野兎病は無いだろうな…
ウサギが掘りまくるのでそこら中穴だらけです。
夜などは躓かないように気を付けましょう。
島の最高所に行ってみます。
島伝いに瀬戸内海を渡っていく送電線。
昭和37年に完成した中四連絡送電線です。
中でも、大久野島に立つこの鉄塔は
日本一高い送電鉄塔だそうです。
完全当時は世界一だったとか。
何故そんなに高いのかというと、
瀬戸内海を行き交う大型船の航行に支障を来さない為です。
日本一の送電鉄塔の側にあるのが中部砲台跡。
日露戦争に備えてロシア製の煉瓦で造られたそうです。
日本もロシアも何か思うところは無かったんだろうか。
こちらは北部砲台跡。
軍事に疎いので良く分からないのですが、
交戦状態にある敵国の軍艦が
瀬戸内海を通るってどういう状況なんですかね?
海沿いを歩いて宿に戻ります。
さて、今日は平日ですが、
こんなところに来ているからには当然有休を取って
いたいところだったのですが、
悠長に構えていたら会議を設定されてしまって
お仕事せざるを得ない雰囲気に。
という訳で、大久野島で2泊して
ワーケーションとして組み込んでみた次第です。
ちゃんと上長に許可は貰っていますよ。
某研究室だったら絶対にネチネチ言われるので
無言で行っていたところですが、
会社というのは良いものですね。
会社員というよりはフリーランスみたいな気もしますが。
ただ、定時で働くと折角の日が出ている時間帯を
全部潰してしまうことになるので、
長めに昼休みを取って差分は夜に回します。
これが裁量というものです。
9時開館16時閉館なので、
定時内でないと入館出来ない大久野島毒ガス資料館。
どのような環境で毒ガスが製造されていたのか、
極秘中の極秘で殆ど資料が残っていないものを
様々な痕跡を掻き集めて繋げようとしているのが印象的でした。
美しい海に突き出る第一桟橋。
昨夜は真っ暗で分かりませんでしたが、
こんなに綺麗な海だったんですね。
瀬戸内海は芸術の島と呼ばれるような島が点在していますが、
大久野島もそれを目指した時期があったのか
謎のオブジェが置かれていたりします。
これはウサギ耳集音器だそうです。
これだけ海が綺麗ですが島に海水浴場は殆ど無く、
唯一このスペースだけが公式の海水浴場です。
沖縄県の一部の島を除いて島では良くあることですが。
大久野島灯台も何だかお洒落で、
恋する灯台プロジェクトなるものにも選ばれているそうですが、
灯台への道は荒れ果てています。
恋はいつか荒廃するものと言いたいのでしょうか。
灯台のすぐ近くには夕日の丘という展望スポットがありました。
夕日ね…
今日は快晴だからさぞかし綺麗だろうな…
朝の散歩では見ていない東側にも行ってみます。
大久野島第二桟橋。
大久野島のメインの桟橋です。
この小さな島で2つも桟橋が要るのだろうか?
と思ってしまいますが、
車が上陸出来るのはこちらの第二桟橋だけなので、
休暇村に近い第一桟橋と使い分けているのでしょうか。
戦前に使われていた旧桟橋。
第二桟橋の近くにあって忠海港から一番近いのですが、
その所為で本土から丸見えなので極秘任務に向かないと
島の裏側に現在の第一桟橋が造られました。
まあ、ここだと呉線からも普通に見えるしな…
ということは、ここから呉線も見えるのでは?
あ、丁度列車が来ていた。
しかも、観光列車のetSETOraですね。
僕が何時に離席していたのかバレてしまう。
呉線から見られないよう、
毒ガス関連施設の前には堤防が築かれています。
でも、ここまでやるとストライサンド効果で
逆に話題になったりしなかったのかな?
当時なら有り触れていたのでしょうか。
トンネルの壁に描かれていたのは落書き…
ではなく工事用のメモ?
喫煙禁止ではなく喫煙「許可」なのが時代を感じさせますね。
でも、毒ガスを作っているような島で喫煙して大丈夫なのかな?
別に引火性の薬品は扱っていなかったのかな?
旧桟橋の目の前にある発電所跡。
倒壊の危険があるとかでかなり手前から立入禁止です。
さて、そろそろ戻ってお仕事するか…
会議で指摘されたあれやこれやに対応していきます。
が、どうしても夕日が見たくなったので、
夜にやる分をもう少し増やすことにして
ちょっと島の最高所まで散歩します。
ウサギ達も夕日を見に集まっていますね。
瀬戸内海に沈む夕日。
ダイヤモンド二ツ頭(生野島)になっていますね。
これだけ島が沢山あれば
多くの日でダイヤモンド某かにはなっていそうですが。
日没後は宿に戻って日中出歩いた分の埋め合わせをしました。
島でのテレワークは中々アリですね。
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