7:00、起床。
MSはかなり純度の高い鉄オタですが、
僕はインフラ関連全般に飛び付く節操の無いオタクなので
今日はまずレンタカーを借りて灯台を目指します。
秋めく岩手県道41号。
震災後付け替えたのか凄く高規格です。
…と思っていたら、唐突に快走路が終わりました。
これが岩手県道41号の本来の姿なんだろうな…
三陸海岸最大の半島である重茂半島を走ります。
交通量皆無かと思いきや意外と交通量がありますね。
山中をうねる岩手県道41号から更に脇道に入ります。
驚くほど隔絶された地にある姉吉集落。
現在の岩手県道41号に相当する道が開通する以前は
海路でしかアクセス出来なかったであろうことは
想像に難くありません。
だというのに、集落の標高は50m以上あって
漁港からはそこそこの距離があります。
これは東日本大震災以前からそうでした。
「高き住居は児孫の和楽 想え惨禍の大津波
此処より下に家を建てるな」
明治三陸地震と昭和三陸地震の津波で
当時海岸近くにあった姉吉集落は二度も全滅。
その後この大津浪記念碑が建てられ、
それ以降この碑より下に民家はありません。
そして、東日本大震災では大津浪記念碑の
僅か50m手前にまで津波が押し寄せ、
先人の警告が住民を救ったとして話題になりました。
78年もの時を経て教訓が活かされるとは、
それだけの期間きちんと守ってきた住民も凄いですね。
教訓によりがらんとした姉吉漁港。
漁業はあまり行われていないのでしょうか。
さて、レンタカーを借りた最大の目的は
「灯台を訪れる」ことでした。
姉吉漁港に車を停めてここからは歩きます。
徒歩片道3.7kmという屈指のアクセス難度を誇る灯台です。
まずはいきなりの急登。
一気に上がりましたね。
もう漁港があんなに下に見えます。
というこの位置まで津波が押し寄せたという恐怖。
灯台への道が一気に標高を上げてその後水平移動なのも
また津波が来た際の被害を最小限に抑える為でしょうか。
梢には浮き玉が引っ掛かっています。
これも津波で打ち上げられたものだとか。
県道沿いは紅葉真っ盛りみたいな感じでしたが、
こちらは全く色付いていませんね。
この辺りは親潮の勢力圏だと思うのですが、
それでも海沿いの方が暖かいのでしょうか。
これと言った難所も無いのでズンズン進みます。
他に人が殆ど居ないので熊だけは心配ですが。
視界が開けてきました。
辿り着きました、魹ヶ崎灯台です!
姉吉漁港から45分掛かりました。
中々に遠かった…
ヤマップでは1時間35分がコースタイムになっていますが、
一体どんな重装備を想定しているんですかね?
現代でさえ車道の通じていない魹ヶ崎灯台ですが、
その昔は灯台守がここに住んでいたとか。
どうやって生活していたのだろう…
残念ながら魹ヶ崎灯台の内部は公開していませんが、
敷地内には四阿があって訪問ノートも置かれています。
灯台にも駅ノートみたいなのがあるんですね。
今の時間帯は丁度上りのフェリーさんふらわあが見られる
…という案内があって海を凝視しましたが、
それらしき船影は発見出来ませんでした。
海岸の方も見てみます。
尾鷲を彷彿とさせる岩崖ですね。
いや、尾鷲以上でしょうか。
写真では規模感が伝わり難いですが、
この位置に立っているだけで股間がむずむずします。
そんな岩場の中にポツンと置かれているのがこれ。
本州最東端の碑です!
そう、宮古での半日を丸々費やしてここに来たのは
登れない魹ヶ崎灯台を外から見る為というよりは
本州最東端到達の称号を得る為です。
これほど辿り着き難い四極はここを措いて他にありません。
頑張って記念撮影したりなどしました。
それでは戻ります。
列車の時刻的に割とギリギリです。
…実はヤマップの標準コースタイム通りなら
絶対に間に合いませんでした。
そんな行程を組むなと言われそうですが。
何はともあれ急いで戻ります。
が、このお店がどうにも気になる…
重茂水産体験交流館えんやぁどっとか…
ヤマップの想定の倍の速度で飛ばして
少しだけ猶予が出来たので、中を覗いてみます。
重茂の名産だというウニやワカメが売られています。
ウニパスタとか美味しそうだな…
でも、冷凍じゃ持って帰れないしな…
という声が僕以外にもあったのか、
その場で解凍して食べさせてくれるサービスがありました。
これを逃すと昼食抜きになりそうだし、食べるしかない!
期待通り美味しいです。
勿論、ウニパスタも美味しいのですが、
サービスで食べ放題のワカメとメカブが特に良い。
やっぱり三陸の海の幸は最高ですね。
ワカメラーメンとかも気になるな…
ちなみに、ワカメは駐車場で干されていました。
一瞬、特殊な駐車スペースかと思った。
えんやぁどっとから頑張って運転して
何とか列車に間に合いました。
宮古駅から12:31発三陸鉄道リアス線普通釜石行きに乗車。
月曜日だからもう大丈夫だろうと思っていましたが、
今日もまだかなり混雑しています。
これは明らかにJR東日本パス勢ですね…
車内でMSと再開しました。
釜石駅で14:18発JR釜石線快速はまゆり6号盛岡行きに乗り換え。
そう言えば、明るい時間帯の釜石線は初めてです。
陸中大橋駅のΩループってこんな絶景だったんですね。
15:57、新花巻駅に到着。
新幹線接続駅とは思えない1面1線の駅です。
16:19発JR東北新幹線はやぶさ110号東京行きに乗り換え。
この車内でMSとは別れました。
17:21、仙台駅に到着。
ここからは本日第二の目的、仙台市営地下鉄の乗り潰しです。
学生時代東北大へ行く機会が遂に訪れなかったので
仙台市営地下鉄は一切乗ったことがありません。
八木山動物公園駅と…
荒井駅で東西線を乗り潰し…
泉中央駅と…
富沢駅で南北線も乗り潰して仙台市営地下鉄完乗です。
2路線しか無いし、地下で見処も無いので
特に書くようなことはありません…
更にもう一つだけ。
名取駅から19:59発仙台空港アクセス線
普通仙台空港行きに乗車。
20:09、仙台空港駅に到着。
という訳で、宮城県の鉄道を完全乗車し、
これにて東北地方の鉄道路線は制覇しました!
東北地方で最後の最後まで残ったことから明らかな通り、
一切お世話になったことのない仙台国際空港。
中部便は豊富に飛んでいるので、
東北旅行から直接帰省したい時には使える…のか?
お弁当でも買えないかと淡い期待を寄せましたが、
無惨にも打ち砕かれました。
まあ、20時過ぎならセントレアもこんなもんか…
20:45発仙台空港アクセス線普通仙台行きに乗車。
最終のはやぶさで帰ります。
仙台駅で21:31発JR東北新幹線
はやぶさ48号東京行きに乗り換え。
昨夜の盛岡駅では駅弁が全滅状態だったので
夕食を食べられるか危惧していましたが、
何とか牛たん弁当を確保出来ました。
加熱式なので厚切り牛タンをホカホカで食べられます。
駅弁って有難い。
この後は大宮駅から列車を乗り継いで帰宅します
…と思っていたのに、黒磯駅の上で止まってない?
今の時刻は…22:09か。
ええ!宇都宮駅で線路内発煙!?
昨日の山田線は鹿を撥ねるし、何なんだ今回は…
今日中に帰れるんだろうかという不安と、
大宮駅から乗り継ぐ電車が無くなったら
どういう対応になるんだろうかという興味が拮抗しています。
22:28、那須塩原駅まで運転を再開するとの放送が。
那須塩原駅「まで」…?
何か嫌な含みを持たせるな…
22:33、那須塩原駅に到着。
で、着いても扉は開かないという。
というか、良く見たらこれ上りじゃなくて下りホームですね。
一応今は東京まで運転を再開する心積もりだけど、
無理そうだったらここで乗客を降ろしちゃうか、
みたいな空気を感じます。
果たして、どっちに転ぶのか…
22:47、車掌が乗客の最終目的地を尋ねるとの放送有り。
そして、止まっている時間の長さからして
通常ダイヤのままなら今日中には帰れないことが確定。
並行在来線の東北本線ならまだしも、
無関係の中央本線なんか臨時列車も無いだろうし…
23:13に運転を再開。
最終目的地を尋ねるとは何だったのか。
東京駅で車内泊を行うと言っています。
でも、早朝5:10に締め出されるのか…
まあ、そもそもちゃんと寝られるかも怪しいけど。
どうしようかな…
23:47、やっとの思いで大宮駅に到着。
大宮や上野までの特急券であっても
東京駅まで行って良いとの案内はありましたが、
車内灯が消されるかも分からない新幹線の車内で
一夜(というか5時間)を過ごして即出社は辛い…
果たして帰宅出来るのか。
という賭けに出るのは端から諦めていて、
今日はもう大宮で泊まります。
消灯してフルフラットになる寝床には
お金を出す価値があります(登山並みの考え)
カプセルホテルならタクシーで帰るより安いし。
これはこれで貴重な体験ですね。
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