鉄道150周年記念東北旅行 第1日目

様々な場所でアピールされているので
ご存知の方も多いかと思いますが、
今年は日本の鉄道開業150周年です。
が、ここ数週間鉄道とは無縁の生活を送っていました。
しかし、鉄道会社が色々とお得な切符を出したりしているので
これを使わないのは勿体無い気もします。


という訳で、鉄道開業150年記念JR東日本パスで東北へ。
普段のJR東日本パスとは違って
特急や新幹線の自由席にも乗り放題、
更に指定席でも4回までOKという太っ腹仕様です。


東京からなら東北新幹線で古川駅まで往復すれば
元が取れてしまう価格設定ですが、
折角なので新青森駅まで来てみました。
JR東日本パスの影響かどうか定かではありませんが、
連休でもない割にはかなり賑わっています。


「JR東日本」パスなので北海道新幹線は範囲外ですが、
行きたい場所があるので別途切符を買って向かいます。
9:51発JR東北新幹線はやぶさ1号新函館北斗行きに乗り換え。


10:07、奥津軽いまべつ駅に到着。


再訪しました、日本一の秘境新幹線駅です。
相も変わらず何も無いですね…
流石に多くの観光客もここまでは来ない様子。
数人は居ますが。


秋めく道の駅いまべつ。
残念ながら記念切符はありませんでした。
発行基準が良く分からん…


4年前から何も変わっていないように見えて、
実は前回来た時とは一つ大きな違いがあって、
津軽二股駅を含むJR津軽線の末端区間が
今年8月の大雨によって長期運休になってしまいました。
双璧を成す下北半島のJR大湊線にも況して
最果て感の強い路線だったから大好きだったけど、
JR東日本にしてみれば正直
遂に廃止の口実が出来た!
という心持ちなんだろうな…


JR津軽線が瀕死状態なので、ここからはバスを使います。
10:35発今別町巡回バスに乗り換え。
津軽中里駅行きのバスは廃止されました。


三厩駅で11:00発外ヶ浜町営バスに乗り継ぎ。
何故かこちらの方が大きなバスです。
津軽半島の大合併構想が実現していたら
乗り継ぎ無しの一本で行けたんだろうか。


強風が吹き付ける海沿いを走ります。


11:32、青函トンネル記念館バス停に到着。


青函トンネル記念館にやって来ました。
ここでとあるツアーに参加するのがお目当てなのですが、
ホームページに載っていた繁忙期催行の11:55発の回が
今日はやっていないと言うではありませんか。
もう冬期扱いなの?
と思ったら、そもそも繁忙期というのは
ゴールデンウィークとお盆だけだそうです。
それならゴールデンウィークとお盆だけ催行と書いてくれ…

11:55発の次の回は12:20発なのですが、
昼食を食べたり周りを見たりというのを考えると
絶妙に都合の悪い時間帯です。
となると、更にその次は13:10発だけど、
これだとツアー終了が13:54で帰りのバスの3分前か…


受付のおばちゃんに訊ねたら
13:10発の回でもバスに間に合うとのことだったので、
その言葉を信じて先に龍飛崎を散策します。


「たっぴ」は結局龍飛と竜飛とどちらが正しいんですかね?
龍飛崎と中泊を結ぶ竜泊ラインは
「竜泊」表記と「龍泊」表記が混在しています。
どっちでも良いのかな。


懐かしの爆音津軽海峡冬景色装置も健在です。
個人的には、冬の暴風の中でも聴解可能なように
この爆音になっているのではないかと予想しています。


階段国道だって勿論健在。
前は国道なのに階段だ!なんて思ったりもしましたが、
今はこれだけきちんと整備されているなら
立派な国道格だなぁ…と思ってしまいます。
荒れ果てた登山道の国道とかもありますからね…


何はともあれ、9年振り(2013/8/14)の龍飛崎です!
前回は夏の真っ盛りでしたが、
今回は半島が赤く染まっています。


お気付きの方が多いかと思いますが、
上の写真は龍飛崎(周辺)から津軽半島を振り返ったものです。
では、龍飛崎の先端の方を見ると
どういう画になるかというとこうなります。
防衛省のレーダー基地で何も見えません。
龍飛崎ってこんな感じだったっけ…
龍飛崎は沿海州のロシア軍を抑え込む要衝中の要衝なので
軍事施設があるのは至極全うなことですが。


昼食は懐かしのホタテラーメン
…も迷いましたが、新メニューのマツカワガレイの漬け丼。
津軽らしい鹹めの胡麻ダレが淡白なカレイに良く合います。
エンガワも沢山入っているのが嬉しい。


さて、9年振りの龍飛崎を楽しんだら
いよいよ青函トンネル記念館です。
ケーブルカーに乗って海面下を目指します!
13:10発青函トンネル竜飛斜坑線に乗車。


美佐島駅(2016/12/23)や筒石駅(2022/2/25)と同じく
列車通過時の風圧対策なのか普段の線路は閉ざされており、
運行する時だけ仰々しい回転灯と共に
重そうな鉄扉が引き上げられます。


海底の世界へ出発進行!
ケーブルカーなのに2編成体制じゃなくて
1編成だけなんですね。
カウンターウェイトも無いのでしょうか。


2022/2/24にはこの竜飛斜坑線に乗ること無く
青森県の鉄道完乗宣言をしましたが、
あれはまたしても見落としていた…という訳ではなく、
果たしてこの竜飛斜坑線が乗り潰しの対象とするべき
「鉄道」に含まれるか?で悩んでいたのです。

鉄道事業法に於いて鉄道事業は
「鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業」
と定義されています。
ここで重要なのが「運送」という点。
明文化されている訳ではありませんが、
「ある地点から別の地点へ移動させる行為」
として扱われています。
何が言いたいかというと、
元の位置に戻って来てしまう乗り物は
鉄道事業として認められないのです。
だからこそ、赤沢森林鉄道は往復切符のみを売り、
ウエスタンリバー鉄道は周回運転をすることで
鉄道事業法の縛りを逃れているのです。

では、青函トンネル竜飛斜坑線はどうか?
これが往復切符しか売っていないのです。
ということは、鉄道事業法対象外で
有り体に言えばアトラクション扱いではないか?
と考えていたからこそ、
完全乗車には含めなくても良いと判断したのですが…
車内放送でキッパリと
「これは鉄道事業法に則る鉄道です」
と言い切られてしまいました。
じゃあ含めないと駄目か。


体験坑道駅に到着。
これで今度こそ青森県の鉄道は完全乗車しました!


海底下140mという、日本一どころか
世界一低い場所にある駅です。
これは元々青函トンネルを掘る際に
作業員や物資の輸送に用いられたもので、
現在では一部が資料館のようになっています。


駅の近くには銀チャリが並べられています。
長いトンネルを効率良く移動する為のものでしょう。
大型加速器なんかにも銀チャリが置いてあったりします。
ただ、何十kmもあるトンネルを銀チャリで移動するのか…?


ケーブルカーは元々トンネル建設工事の資材を運んでいたので
線路はトンネルの本坑まで繋がっていましたが、
現在ではもう使われていないようで大部分は朽ちるに任せています。


如何にもな地方の観光地感を漂わせる体験坑道へ。
この色でライトアップする必要はあったのだろうか。


青函トンネル掘削に用いられた器具が展示されています。
えっ、ツルハシやシャベルでも掘ってたの?
53.85kmあるトンネルを?


勿論、基本的にはボーリングマシンとかグラウトポンプとか、
当時の最新鋭の機械を惜しみなく投入した訳ですが、
土圧でマシンが動かなくなってしまった時などは
最終手段として本当に手掘りしたりもしたそうです。
根性あり過ぎというか最早ヤケクソでは…


海の底のトンネルということで気になるのは
掘っている途中に水が染み出してこないのか?
というところですが、
実際ガンガン湧いてきたそうです。
中でも昭和51年の大出水では85t/分も噴き出したとか。
温泉として日本一の湧出量を誇る別府温泉が
温泉郷全体の合計として80t/分なので、
それよりも激しい勢いで水が出たことになります。
工事を続けたのが信じ難い状況の写真ですね…
水自体は今でも延々と染み出し続けていて、
24時間休みなくポンプで排出しているそうです。


体験坑道のどん詰まり。
鉄格子に阻まれてここより先へは進めません。


嘗てはこの先へも行くことが出来ました。
あの頑丈な鉄扉の先にあるのは竜飛定点、
その昔の竜飛海底駅です。
平成25年までは観光列車が停車しており、
この体験坑道とケーブルカーを使って
青函トンネル記念館まで行くことも出来たそうです。
その都合で竜飛斜坑線は鉄道事業扱いなのかな?
北海道新幹線開通に先駆けて
竜飛海底駅の営業は廃止されましたが、
万が一青函トンネル内で事故があった際には
竜飛定点からこの体験坑道を通って
地上まで避難することもあり得るそうです。
体験してみたいような、みたくないような…


面白いツアーでした。
それでは地上に戻ります。


予定時刻より若干早めに終わって
帰りのバスには余裕で間に合いました。
13:57発外ヶ浜町営バスに乗車。


14:27、三厩駅に到着。
復路は往路より若干乗り継ぎ時間が長いので
三厩駅をちょっとだけ見学します。
このモミの大木も懐かしいな…


三厩駅が復活を遂げることは出来るのでしょうか。
あの只見線が復旧出来たのだから
地元自治体の本気度次第では不可能ではない…
と言いたいところだけど、
只見線は特例中の特例だよなぁ…


14:50発今別町巡回バスに乗り継ぎ。


奥津軽いまべつ駅で15:35発JR東北新幹線
はやぶさ34号東京行きに乗り換え。


15:50、新青森駅に到着。
まだ混んでいますね。
これは日帰り観光客の帰宅ラッシュ?
青森まで来て日帰りするのか…
まあ、乗り放題の切符なら帰って自宅で寝て
翌日また来た方が金銭面でお得、ということなのでしょうか。


16:19発JR奥羽本線普通青森行きに乗り換え。


16:25、青森駅に到着。
やっぱり何か人が多くない?
それとも、県庁所在地だから元々こんなもの?
僕が青森を見縊り過ぎなのかな…


ショボいことで有名だった青森駅駅舎(2018/7/26)
遂に建て替えが始まってしまいました。
あれはあれで本州の最果てらしくて良かったけどな…
…さっきから青森県民の感情を
逆撫でするような発言ばかりしているな。


さて、秋の青森県に来たからには
リンゴを外す訳にはいかないでしょう。
という訳で、青森駅隣のA-FACTORYに来ましたが…
アップルパイが全部売り切れじゃないか!


諦め切れないので、もう少し歩いて
観光物産館アスパムまで来ました。
ここで紅玉のアップルパイを入手。
焼きたてで滅茶苦茶美味しかったです。
流石は青森県民、どんなリンゴ製品にも
紅玉版が用意されているのは分かってらっしゃる。


A-FACTORYにも戻ってついつい買い込んでしまいました。
まだ1日目なのに散財してしまった…
青森県の魔力は凄いですね。
大好き。


17:23発青い森鉄道普通八戸行きに乗車。
今夜の宿に向かいます。


野辺地駅で18:14発JR大湊線普通大湊行きに乗り換え。
大湊線ってこんなに混むの!?
いや、これは流石に何かのイベントがあるのでは…


19:10、下北駅に到着。
本州最北の駅が今日の終着点です。
港の方で花火を打ち上げているので、
やっぱり何かイベントがあるようですね。


こんな時間に着いて夕食にありつけるか不安でしたが、
下北駅前は思ったより栄えていました。


宿はむつ市中心部にあるので、
駅から20分ほど歩いて田名部地区へ。
むつ市が本店だというご当地スーパーマエダで朝食を買います。


個人的に刺さった南部せんべいコーナー。
南部煎餅だけ焼菓子から独立して
一大ジャンルを築いているのが南部らしくて好き。
この後は宿でシードルを空けたりしてから寝ました。

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