道東旅行 第4日目

道東旅行第4日目。

6:30、起床。
今日は移動の日です。
たっぷり朝食を食べたら出発します。


8:15発ひがし北海道エクスプレスバス5号に乗車。
冬の道東を巡るのはとにかく大変です。
慣れていないとレンタカーは危ないし、
鉄道や路線バスはそもそも本数が少ない上に
風雪でしょっちゅう運休してしまいます。
(JR釧網本線は昨日から明日まで運休が決定)
それでいて観光地は道東スケールで散らばっています。
そんな冬の道東旅行の強い味方がこの
ひがし北海道エクスプレスバス。
道東の観光地に停車しながら
主要なホテルや空港を結んでくれるバスです。
実はこの便が今年の最終便。
今日はこれで移動しつつ観光もします。


ウトロを出てまずはオシンコシンの滝で停車。
大雪の中の滝も風情がありますね。


国道334号の旧道はこの滝の上を通っていたそうです。
俯瞰のオシンコシンの滝も見てみたかったな…


根北峠を越えて知床半島の南東岸に出ます。
この辺りは旧・国鉄根北線の遺構があるはずなのですが…
雪の所為なのか見逃しました。


北海道道950号を東南東へ進みます。
冬の今は海沿いの雪原の道にも見えますが、
この道はただの海沿いの道ではありません。
左手側だけでなく右手側も実は凍った海なのです。


ナラの木が立ち枯れたナラワラ。
この地を代表する景色の一つですが、
猛烈な潮風によって年々風化が進んでいるそうです。


まだ生きている木々も暴風で大きく曲げられています。
パタゴニアを彷彿とさせる景色ですね。
この場所の名は…


野付半島です!
全長26kmにも及ぶ日本最大の砂嘴で、
地理で習った記憶があるのではないでしょうか。
高校時代に地図帳でその存在を知って以来
いつか行ってみたいと思い続けてきたものの、
そもそも日本有数の鉄道空白地帯である根釧台地から
更に飛び出したほぼ無人の地帯なので、
公共交通機関で訪れるのが極めて困難なのです。
ひがし北海道エクスプレスバスの存在を知ったのも、
どうにかして野付半島へ来られないかと
調べていたのがきっかけです。


バスは野付半島ネイチャーセンターで2時間停車するので
その間にちょっとしたツアーに参加します。
普通に歩いているこの場所、実は海の上です。
アムール川の水が凍って流れてくる流氷とは違い、
水深が浅くて塩分の薄い野付湾は海そのものが凍ります。


遥か果てまで凍りついた海面。
これを水平線ならぬ氷平線として野付半島は売り出しています。
少し吹雪いているので尚のこと銀白の世界ですね。


このように一面真っ白だと遠近感覚が無くなるので
トリック写真を撮るのにうってつけ、
ということでじわじわと人気が高まりつつあります。
これはトリック写真でも何でもありませんが。


暫く遊んでいたら雲が晴れてきました。
日が出ると雪が日光を反射してとにかく眩しいです。


幾ら道東が寒いとはいえもう3月。
野付湾も少しずつ融け始めています。
ギリギリのところだったな…


氷平線を楽しんだらバスが出る前に
ネイチャーセンターで昼食にします。
厨房で完成させて配膳すると崩壊するからなのか、
えらく面倒臭い組み立てを要求してくる別海ジャンボホタテバーガーです。
これもまあ美味しいのですが、
実を言うと本当の目的はこのバーガーではなく…


セットで付いてくる別海牛乳です。
ジョッキで道産牛乳を飲む幸せよ。
STも道産牛乳の沼にハマっていました。


食後にまだ少し時間があったので
遊歩道でも歩いてみようかと思いましたが、
何処が遊歩道なのか全く判別が付かなかったので断念しました。
踏み抜いたら大変だし…


野付湾ではなく外洋側を見てみると、
沖合いに何やら陸地が見えています。
すぐにでも渡っていけそうな距離にあるあの陸地は…


国後島です。
この辺りが国後島に最も近い地点(約16km)なので、
そこまで天気が良くなくても余裕で見えます。


ということは勿論、ニコニコアザラシ君の
「返せ!北方領土」看板もあります。
根室市で見て以来ですね。


2時間の野付半島観光を終えたら、
お次は内陸部へと向かって摩周湖にやって来ました。
霧の摩周です。
ここもまた7年振りの懐かしの地ですね…


ひがし北海道エクスプレスバスは始発から終
点まで
乗り通す人ばかりではないので、
途中ちょこちょこ空港や駅にも寄ります。
摩周は駅と道の駅の両方に停まる厚遇仕様。
道の駅はお土産購入も兼ねて20分間停車してくれます。


僕等は20分間の停車時間を活かして足湯に浸かりました。
本当は「残念ながら足湯に浸かる時間は無いですよ」
と添乗員さんに言われていたのですが…


摩周駅からは国道241号で永山峠を越えます。
良くぞまあここに道を引こうと計画して
しかもそれを実現してしまったものだと感心せずにはいられないくらい、
ほぼ30kmにも渡って完全なる無人地帯を走る道です。
ここを冬場もきちんと通れるように整備しているというのもまた凄い。


という訳で、殆ど陸の孤島のような立地にある
阿寒湖温泉にやって来ました。
ここが今夜の宿です。
一刻も早く温泉に入りたいという気持ちが先行して
到着時の温泉街の写真はありませんが。
さあ、今日はもう温かい温泉に浸かってから寝るだけ…


と思っていたのですが、STがまさかの
夜の街に繰り出してお土産を買いたいと言い出しました。
外はいつの間にか吹雪に。
えっ、この暴風雪の中外出するの?


ヤクーツクで買った秘伝の防寒ズボンを穿いて
どうにか土産物屋の並ぶ通りまで来ましたが、
案の定全てのお店が堅く二重扉を閉ざしています。
そりゃそうだろ…


この後はパウダースノーの中を宿まで戻り、
温泉に浸かって暖を取りました。
露天風呂に浸かっていたら寒過ぎて
髪の毛と手拭いが比喩でなく本当に凍ってしまった…

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