道東旅行 第3日目

道東旅行第3日目。

7:00、起床。
冬の知床を独力で巡るのは厳しいのでツアーに参加します。
迎えに来た車に乗り込んでウトロ漁港へ。


まずは流氷ウォークをします。
ウトロは知床半島の北西岸で外海に面している為、
流氷が市街地の浜にまで押し寄せています。
その流氷の上をドライスーツを来て歩くのが
話題の流氷ウォークです。
流氷の上を歩くのでカメラはスタッフに預けるのですが、
僕のカメラはゴツ過ぎて拒否されてしまったので、
STのデジカメを託します。
万全の防寒対策を施したらいざ白銀の海へ。


流氷伝いに辿り着いた岩礁で記念撮影をしたり…


流氷の海を泳いだりと楽しみました。
ドライスーツを着ているとこの極寒のオホーツク海でも暑いですね…
とはいえ、普通の服で落ちたら10分と生きていられない海です。
氷の上に上がろうとしても氷が崩れてしまって中々上がれず、
面白さと同時に流氷の海の恐ろしさも感じたツアーでした。


ちなみに、後程陸から別のグループを撮った写真がこんな感じ。
一面流氷が敷き詰められた海の一角で
ちっぽけな人間がわちゃわちゃやっているというのは、
側から見るとシュールなちょっとシュールな光景ですね。


陸に上がったら道の駅うとろ・シリエトクで一休み。
パルキアのポケモンマンホールがありました。
流石は「地の果て」を意味するシリエトク(知床)、
伝説のポケモンが似合います。
そう言えばポケモンダイヤモンド・パールの舞台であるシンオウ地方は
北海道がモデルになっていましたね。
パルキアが出現するテンガン山は大雪山ですが。


道の駅で昼食を済ませたらウトロの町の南西にあるエゾシカ牧場へ。
ここに来たのはエゾシカを見る為
ではなく…


オオワシを見る為です。
ズームレンズは持ってきましたが、
60mm(35mm換算で120mm)ではどうしようもないので
ガイドさんのフィールドスコープにレンズを押し付けるという
超古典的な方法で撮影を試みます。
寒さで手が悴む中レンズを合わせるのは辛い…


フィールドスコープに押し付けて撮るなら
携帯電話の小さいレンズの方が有利です。
知床に一眼の居場所は無いのだろうか…
…いや、本来は防水対策をしたり
きちんと望遠レンズを取り付けた一眼が大活躍する場ですね。
そんな資金力は僕にはありませんが。
知床にはオオワシも飛来するそうなのですが、
残念ながら今日は姿を見られませんでした。


あっちへ行ったりこっちへ行ったりしていますが、
イーグルウォッチングを終えたら今度は北東へ向かい、
スノーシュー(かんじき)に履き替えて今度は山に入ります。
冬の知床の魅力は海にも山にも溢れているのです。
スノーシューを履いていると分かりにくいですが、
パウダースノーで1m以上積もっているので
普通の靴で歩いたりしたら肩まで埋まって地獄のラッセルです。
スノーシューは偉大ですね…


森に入ると風が収まり、
静寂のモノクロームな景色に包まれます。
そんな中でも耳を澄ますと…


エゾオオアカゲラが乾いた音を立てて
ミズナラを彫っています。
かなりガッツリ彫っていますが、
あれだけ体力を使ってエネルギー収支は赤字にならないんですかね?


暴風が吹き荒ぶ平原に出ました。
夏は草原にでもなるのでしょうか。
知床峠方面には毛布のような純白の雲が掛かっています。
…あれ?この雲、良く見てみると…


羅臼岳が隠れていたのか!
まるで山体が雲で出来ているかのような白さ。
麓までこれだけ真っ白な山は初めて見ました。
知床の冬の厳しさが垣間見えますね。
あの山頂にはどんな景色が広がっているのだろう…


山も良いですが、海側も壮観です。
人を寄せ付けない落差100mを超す崖に囲まれた入り江。
その一番奥に…


知床を代表する景色の一つフレペの滝があります。
穏やかに滴り落ちる姿から「乙女の涙」とも呼ばれる滝。
知床の厳しい寒さで完全に凍りついています。


この滝は地下水が断崖の割れ目から染み出して出来ており、
水がとても澄んでいるので氷瀑もまるで宝石のような青色です。


この地下水が何処から流れてきているかと言えば
背後に聳えるあの知床連山です。
純白の山脈が創り出す白縹の氷瀑。
まるで山が空を結晶化させたような…
時を忘れていつまでも見ていたくなります
…と言いたいところですが、
暴風が吹き荒れていて凍死しそうなのでそういう訳にもいきません。


凍死する前に帰ります。
冬の知床の日没は早い。
と思ったけど、そろそろ春分だからそこまででもないか


折れた梢から伸びる氷柱の先に水滴が付いています。
しかし、ここで不思議に思わないでしょうか?
辺りは日も照っていないし暴風が吹き荒れているしで
氷が融けるような要素は何一つありません。
実はこれ、単なる水じゃなくて樹液なんですね。
寒冷地に生える木は冬季に凍ってしまわないように
樹液の糖度が高くなっており、
このように滴る樹液が凍る際には
糖分の薄いところから段々凍っていって凝縮されていく為、
凍らずに残った先端の一滴には糖分がぎゅっと詰まっています。
舐めてみると仄かな甘味を感じました。
冬の知床を訪れた際は是非試してみて下さい。


海も山も楽しめて実に贅沢な一日だった…
夏にもまた来て違いを楽しんでみたいですね。


夜は北海道らしく鮭のルイベなどを頂きました。
ストロガニーナを思い出しますね。
景色といい、国内旅行とは思えないな…

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