日本縦断旅行第5日目。
小松スタートです。
5:45、起床。
小松駅に向かいます。
既に新幹線用のホームが完成しつつある小松駅東口。
土曜の朝だからか閑散としていますね。
上の写真の右端に何やら黄色い物があることに
気付いた方が居るかも知れませんが、
これは鉱山等で使われる超巨大重機です。
小松は小松製作所創業の地なのです。
小松さんが創業した訳では無いんですね。
7:02発JR北陸本線特急サンダーバード6号大阪行きに乗車。
新幹線を除いた中で最速の列車は何か?
という問に対しては、最速160km/hで走れる
京成スカイライナーを挙げる人が多そうですが、
スカイライナーは都内のごちゃごちゃした区間で
徐行運転を余儀無くされてしまうので、
全体として見た時にはそんなに速くありません。
始発駅から終着駅までのトータルの平均速度で測る
表定速度という観点に於いて在来線最速になるのは、
唯一100km/hの大台に乗るこのサンダーバードです。
(もっと言うとサンダーバード37号金沢行き)
速過ぎて一眠りしたら京都駅に着いていました。
福井県と滋賀県の記憶が全く無い…
9:02発JR奈良線みやこ路快速奈良行きに乗り換え。
木津川を渡ります。
宇治で抹茶でも…と少し思いましたが、
この時間では何処も開いていませんね。
木津駅で9:51発JR片町線快速塚口行きに乗り換え。
関西に馴染みのある人ほど
「片町線って何?」
と思うことでしょうが、
学研都市線と呼ばれているあの路線の本名です。
同志社大へ行く時に乗るやつですね。
いや、近鉄京都線を使うんだろうか。
まるで奈良県を避けるように大きく北へ迂回して
大阪へと向かいます。
これは別に奈良県に対する嫌がらせとかではなく
大体生駒山地の所為です。
京都府と大阪府は勿論スルーです。
京阪はどうせまたすぐに来る機会がありそうだし…
尼崎駅で11:21発JR東海道本線新快速姫路行きに乗り換え。
明石海峡大橋に当初の計画通り鉄道が通っていれば
日本縦断に四国を絡めることも出来たのにな…
姫路駅で12:20発JR山陽本線
特急スーパーはくと5号倉吉行きに乗り換え。
個人的に見た目が好きなHOT7000系。
富士重工(現・スバル)製です。
燃費悪そう(偏見)
こんなに広々とした運転席は初めて見た…
新幹線並みですね。
車両にはコンセントやWi-Fiも付いていたり先進的です。
1区間だけ乗って上郡駅で下車。
ここで降りたのは僕だけでした。
ここはまだJR山陽本線だしな…
降りてまず感じたこと。
暖かい!
一昨日の函館とは天と地の差です。
こういう気候の変化こそ縦断の醍醐味ですね。
上郡の名所らしい白旗城。
落ちないって言ってるけど名前が縁起悪過ぎない?
最初から白旗を揚げておけば落ちることはない
という逆転の発想でしょうか。
さて、乗り継ぎの為に上郡駅に戻ります。
ホームの端っこへ。
13:12発智頭急行普通智頭行きに乗り換え。
智頭急行は第三セクター鉄道ですが、
JRの駅からJRの駅へ向かう際に
智頭急行経由での乗車券を発行することが出来ます。
これを通過連絡運輸と言い、例えば東海地方では
浜松駅から愛知環状鉄道を経由して中津川駅までを
1枚の乗車券として買うことが出来ます。
但し、一般的に連絡運輸というのは
地域輸送を念頭に置いていることが多いので、
あまりにも長距離、例えば先の愛環の例で言えば
浜松より東や中津川より北の駅からの乗車券は
通しで発券することが出来ません。
しかし、中には数社だけどんな長距離であっても
通過連絡運輸を設定している会社があって、
そんな貴重な一例がこの智頭急行です。
実はえちごトキめき鉄道もそうなのですが、
2社通過する乗車券は出せないと言われてしまったので、
そちらはJR北陸新幹線経由で乗車券を買い、
改めてえちごトキめき鉄道の切符も買っています。
典型的な建設公団製の線形。
田んぼの中を仰々しい高架で貫いています。
ただ、智頭急行については先のスーパーはくとが
その性能をフルに発揮して鳥取-近畿山陽の
メインルートを担う原動力となっているので、
公団製にしては珍しくそのスペックが活かされています。
言うまでも無く特急列車運行が最重要命題なので、
普通列車はたっぷり余裕を持って交換待ちさせられます。
平福駅で交換待ちがあったので少し出てみました。
えらく立派な駅舎ですね。
珍駅名、宮本武蔵駅。
宮本武蔵生誕の地だというのが由来だそうです。
にしても人
名を、それもフルネームで駅名にする?
ちなみに、宮本武蔵駅の周囲はこんな感じです。
智頭急行はこの辺りだけ岡山県を走っています。
岡山県とは言っても岡山市より
鳥取市や姫路市の方がずっと近いですが。
行く手に雪山が見えてきました。
県境の山のようですね。
鳥取県に入ると一気に雪国になりました。
半日振りの日本海側ですね。
14:20、恋山形駅に到着。
「恋」の文字が入る珍しい駅名で、
駅名標もハート形になっています。
何もかもがピンクに塗られた強烈なインパクトの駅。
平成25年からこのような装飾が始まったのだとか。
県境に程近い山間のド田舎、
それも雪が積もる時期にこの駅はとにかく目立ちますね…
恋山形駅の外はこんな感じ。
実はこの恋山形駅、智頭急行の駅の中では
一番の秘境駅だとされています。
こうした恋人の聖地にしようという運動も、
一日あたりの平均利用者数が僅か2人で
「2人きりのロマンチックな駅!」
と売り出したのがきっかけです。
駅は谷筋よりも少し高い位置にあるので、
国道へ出る道はそこそこの急坂です。
この時期は凍り付いているものだから
下まで滑っていってしまいそうになりました。
そんな駅なので当然無人駅ですが、
駅を出て左手にある自動販売機では
恋山形駅グッズを買うことも出来ます。
降りると面倒だから特急の中からチラ見で良いかな…
と思ったそこの貴方!
標識によれば特急はこの駅を最速125km/hで通過するので
乗ったままではチラ見すら難しいかも知れません。
しかし、土休日に限っては僕が乗ってきたこの列車が
恋山形駅で25分間停車してくれるので、
手持ち無沙汰になったままずっと帰りの列車を待つ
という秘境駅にありがちな状況を避けることが出来ます。
まあ、カップルで来るならそっちの方が
雰囲気が出るのかも知れませんが。
山奥の小駅を激変させた駅名ですが、
その由来は
「来い山形(山形に来てくれ)」
を文字ったものだとか(山形はここの地名)。
地元の人が要望したそうです。
良くそれで通ったな…
てっきり地元の悲哀伝説か何かかと…
「恋」の漢字を使っている駅はあと3つ
(母恋、恋し浜、恋ヶ窪)あるそうです。
14:51、智頭駅に到着。
1時間ちょっと乗り継ぎ待ちがあるので出てみました。
地元スーパーでちょっと買い物をしたら
地元のお婆さん達が井戸端会議をしていたのですが、
因州弁の発音が尾張弁と似ていて驚きました。
しかも、「えらい」って鳥取県でも使うのか…
駐車場に停めてあった日産サニートラック。
鳥取県では未だに現役なんですね。
15:54発JR因美線普通鳥取行きに乗り換え。
千代川に沿って走ります。
この辺りが特急スーパーはくとの有名な撮影地だとか。
郡家駅で16:50発若桜鉄道普通若桜行きに乗り換え。
鳥取県もう一つの第三セクター鉄道です。
こちらは陰陽連絡線とかではなくて
地域輸送に終始する行き止まりのローカル線です。
本来は兵庫県の山陰本線八鹿駅まで抜けて
余部鉄橋をバイパスする路線にする計画でしたが。
第三セクターというと運賃がお高いイメージですが、
若桜鉄道の初乗り運賃はたったの100円です。
郡家-八頭高校前だけですが。
八東川沿いの雪原(水田)の中を走ります。
八鹿までって一体どういう経路の予定だったのだろう…
17:22、若桜駅に到着。
若「桜」なので注意しましょう。
若「狭」は福井県です。
嘗てはスギの運び出しで大いに栄えたという駅です。
その頃の名残なのか立派な木造駅舎です。
2両編成でやって来ましたが、ここで切り離して
折り返し17:29発と18:05発に分かれます。
17:29発若桜鉄道普通鳥取行きに乗り換え。
何故か車体にスズキのロゴが。
スズキGSX1300Rハヤブサがラッピングされています。
バイクには興味の無い僕でも知っている
史上最速のバイクの一つです。
スズキのバイクのラッピングがされているということは
HOT700
0系がスバル(富士重工)製だったように
この車両はスズキ製…かのように見えますが、
そうではありません(新潟鐵工所製)。
では、何故鉄道車両にバイクが描かれるのか?
17:52、隼駅に到着。
そう、ハヤブサ駅があるからです。
スズキの伝説的バイクと同じ名前を冠したこの駅は
いつの頃からかハヤブサ乗りの聖地となり、
ハヤブサラッピング列車が走るまでになったのです。
ライダーにアピールしても
若桜鉄道の収入は増えなさそうな気もするけど…
バイクオタクにとってハヤブサと言ったらGSX1300Rですが、
鉄オタにとってはやぶさと言ったら
東京と熊本を結んだブルートレインです。
実はそっちのはやぶさも展示されています。
コロナ禍前はライダーハウスとしても使われていたとか。
暗くなってきたところでやって来た下り列車を撮影。
暖かそうな車内灯ですね…
寒いので駅に戻ります。
18:30発若桜鉄道普通郡家行きに乗車。
郡家駅で18:50発JR因美線普通鳥取行きに乗り換え。
19:06、鳥取駅に到着。
相変わらず手動改札のままの鳥取駅。
鳥取に自動改札機が導入される日は来るのだろうか。
…来ないかもな。
幾ら何でも人が少な過ぎない?
土曜日とはいえまだ19時過ぎなのに…
空いている飲食店を見付けるのにも難儀しました。
鳥取ってここまで寂れていたっけ…
コメント