北海道縦断旅行第4日目。
6:50、起床。
珍しく同じ宿に2連泊して予備日まで設けましたが…
疑いようも無く欠航ですね。
実は一番最初の計画では島で一泊する予定だったところを
島の宿の主人に強い調子で諭されて変更したのですが、
流石に地元民の言うことは違いますね…
焼尻島への道は険しかった…
最早プランBどころかプランCですが、
島は潔く諦めて北上を再開します。
海は荒れ、風は哭き、
船どころか海沿いを走るミニバンですら
風に煽られてまともに走れません。
巨大なオロロン鳥(ウミガラス)の像に見送られて
羽幌町を後にします。
羽幌町(人口6,703人)も本州基準では小さなものですが、
この先には人口4,000人を超える町は
唯一つとして存在しません。
日本屈指の人口希薄地帯です。
観光スポットもほぼ存在しないので、
スタンプラリーがてら道の駅に寄ります。
まずは初山別村の豊岬にある
道の駅☆ロマン街道しょさんべつ。
「☆(ほし)」も含めて正式名称です。
何故そんなキラキラネームになっているかというと、
ここには日本最北の天文台である
しょさんべつ天文台が併設されているからです。
確かに、これだけ人が居なければ
綺麗な星空を観測出来ることでしょう。
我々4人は宇宙を研究する身なので
天文台に大興奮!
…なんてことは一切無く、
目で見える星に興味のある人間が誰も居ないので素通りします。
しかし、「日本最北の天文台」には
ロマンチックな響きがあって貴重な観光資源なのか、
マンホールの蓋にも描かれています。
初山別村のご当地マンホールって
立地的に滅茶苦茶拝みにくいし、
マンホールオタクの中では
レア物扱いされていたりするんだろうか。
もう一つ、豊岬にある観光スポットを見てみます。
金毘羅神社です。
波が荒くて波の花が舞っています。
あの鳥居と正対する崖に祠があるらしいのですが、
流石にこの状況では参拝出来ませんね…
まだまだ北へと走ります。
途中、ちょくちょく旧・国鉄羽幌線の廃線跡が見えます。
名羽線ほどではないにしても、
現状を見るとここに鉄道を通して
一体何処に駅を設けて誰が利用するんだろうか…
と思ってしまいますね。
まあ、利用者が居なかったからこそ廃止されたわけですが。
羽幌線の跡で風力発電をしていました。
宮崎リニア実験線跡地では太陽光発電でしたが、
暴風の吹き荒れるこの地だとやはり風力ですね。
しかも、1基は今正に羽根の取り付け中でした。
何もこんな暴風の日にやらなくても…
遠別町に入って道の駅えんべつ富士見に到着。
ここで言う「富士」とは勿論利尻富士のことです。
「ようこそ!別にそんな遠くないまち(大嘘)」
ここより遠い町とか、日本全国でも
数えるほどしかないんだよなぁ…
寧ろ「別格に遠いまち」と言った方が売りになるのでは。
これと言って観光地のようなものは無くて
次の天塩町の道の駅てしおに到着。
北海道の道の駅は自治体名を平仮名で書く決まりなんですかね?
初山別村はご当地マンホールでしたが、
ここはポケふたがありました。
北海道なのにシンオウ地方のポケモンじゃないのか…
道の駅の中は著作権の気になるパロディグッズで一杯です。
ここだけヴィレッジヴァンガード感が漂っています。
ご当地牛乳のカフェオレがあったので飲んでみました。
まだ宗谷総合振興局に入っていないからか
稚内牛乳ほどの濃厚さはありませんね。
それでも十分美味しいですが。
天塩町で留萌市からここまで
ずーっとひた走ってきた国道232号と別れて北海道道106号、
日本海オロロンラインの最北端を走ります。
28基もの巨大風車が真一文字に連なる
オトンルイ風力発電所は壮観です。
そう、ここは日本最北の湿原サロベツ原野。
民家も公共交通機関も一切存在しない無人地帯で、
ここを走りたい!というのが、
今回のこのドライブ旅を計画した
最大の動機の一つになっています。
歩行者も自動車も居らず、信号も無く、
地平の果てまで一直線で
道幅も十分ある舗装路という、
考え得る限り日本で最も走り易い道路ということで、
免許取得後2回しか運転していないという
ペーパードライバーHTに運転を替わります。
これで運転の楽しさを思い出して
これ以降の運転を全て引き受けるように…
…なるわけないか。
3km走って北緯45°に達したところで
HTは運転をリタイアしました。
崖など欠片も無いのに
原野のど真ん中に突如現れた覆道。
用途はお分かりでしょうか?
これは、逃げ場の無いサロベツ原野で
運悪く地吹雪に遭ってしまった際に逃げ込む為の
浜里パーキングシェルターです。
ただただ一直線。
デリニエータとアスファルトの他は
何一つ人工物の見当たらない文字通りの原野です。
利尻富士が麓だけ見えました。
今日は利尻島・礼文島も荒れ模様ですね。
ハートランドフェリーも全便欠航のようです。
今日泊まるのは豊富町なのですが、
焼尻島に行けなくなって時間が余っているので
このまま勢いで稚内市に突入します。
えっ、ここ津波来るの!?
…と周知されたところで
一体何処に逃げろと言うのだろう。
天塩町を発って早52km、
初めて集落が現れました。
あの抜海駅が最寄りの抜海集落です。
結構大きい集落なんですね(感覚麻痺)
やっとこさ稚内駅に辿り着きました。
前と全く変わっていないですね…
駅前の食堂で遅めの昼食。
卵とじの味が強過ぎて
ちょっとカニの風味が損なわれているような…
ともあれ、エビフリーの食事を久し振りに食べた気がする。
宗谷岬は後のお楽しみに取っておくとして、
今日は(スタンプ台もある)ノシャップ岬に来てみました。
2年振りの再訪。
ここへ来て晴れてくれましたが、
残念ながらサハリンは見えませんでした。
そして、やっぱりシカはいます。
ヒグマを求めるYYさんは不満そうですが。
自動車の目の前を不意に横切ったりするので、
運転中はかなり危ないです。
稚内の車校では野良鹿の対処法とか習うんだろうか。
さて、稚内に来たからにはあれは外せません。
そう、稚内牛乳です!
5年前初めて飲んだ時の衝撃が忘れられず、
それ以来稚内を訪れる度に飲んでいるのです。
お土産も買いたいので早速稚内副港市場へ。
…えっ。
ええっ!?
稚内副港市場がもぬけの殻に!?
何と、経営不振を理由に今年3月一杯で
ほぼ全ての店舗が閉店してしまったのだそうです。
何という…
まあ、稚内牛乳自体が廃業したわけではないのが
せめてもの救いか…
気を取り直して稚内駅併設の土産物屋へ。
1個4,320円もするウニの缶詰に驚いたりしていたら…
あっ、稚内牛乳じゃないか!
勿論、視界に入った瞬間即購入。
嗚呼、このクリーム一歩手前の濃厚さ…
最果てまでやって来た旅人への祝報ですね…
天候が回復したので日没が見られないかと
夕日が丘展望台に来てみましたが、
タッチの差で日が沈み切ってしまいました。
笠を被った利尻島のシルエットは綺麗ですが。
あまりにも風が強いので感慨に耽る余裕はありませんが。
前述の通り、今夜の宿は稚内市ではなく
南隣の豊富町なので、
真っ暗にならない内にサロベツ原野50kmを走破します。
何とか日本最北の温泉郷豊富温泉に到着。
GoToトラベルキャンペーンを利用して
ちょっとお高い宿に泊まってみました。
地元のバターをふんだんに使った料理が最高に美味しい!
この豊富温泉、石油の試掘中に湧いた所為で
原油が混じっているという極めて珍しい泉質で、
仄かに石油の香りが漂うオイリーな温泉です。
乾燥する北国では有難いですね。
長距離運転する旅行者が多いからなのか
本棚に頭文字Dが揃っていたので、
明日以降の運転に備えて勉強しておきました。
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