サイクリスト憧れの日本三大名道。
国道としての最高地点、渋峠。
自転車で走れる最高地点、乗鞍。
そして…
激坂の殿堂、美ヶ原。
山に魅せられた院生2人が自転車担いで
再び聖地長野県にやって来ました。
討つぞ、美ヶ原!
5:00、起床。
昨夜は0時半就寝だったので眠くて堪りませんが、
今日は午後から天気が崩れる予報だったので早めに出ます。
準備を済ませて6:07に出発。
物理学会以来の松本城。
人も疎らな松本市街を抜けます。
浅間温泉からいよいよヒルクライムの開始です。
浅間温泉は松本盆地の縁に位置しており、
ここを過ぎると急激に勾配が増す、
と話には聞いていたのですが、如何ほどのものか…
これはヤバい!
最大で斜度20%を超える激坂が止めどなく続き、
あの体力自慢のFAを以ってしても1kmも走らずダウン。
目眩や耳鳴りさえしてきます。
美ヶ原の恐ろしいのは、この凄まじい激坂が
4kmにも渡って延々と続くところなのです。
これは流石に無謀過ぎたか…?
休み休み漕いではみるものの、
あまりの斜度に踏ん張ると前輪が浮き上がり、
最早押して歩いた方が早いことに気付いてしまい、
別に大会を目指しているわけじゃないんだし…
と自分を言い聞かせて手押しします。
(大会でさえ一般の部では半数近くが手押しするそうですが。)
一番の激坂区間である美鈴湖までを抜けました。
この先は嘗て有料道路だった林道美ヶ原線で、
ここまでの激坂ほどではなくなると聞いていましたが…
とは言え、相当な斜度であることに変わりはありません。
平均で7%強、10%超えも当たり前の勾配が12km続きます。
美鈴湖までを思えば天国みたいな赦さですが。
死にそうになりながら林道美ヶ原線の終点に到着。
疲れた…
展望も殆ど無いし…
しかし、まだここで終わりではありません。
遂に森林限界を超えたぞ!
ここまで来れば道はおおよそ平坦になります。
車道の終点である美ヶ原自然保護センターに到着。
既にかなり疲労が脚に溜まっている…
しかし、実はここは中間地点ですらないのです。
ここからは未舗装路になります。
ロードバイクには辛い。
長野県のほぼ中央に位置し、
他の山に比べるとなだらかな美ヶ原は
電波塔の建設には持って来いの土地なので、
頂上にはテレビ局、JR、電力会社の電波塔が
所狭しと犇きあっています。
実は日本百名山にも選ばれている美ヶ原。
しかし、「原」と名前が付いていることからも分かる通り
頂上部は平坦になっています。
自転車で駆け抜けるととっても気持ち良い
…と言いたいところですが、
路面が荒れているのでロードバイクには乗れません。
今はただのお荷物と化しています。
美ヶ原のシンボルである美しの塔。
美ヶ原は濃霧が発生しやすい為、
鐘の音で場所を知らせる霧鐘が付けられています。
お昼時なので山小屋で昼食にします。
長野名物の山賊焼きです。
さて、美ヶ原の未舗装区間を抜けたので
ロードバイクの本領再発揮です。
ここからはビーナスラインを走ります。
ここからはもう九十九折りを爽快に下っていくだけ…
なら良いのですが、
普通にまだまだ登り返しがあります。
単体でもそこそこキツいというのに、
美ヶ原のあの激坂の後となると脚が…
果てしなく続く起伏。
風景としては綺麗ですが、
これを自分の脚で走っていくとなると話は別です。
和田峠を越えると再び草原が広がり、
勾配も緩くなってきました。
ゴールはもうすぐです。
着いたぞー!
本日のゴール地点である霧ヶ峰です!
実はここも日本百名山だったり。
今日一日で自転車を使って2座も制覇してしまいました。
しかし、霧ヶ峰と言うと山よりも
エアコンを思い浮かべる人の方が多いことでしょう。
元々は涼しいイメージの霧ヶ峰に肖って名付けられたそうですが、
今となっては立場が逆転して、寧ろエアコンのイメージから
涼しい場所を連想させているような気さえします。
霧ヶ峰は日本でのグライダー発祥の地でもあるそうで、
グライダーの格納庫兼資料館もありました。
グライダーならこの大変な山道もひとっ飛びなのかな…
今日は一日中地にへばり付いて歯を食いしばってきたので、
宿に入って早めに寝ました。
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