(無題)

下北旅行第3日目。

6:32、起床。
朝風呂を浴び、海鮮盛り沢山の朝食を食べてから
今日もまた太平洋沿いに走ります。


今日も良い天気です。
尻屋集落の人々は布海苔採集に出掛けているのでしょうか。
大畑からは青森県道4号で内陸に入ります。


やって来たのは薬研温泉。
本来は下北半島の秘湯をチラッと見て
次に行こうかと思っていたのですが、
パンフレットに面白そうなものを見付けてしまったので
大畑ヒバ施業実験林を歩いてみる事に。
ここは人為的にある程度の木を伐る択伐をする事によって、
全く人の手を加えない天然林よりも
寧ろ健全な森林が実現するという理論を
実証する為の実験林なんだとか。
但し、僕は農学部ではないので
本当に興味があるのは実験林ではなく…


この廃線跡の方です。
ここには嘗て大畑森林鉄道という
全長60kmにも及ぶ森林鉄道が延びていたのだとか。
と言うと、どうせ入念に下調べして
今回の旅行はこれがメインで来たんだろ?
とか言われそうですが、
これは本当に偶然見付けました。
というか、僕は森林鉄道をあまり把握していないので
赤沢森林鉄道以外の森林鉄道跡は
基本的に偶然見付けています。


全国各地のヒバが並んでいます。
ヒバ名人なら利きヒバ出来るんだろうか。


森林鉄道にしてはかなり立派な軌道です。
軌間も1,065mmあります。
そのくらい需要があったという事でしょうか。
嘗ては薬研温泉に来る観光客も
便乗させていた時期があったそうです。


巨岩に刳り貫かれたトンネル。
火薬もコンクリートも使わず手掘りで掘られた
と解説されていましたが、
現在は安全上の理由からか
コンクリートが吹き付けられています。


くの字形に中で折れ曲がっているらしく、
中を覗いても光は一切見えません。
えらく車両限界が大きいな…
本当に現役当時からこの大きさだったんだろうか。


この付近は薬研温泉の中でも更に奥まった
奥薬研と呼ばれる地域で、
今では温泉旅館は存在しません。
バス停も廃止されてしまいました。


しかし、温泉に入る事自体は出来ます。
この川沿いの露天風呂かっぱの湯は何と入浴無料。
それなのにかなり綺麗で整備が行き届いています。
その代わり、近くの橋から丸見えですが…
近くのレストハウスに有料の露天風呂もあり、
そちらは外から見えないようになっているのでご安心を。
さて、薬研温泉は本目的地ではないので次に進みます。
曲がりくねった細い山道を延々上り、
峠を越えて今度は延々下っていくと…


三途の川が現れました。
という事は、この橋の先はあの世です。
でも、三途の川って橋は架かっているんだっけ?


三途の川を渡って着きました。
日本三大霊場の一つ、恐山です。
恐山というから山頂にあるように思えますが、
実際は山にぽっかり空いたカルデラ湖の畔です。
正式には5月から開山するのですが、
霊界も現世の荒波には抗えないのか
ゴールデンウィーク期間は仮開山という形で
参拝出来るようになっています。
今年は4/21~4/30が仮開山期間。
毎年必ずやるとは思うのですが、
期間については前日くらいにならないと発表されません。
津軽の青森県民を含む殆どの日本国民にとって恐山は
「あっ、仮開山するんだぁ。明日行ってみよ!」
なんて気軽に行ける距離ではないんだよなぁ…


恐山には4つの浴場があり、
一般の参拝者でも浸かる事が出来ます。
中を覗くまでもなく熱そうな雰囲気が伝わってきますね。


本堂の裏手には荒涼たる景色が広がっています。
ここで「地獄巡り」が出来るそうなのでしてみます。


無間地獄。
いきなり最下層の地獄が現れるのか…


血の池地獄。
と思いきや、どうやら八大地獄を巡るのではないようですね。


重罪地獄。
重罪以外で地獄に落とされることはあるのだろうか…
この重罪地獄という地獄、
調べてみても恐山以外出て来ず、
正体が何なのか分かりません。


金掘地獄。
これについても同上です。
下北半島には金山があったそうなので、
そこでの労働の過酷さを象徴したものでしょうか。
佐渡の水替人足なんかは特に有名だし…


修羅王地獄。
これもまた恐山オリジナルの地獄です。
何か争っている地獄なのでしょうか?


そんな数々の地獄の中で
罪人に慈愛の眼差しを向けられる観音様。


やけに白い砂が初夏の日差しを眩しく反射して色彩感覚を奪い、
現実離れしたかのような感覚を覚えます。
これで火山ガスやら温泉やらが噴き出していたら
昔の人がここを地獄だと思ったのも肯けるな…
恐山は下北半島のかなり奥地にあり、
帰るのにも時間が掛かるのでそろそろ出ます。


途中にあった道の駅よこはまで昼食。
この辺りはホタテが名産だということでホタテフライカレーです。


もう一つ、下北半島の横浜と言えば
菜の花畑が有名なのですが、
これをじっくり見ているだけの時間は無いので
車内から流し見する程度に留めます。


ただ、ちょっとだけ調べてみたら
すぐにJR大湊線の列車が来ることが判明したので
少しだけ撮り鉄すべく吹越駅に来てみました。


防風林に囲まれた吹越駅に停まる列車。


うーん、出来れば菜の花畑の中を
走り抜けていくような画が欲しかったけど…


六ヶ所村でもう1ヶ所だけ寄り道します。
昨日小川原湖周辺の案内地図を見た時に載っていた
とあるものを見ようと車を走らせているのですが…
本当にこんな獣道に毛が生えたような道の先にあるのか…?


あった!
小川原湖の出口に位置するマテ小屋です。
あの小さな小屋に待機して網を張り、
引っ掛かった魚を釣り上げていたとか。
今ではこの方式の漁は行われていないそうですが。


帰りの新幹線の時刻が迫っているので、
東北防衛局管理地の中を急ぎます。
ん?何だかゴウゴウと轟音が響いているような…


休憩がてら公園で停まってみました。
やはりどこからか轟音が聞こえる…


あっ、あれは戦闘機!
どうやら三沢基地で航空ショーをやっているようです。
しまった、もう少し下調べしておけば良かったかな…
まあ、ゴールデンウィークの航空ショーなんて大混雑か。


八戸市まで戻ってきました。
八食センターでお土産を購入。
八戸の特産品が所狭しと並べられていて
見ているだけでも楽しいです。
帰りの新幹線の車内でつまむ用の肴も買い込みました。


八戸駅でレンタカーを返却。


青森県と言えばリンゴ、八戸市と言えばサバ、
ということで、土産物屋にサバップルなるパイが。
流石にこれはゲテモノ作りの名古屋市民もドン引きの暴挙では。
どんな味なのか気にはなる…
けど、普通にリンゴとサバとして食べたい…
結局購入は見合わせました。


16:16発東北新幹線はやぶさ30号に乗車。
東京へと戻りました。
やはり青森県は良いなぁ…

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