今日から三連休。
という訳で、勿論東京を出ます。
先週登山したばかりだろ!と言われそうですが…
6:42発JR常磐線快速上野行きに乗車。
上野駅で親と合流して
7:18発東北新幹線やまびこ123号仙台行きに乗り換え。
東京から気軽に行ける観光地と言ったらやはり東北ですね。
8:48、福島駅に到着。
ここで一旦親と別れて鉄道に乗ります。
9:03発阿武隈急行富野行きに乗車。
阿武隈急行はその名の通り阿武隈川沿いを走る鉄道。
元々は東北本線のバイパス線として計画されたものの、
東北本線自体が複線電化された所為で存在価値が無くなり、
盲腸線状態のまま工事が凍結。
そこに地元自治体が乗り出して第三セクター化し、
全線開通に漕ぎ着けたという過去を持ちます。
東北地方は鉄道に対して相当思い入れがあるらしく、
北海道や九州と違って国鉄の廃止路線は
ほぼ全て第三セクター化して全線開通させています。
沿線は果物栽培が盛んらしく、
各駅に「りんごの里」や「ももの里」などの
キャッチフレーズが付けられています。
阿武隈急行線ではないですが、
一昨年からフルーティアふくしまも走り始めましたね。
果物だけでなく稲作も盛んです。
その所為なのか…
二井田(にいだ)駅の隣が…
新田(にった)駅だったりします。
紛らわし過ぎる。
9:38、やながわ希望の森公園前駅に到着。
駅名が長過ぎて駅名標がダブルサイズになっています。
ここのキャッチフレーズは「桜の園」。
駅名にもなったやながわ希望の森公園は
駅から0.8kmで徒歩0分だとか。
瞬間移動出来るんだろうか。
駅舎の裏手には野良猫が集まっていました。
野良猫の巣になっているのでしょうか。
やながわ希望の森公園前駅外観。
無人駅なのにえらく立派ですが、
これは駅舎と言いつつ実際は食堂になっているからです。
周りを歩いている人は皆無ですが、
中ではおばちゃんが開店の準備をしていました。
さて、やながわ希望の森公園は鉄の間ではちょっと有名で、
やながわ希望の森公園前駅の前にある西口駅から
蒸気機関車に乗って公園まで向かう事が出来ます。
公園にSLがある事自体はそこまで珍しくないですが、
周回や往復ではなく片道乗車が可能な、
移動手段としてのSLがあるのは極めて異例です。
確か、片道乗車が出来るようになると
遊具ではなく交通機関扱いになって
法律がかなり厳しくなる筈なので。
軌道の両端にはSLの方向転換の為の
回転台(ターンテーブル)も設けられており、
かなり本格的な設備が整っています。
そして、何より驚くべき事は
この路線が廃止された森林鉄道の転用などではなく、
公園開業に伴って新設されたものだというところでしょう。
やっぱり、東北の鉄道信仰は凄い。
春には沿線が一面桜に覆われるとか。
それで駅のキャッチフレーズも桜の園なんですね。
残念ながら今は秋だし、小雨の影響かSLは運休中だし、
そもそも時間が合わないので戻ります。
この時刻表、ネットを幾ら探しても出て来ないんだけど
これくらいは公式サイトに載せるべきなのでは…
10:13発阿武隈急行槻木行きに乗車。
何かラッピングされています。
車内放送も何かの声優の声です。
富野駅を過ぎると急に民家が減って県境を越えます。
ここからは宮城県です。
槻木駅で11:13発JR東北本線
快速仙台シティラビット2号福島行きに乗り換え。
11:31、白石駅に到着。
ホームに何やら煉瓦造りの小屋があって
白石驛ギャラリーなる展示コーナーになっていました。
ここで、福島からレンタカーで来ていた親と合流。
白石は白石城の城下町として発展した街。
街中にはお堀が今も残っています。
昼食は白石名物だという温麺(うーめん)。
温麺(冷)とかいう謎メニューもありましたが、
ここは素直にシンプルなものを…
と思ったものの、麻婆温麺に惹かれてそのまま注文。
そこまで期待していませんでしたが、
本格派の麻婆と和風の汁が相俟って
想像以上の美味しさでした。
賭けに勝った気分。
温麺屋の近くに武家屋敷があるとの事だったので、
ついでに寄ってみる事にしました。
白石の武家屋敷は一体どんな立派なお屋敷なのか…
ふむふむ、玄関周りは木々に囲まれていて…
小さめの台所があって…
八畳くらいの茶の間があって…
…えっ、終わりなの!?
何でも、給料があまり良くなかったらしく、
現代東京並みの大きさの家しか建てられなかったのだとか。
周りの民家の方が遥かに立派なんだけど…
庭には水路に通じる階段がありました。
逃走経路として確保しているのか、
釣りでもするつもりだったのか。
街中を歩いていたら見付けた石。
神石白石だそうです。
そう、何を隠そうこの石こそが「白石」の名の由来。
街の名前になるにしては小さいような…
ただ、地上に顔を出している部分はこんなものですが、
地下では遥か彼方の仙台まで繋がっている言われているとか。
何故仙台だと思ったんだろうか。
白石城で何やらコスプレ大会みたいな事もしていましたが、
特に興味無いので白石市の端っこにある景勝地に向かいます。
材木岩公園にやってきました。
ここは嘗て羽州街道と奥州街道を結ぶ街道が通っていて、
宿場町として栄えました。
公園にはその時の民家も残されています。
武家屋敷よりもよっぽど立派ですね。
そして、公園の名前になっている材木岩がこれ。
見事な柱状節理です。
材木のような形をしているから材木岩?
その下にはあたかも材木を伐り出したかのように
岩が折れて転がっています。
その内全部崩れてしまうのでしょうか。
材木岩公園はその正式名称を
「材木岩・水と石との語らいの公園」と言い、
巨大な岩を使った噴水などが置かれています。
支柱部分は材木岩を模しているけど、
上に載っている岩が何ともワイルドだな…
そして、この材木岩公園にはもう一つ見所があります。
それがこの氷室です。
嘗て冷蔵庫など存在しなかった時代、
物を冷蔵保存するのは至難の業でした。
そんな時、山肌から噴出する冷気を利用して
天然の冷蔵庫として造られたのがこの氷室です。
ちなみに、冷蔵されていたのは食べ物ではなく
蚕の卵が産み付けられた紙、蚕種紙だったとか。
ここに限らず、日本各地にあった氷室はその殆どが
専ら蚕種紙冷蔵の為に使われていました。
冷気が噴出する穴。
ひんやりしています。
外気温は17℃ほどですが、氷室の中は12℃になっています。
冬は逆に氷室の中の方が暖かくなるとか。
昔の人にしてみれば画期的な建物だったんだろうな…
街道を更に進むとダムがあり、
七ヶ宿湖が現れました。
仙台の水瓶です。
対岸にある細い道が気になる。
自転車で走ってみたいな…
このダム湖、10時から16時まで毎正時に噴水が噴き上がるそうです。
高さ77mって結構凄い。
残念ながら次の噴出は30分後なので見られませんでしたが。
こんな場所にえらいバブリーな設備があるんだな…
設置されたのは平成2年だそうなのでバブル絶頂期ですね。
そんなバブリーな湖の畔にある道の駅七ヶ宿。
愛知県民も吃驚の巨大な駐車場です。
ちなみに、ここまで散々出て来た「七ヶ宿」は
一切濁らずに「しちかしゅく」と読みます。
読み難い。
七ヶ宿から国道457号で北上して、
蔵王山麓にある今夜の宿に辿り着きました。
珍しく16時前に宿入り。
温泉で選んだ宿なので温泉を満喫します。
ここは蔵湯という、蔵を改造したお風呂が有名。
お風呂に向かうまでの廊下からして
まるで何かのテーマパークのような非現実感があります。
これが蔵湯。
簀の子が敷かれた中にでんと浴槽があって、
更衣室もシャワーも何も無し。
別府の高等温泉宜しく浴槽の真ん前で服を脱ぎます。
山小屋にも似たこの隠れ家感が何とも良い。
この後はお腹がはち切れんばかりの夕食を頂いてから寝ました。
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