(無題)

夏学旅行第2日目。
今日は大雨の中日本海の孤島を目指します。

5:00、起床。
朝食を済ませて駅へと向かいます。
今日は雨か…
お隣秋田県は昨日からの豪雨で
大変な事になっているらしいので、
普通の雨くらいで文句は言っていられませんが。


駅への道すがらにあった巨大な仏像。
仏壇店の宣伝のようです。
ちゃっかり賽銭箱も置かれています。


南長井駅から6:01発山形鉄道フラワー長井線赤湯行きに乗車。
始発列車です。
赤湯駅でお世話になった駅員さんも
この南長井駅から同じ列車に乗っていました。


雨に濡れる田んぼの中を走ります。


今泉駅で6:32発JR米坂線普通坂町行きに乗り換え。
この米坂線もまた運転本数の少ない曲者です。
この列車を逃すと、次に県境を越えられる
列車が来るのは4時間半後です。


米坂線は一度乗った事がありますが、
あの時は日没後だったのでこれが初めてのような感覚。
赤芝峡や荒川峡を縫って走ります。


坂町駅で8:45発JR羽越本線普通村上行きに乗り換え。


8:53、岩船町駅に到着。


融雪剤で赤茶けた新潟らしい道を歩きます。
今日乗る船が出る岩船港は最寄りの岩船町駅から
3kmほどあるにも関わらず路線バスは無く、
村上駅からの乗合タクシー(700円)しかありません。
(岩船港で調べたら、村上駅から
港まで徒歩10分の岩船上大町まで
村上市営バスが走っているそうです。)
なので、タクシーの運賃をケチって歩く事に。
大雨というほどではないですが、
歩くほどに雨足が強くなってきます。


大きな魚の干物が連なる土産物屋など、
昔ながらの町並みです。
この辺りで益々雨が強まってきてズボンがびしょ濡れに。
早く港に辿り着かなければ…


30分ほど歩いて岩船港に到着。
ここの待合室で乗船券を購入します。


10:00発粟島汽船フェリーあわしまに乗船。
釣り客っぽい人が多いです。


視界が霞むほどの大雨の中出航。
ちなみに、船はフェリーと高速船の二つあるのですが、
この後の高速船は天候急変の為に欠航するそうです。
高速船は就航率が低いというのは周知の事実だけど、
この船は大丈夫なんだろうな…
酔わないように寝ます。


11:28、粟島港に到着。
村上の沖合に浮かぶ日本海の孤島、粟島です!
かなり揺れたし、吐いている人も居たし、
激しい波の音で何度か起こされましたが、
何とか無事に辿り着きました。
船酔いはしていません。


港の観光案内所には島内の飲食店情報が。
離島の飲食店は不定休が多いから、
この情報は地味に有難い。
ロッカーに荷物を預け、まずは昼食を摂りに向かいます。


粟島と言えばこのわっぱ煮!
わっぱというのは木の板を曲げて作った器、
所謂曲げわっぱの事で、
その中に焼き魚入り味噌汁が注がれています。
しかし、その特徴は何と言っても
魚と一緒に入っている巨大な石。


赤熱させた石を直に器に入れ煮立たせるという、
この上無く豪快な漁師飯なのです。
恐らく、漁を終えて浜辺で魚を焼いた漁師が、
「折角なら汁にして食べたいなぁ…
でも、鍋を持ってくるのは面倒臭いし、
曲げわっぱを直火にかける訳にもいかないし…
そうだ!魚を焼いた時に熱くなった浜辺の石を入れて
曲げわっぱの中で煮ちゃえば楽じゃん!」
と言って作ったのが始まり
…だと僕は考えています。
それにしても美味しい!
焼き魚の香ばしさがとても良い。
そして、付け合わせながら
これも粟島名産のジャガイモがまた美味しい。
いやぁ、良いですなぁ…
元気を得たら観光に繰り出します。


東北電力粟島火力発電所。
粟島は本土から20km以上離れた絶海の孤島の為、
島内で使われる電気はここで作られています。


弁天岩。
港を出てすぐに目に入る港の守り神です。
さて、粟のように小さく見えるから粟島とはいえ
周囲23kmの島を徒歩で巡るのは厳しいので、
観光協会で自転車を借りる事にします。
雨が降ってはいるけど小雨だし、
こんな事もあろうかとワンゲル用の合羽を持ってきたのだ!


……
雨が強まってしまった…
加工場の軒先で暫し雨宿りするも、
雨の弱まる気配はありません。
諦めて集落に戻るべきか…?


しかし、ここで戻ったところでやる事は無いので、
大雨の中を特攻します。
雨の中バーベキューしている人も居るな…


雨の中、勾配10%の坂を上ります。
自分は一体何をしているのか。
しかし、ワンゲル部の藪漕ぎに比べたら何でもない…!
辞めてはしまったけど、ワンゲル部だっま半年間は
僕の人生に多大な影響を及ぼしているな…
良い影響なのか悪い影響なのかは分からないけど。
くそー、藪漕ぎの所為で合羽が透水性になってる。


一つ目の展望台に辿り着きました。
粟島最北端の鳥崎です。


景色はこんな感じ。
崖の上まで出てきたので風が強いです。


大浦。
舟隠という地名もあったりするので、
悪天候時はこういう場所に舟を避難させたのでしょうか。
今みたいな天候の時は。


八ツ崎。
藪漕ぎして先っぽを目指したく…はならないかな。


まだまだ先を目指します。
段々楽しくなってきた。


仏崎。
粟島一の景色が望める展望台です。
島の上半分が雲隠れしていますね。
晴れていれば爽快な道だったろうになぁ…
これはこれで面白いですが。
ここより先へ進むと島中央部の山道を越える事になるので
ここで引き返す事にしました。
下り坂でスピードが出ると目に雨が入る!


あれ、行きは気付かなかったけど、
こんなところに岩があったんだな。


風雨の中登ってみました。
精神状態がおかしくなっていますね。
そろそろ戻るか…


17:00発粟島汽船フェリーあわしまに乗船。
揺れそうなので寝ます。


18:28、岩船港に到着。
今度はバスを使います。


観光地化されているでもなく、
純粋に昔の姿を留める町並みを歩きます。
結構分かり難い位置にバス停があるんですね…
乗合タクシーを使って欲しいのか、
路線バスについての情報は
粟島汽船のホームページには一切載っていません。


ガソリンスタンドの近くにある岩船上町バス停から
18:56発新潟交通松喜和線村上営業所行きに乗車。


19:06、瀬波温泉前バス停に到着。
今夜は日本海に臨む温泉宿です。
しかし、当然の如く素泊まりなので
まずは夕食を済ませねばなりません。
ここが中心街っぽいけど、驚くほど静かだな…


唯一空いていた喫茶店で夕食。
ご主人は埼玉県出身らしく、
海岸沿いに喫茶店を開くべく脱サラして
賃料の安いこの瀬波温泉にやって来たのだとか。
とても人柄の良い方でした。


心もお腹も一杯になったら宿へ。
瀬波温泉は宿が海岸沿いに並んでいるので
バス停からは少し遠い宿が多いです。
海岸沿いで乗降自由のバスもあるそうですが。
しかし、それにしても暗いし人気が無いな…
本当に営業しているんだよな…


テラ光線電子水とかいう
色々ツッコミどころ満載の水を売りにした宿。
これが今夜の宿です。
ほぼ貸切状態でのびのびと湯に浸かれ、
今日の疲れを取る事が出来ました。

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