スピノル場の運動項が∂μψ∂μψではなく
iψ†σμ∂μψの形になる事の理由について、
累計10人くらいと議論して
漸く自分の中で納得する事が出来ました。
まず、∂μψ∂μψなる運動項を仮定しても
変分原理からちゃんとクライン=ゴルドン方程式は出るので
両者が共存していたとしてもその点では問題無いが、
両者の質量次元を考えてみると
∂μψ∂μψはiψ†σμ∂μψよりも微分が多い所為で1大きく、
故に特定のエネルギー以上の領域でのみ主要になる
摂動項になって低エネルギー領域では効かず(渡利)、
∂μψ∂μψのみを運動項として採用すると
そこから得られる共役運動量πの代数的性質から
エルミート演算子A=ψ-iπのノルムが
負になってしまうという数学的問題が生じ(須山)、
それは物理的にはE2=p2+m2に於いて
負の根号を取る事に相当している(横山)、
という事のようです。
これだけの議論をさも自明な事のように
1行で済ませるスレドニキは鬼。
スレドニキ本人はともかく、素粒子論と宇宙論の人で
議論に差が出るのは面白いですね。
(無題)

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