南欧旅行第4日目。
今日はΑθήνα(アテネ)を巡ります。
6:04、起床。
とても健康的ですね。
支度を済ませて空港へと送ってもらいます。
ライアンエアからは
「検査が厳しいから2時間半までには来いよ!
さもなければ乗り遅れても知らないからな!」
というメールが届いたのですが、宿の主人は
「2時間半前なんてまだ空港が空いてないよ。
1時間半前で充分!」
と言っていて、どっちが本当なのかと思いましたが、
結論的には1時間半前で余裕でした。
8:20発FR1233便に搭乗。
さらば、Σαντορίνη(サントリーニ)よ!
機内ではやっぱり爆睡していました。
9:10、Αθήνα – Ελευθέριος Βενιζέλος国際空港
(アテネ=エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港)に到着。
地下鉄で市街に向かいます。
Διεθνής Αερολιμένας Αθηνών駅
(アテネ国際空港駅)から
10:00発地下鉄3号線Αγία Μαρίνα
(アギア・マリナ)行きに乗り、
Σύνταγμα駅(シンタグマ駅)で
地下鉄2号線Ελληνικό
(エリニコ)行きに乗り換え。
10:46、Ακρόπολη駅
(アクロポリ駅)に到着。
ギリシャと言えばここを抜きには語れない。
Ακρόπολης(アクロポリス)です。
古代よりΑθήναの心の拠り所として、
そしてギリシャの象徴としてあり続けている場所です。
ちなみに、Ακρόποληςという単語は固有名詞ではなく、
古代ギリシャの各都市国家(ポリス)に於いて
丘の上に築かれた神殿などの事を意味します。
しかし、単にΑκρόποληςと言った場合は
大抵ここの事を指しています。
市街を見下ろす丘の上に登ります。
途中でやけに日本語が上手いおばちゃんが話し掛けて来て
「私は政府公認のガイドです。
ガイドしますから一緒に行きましょう。
チケット売り場は向こうですから、
私はここで待っています。」
と客引きしてきました。
政府の認定証(?)的なものは本物っぽかったのですが、
どうも今一つ信用し切れないのと
そもそもガイド要らなくない?
という事でおばちゃんには悪いですが
おばちゃんに見付からないよう
チケット売り場からΑκρόποληςの中へ直行。
おばちゃんの提示してきた金額も高かったしな…
Ωδείο Ηρώδου του Αττικού
(ヘロディス・アッティコス音楽堂)。
161年にアッティコスが建てた音楽堂です。
二千年近く前に建てられた割にはやけに綺麗だと思ったら、
1950年に改築したのだそうです。
今も現役だとか。
その傍で佇む三毛猫。
古代ギリシア建築に三毛猫は
何だかシュールな気がする…
Προπύλαια(プロピュライア)を抜けて核心へ。
そこにあるのは…
ここを抜かしてギリシャを語る事勿れ。
古代ギリシャ建築最高傑作の呼び名も高い
Παρθενών(パルテノン神殿)です!
実はこのΠαρθενών、
オスマン帝国時代には火薬庫として使われ、
ヴェネツィア共和国がそれを爆破し、
更にその後イギリスがちゃっかり彫刻を盗ったりして
満身創痍の状態にあります。
Παρθενώνの完全な修復は
1832年のギリシャ独立時からの悲願であり、
今も尚修復作業は続けられています。
全方位からクレーンや足場が見えるので、
その点では期待し過ぎるとガッカリするかも…
Έρέχθειο(エレクテイオン)。
Καρυάτις(カリアティード、女像柱)が有名ですね。
今の今までこれが本体なんだと思っていたけど、
これは玄関に過ぎなかったのか…
(本体は後ろの四角い建物。)
Ακρόποληςから俯瞰したΑθήναの街。
高層建築物が全く見当たらないのは
歴史的景観に配慮しているからなのか、
それとも単に経済状況によるものなのか。
奥にぴょこっと飛びてているのは
Λυκαβηττός(リカヴィトスの丘)です。
麓から見たΑκρόποληςとΛυκαβηττός。
2000年前に造られたとは思えぬ壮大さだな…
ちなみに、上の写真の撮影場所は
Βραχάκια Ακρόπολης
(アクロポリスの岩)と呼ばれている場所です。
観光客が多い所為か岩が摩耗して
つるつるになっているので注意。
昼時になってお腹が空いてきたので
Ακρόποληςから市街に下ります。
治安の悪そうな通りですね…
地中海を挟んでアフリカと向かい合っているからか
柄の悪そうな黒人がやけに大勢居ます。
今時の欧州は何処もこんな感じなんだろうか…
それはおいといて昼食。
ギリシャはやはり料理が美味しいです。
Σαντορίνηに比べると流石に高いですが…
昼食を終えたら観光再開。
三十三間堂みたいなΣτοά του Αττάλου(アッタロスの柱廊)。
長さも三十三間堂とほぼ同じです。
ここでアーチェリーが行われたりはしませんが。
中は古代アゴラ博物館になっており、
ジョジョ立ちっぽい彫刻なんかが置かれています。
ジョジョ立ちのモチーフはイタリア彫刻だそうですが。
屋外はΑγορά(アゴラ)の遺跡が残されています。
所謂市民広場ですね。
昔はこういう建物なんかがあったそうですが…
今では殆ど更地と化しています。
Ακρόποληςと違ってこっちは再建しないのかな?
ΑγοράとΑκρόπολης。
王と市民との間で露骨なまでの物理的落差がありますね…
Αγοράのすぐ傍にある
Ναός Ηφαίστου(ヘーパイストス神殿)
鍛冶屋や窯業者が集まる地区だった為に
火の神Ἥφαιστος(ヘーパイストス)が祀られたのだとか。
正直、Παρθενώνより遥かに状態が良いですね。
ちなみに、これらの遺跡のすぐ隣には地下鉄1号線が通っています。
そこかしこに遺跡があるから、
地下鉄の通し辛さは京都の比じゃなさそうだな…
土産物屋が軒を連ねる路地を歩きつつ
Ακρόπολη駅の方へと戻ります。
Μουσείο Ακρόπολης(アクロポリス博物館)。
2009年に新築されたばかりの新しい博物館で、
主にΑκρόποληςから出土した文化財を展示しています。
一つの遺跡だけでこんな大きさの博物館が出来るのか…
この博物館自体、遺跡の上に立っていたり。
無尽蔵に収蔵品が増えていきそうですね。
しかし、早朝から観光しっぱなしだった事もあって大分疲れたな…
博物館の閉館時刻になったら
Ακρόπολη駅から地下鉄2号線
Ανθούπολη(アンスポリ)行きに乗車し、
Σύνταγμα駅で地下鉄3号線
Αεροδρόμιο(空港)行きに乗り換え。
Ευαγγελισμός駅
(エヴァンゲリスモス駅)に到着。
エヴァンゲリオンみたいな名前ですね。
じゃあ、Λυκαβηττόςに登って
Αθήναに沈む夕陽を見て今日の観光の締めにしよう。
と、ここで何とHDのiPhoneが無くなっている事が判明。
まさか、さっきの地下鉄!?
僕も何か盗られていないよな…
…まさか。
無い!
日本で使っていた財布が無い!
あれにはクレジットカードや
キャッシュカードも入っているのに!
やられたー!
学生証を取り出す機会が多いからと
横着してジャンパーのポケットに入れたばかりに…
疲れて気が緩んでいたな…
同じポケットに入れていたパスポートは
奇跡的に無事だったので、
取り敢えず帰国する事は出来そうです。
不幸中の幸いか…
何と6人中3人がスリに遭っていました。
スリ集団の仕業のようです。
Αθήναは糞、はっきり分かんだね。
兎にも角にも警察署に行って
被害届を出さねばなりません。
Συντάγμα(シンタグマ)の警察署に行ったら、
Ακρόπολη(アクロポリ)の警察署が担当だと言われ、
その言葉通り向かった警察署では
観光客向けの窓口はここには無いと
Πανεπιστήμιο(パネピスティミオ)の
観光警察へたらい回しされました。
観光立国ならもう少しこういうインフラも整えてくれ…
被害者も大勢居るんだから…
受付終了時刻間近で何とか盗難証明書を貰えました。
最後の最後でこんな後味の悪い終わり方になってしまうとは…
これまで一般的に治安が悪いとされている
東南アジアや南米では何も盗られていなかったのに…
逆にその分気が緩んでいたんだろうか…
失ったものが命でないだけ良かったです。
これから旅行先ではちゃんと気を引き締めないとな…
コメント