(無題)

五島旅行第3日目。
今日は中通島を巡ります。


6:56、起床。
生憎の天気…
ゆったりと朝食を済ませてから出発します。
まずは島の北部へ。


険しい山道を走ります。
小値賀島とは違い、中通島はかなり険しい地形です。


そして、流石は隠れキリシタンの島。
普通の場所での神社仏閣と同じレベルで教会があります。
今は日曜の朝なのでミサをやっている教会もありました。
地元のお爺さんお婆さん達が軽トラや
徒歩で教会に集まっています。
軽トラは定番としても、この急坂ばかりの中通島を
徒歩で教会までやって来るって辛くないのかな?
まして、教会は集落よりもかなり高い場所にあるし。
まあ、信心があれば坂なんてどうって事無いのか。


集落内の細い道路を抜けて北端を目指します。
写真は中通島最北の学校、上五島町立津和崎小学校です。


駐車場に車を停めて歩きます。
長崎県なだけあって亜熱帯な雰囲気です。


津和崎灯台。
てっぺんが展望台のようになっていますね。


津和崎から見た小値賀島と愉快な仲間達。
こう見ると小値賀島はとても平坦です。
あと、かなり属島が多いですね。
ここから海岸に降りる階段があったので降りてみる事に。


途中で野性味たっぷりの野良猫が居ました。
竹島と言い、離島の野良猫は逞しいです。


海岸に辿り着きました。
野崎島がすぐ間近に見えます。
舟森集落跡は残念ながら見えないな…
キャンプ場があると看板に書かれていたのですが、
石だらけでテントを張れそうな場所は見当たりません。
また、潮流がかなり速いので遊泳にも不向きです。
何の為の場所なんだろうか。


今日の最終目的地は中通島のほぼ最南端なので
ここから南下しつつ見所を巡っていきます。


まずやってきたのは猫の多い漁港です。
やはり島は猫が多いですね。


この漁港から見えるのが赤ダキ断崖です。
この付近に噴火丘があり、
それが東シナ海の荒波で削られて
酸化した鮮やかな赤いスコリアが露出しています。
知夫里島にも赤壁というのがありましたね。
こちらは南国らしい碧海との対照が美しいです。
曇天の冬の色ではないよなぁ…


上の道路に戻ったところで
丁度赤ダキ断崖の場所にだけ陽光が射し込みました。
おお、神々しい…


今度は赤ダキ断崖の向かいにある
要塞のような岬に行ってみます。


その前に青砂ヶ浦天主堂に寄り道。
明治43年に完成した赤煉瓦造りの立派な教会です。
「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」として
世界文化遺産暫定リストにも載っていましたが、
残念ながら見直しで外れてしまったとか。


そんなこんなで矢堅目公園までやって来ました。
矢尻のような形をしているから矢堅目なのかと思ったら、
敵を見張る為に矢(守備兵)で堅めた事から
その名が付いたのだそうです。
確かに、絶好の見張り場の形をしているもんな…
ただ、とにかく風が強い!
真っ直ぐ歩くのが難しいくらいです。


丁度晴れてきました。
奈摩湾を挟んだ赤ダキ断崖も綺麗に見えます。
さて、朝から動き回っていたからお腹が空いてきたな…


五島列島名物の五島うどん。
うどんにしては細めの麺で、
椿油が使われているらしく喉越しつるつるです。
あご出汁も美味しい。


腹拵えを済ませたら観光再開。
島の東端にある頭ヶ島天主堂です。
鐘を鳴らすと集落の人達が集まってしまうから
鳴らさないようにとの注意書きがありました。
余り大きくない集落なので本当に全員集まりそうですね。


隠れキリシタンの拷問(石抱)に使われた
石が外に展示されていました。
あんなものを膝の上に載せられるのか…


教会のすぐ傍には白浜海水浴場があり、
美しい海を目の前にしたキリシタン墓地もあります。
こんなに開放的な墓地も珍しいですね。


頭ヶ島天主堂は全国でも珍しい石造りの教会で、
沖合のロクロ島には石切り場らしき場所が見えます。
篠島と名古屋城とは違って近くて良いですね。


頭ヶ島のもう一つの観光名所(?)、上五島空港。
そう、中通島には空港があるのです。
嘗ては福岡空港や長崎空港への便がありましたが、
欠航率の高さに加えて海上交通の発展もあり、
利用者数が低迷して平成18年に全定期航路が廃止。
実質的に廃港状態になっています。
波照間島もそうでしたが、
離島交通は現代でも船便が一番強いですね。


ちなみに、上の写真の左側にある階段は封鎖されておらず、
テラスのような場所に上がる事が出来ます。
定期便が発着していた頃は
ここから飛行機オタクが写真撮影に勤しんでいたんだろうな…


しかしまあ、よくこんなところに空港なんか造ったものです。
中通島には平地らしい平地が皆無とは言え、
これなら海を埋め立てた方が遥かに楽だったのでは…


島の中央部まで戻ってから国道384号で南へ。
そう言えば、中通島ってちょっと十字架っぽい形ですね。
だからこそ隠れキリシタンが逃れて来た…?


中通島南端の奈良尾港まで来ました。
ここでレンタカーを返却。
今日の船はここから出ます。
でも、出港まではまだ少しだけ時間があるな…


という事で、徒歩で奈良尾集落を巡ってみます。
奈良尾港からはほんの100mかそこらの距離ですが、
峠を越えなければ辿り着けません。
現在はトンネルが掘られていますが。


峠にあるふるさと観音公園。
隠れキリシタンで有名な中通島ですが、
昔からの住人はやっぱり神道や仏教徒です。


アコウの大木で有名な奈良尾神社。
アコウはガジュマルのような絞め殺しの木です。
アコウは奈良尾集落のシンボルらしく、
アコウ通りなる街路まであります。
おっと、船の出港時刻がそろそろだ!


16:40発九州商船ジェットフォイルに乗船。
空路から旅客を奪った高速船航路です。
上五島空港を廃止に追い遣っただけあって大きいです。


17:10、福江港に到着。
野崎島から始まって南に進み続けて辿り着きました、
五島列島の南西端に位置する、五島で最も大きい福江島です。
名実共に五島の中心地と言えるでしょう。
今日はもう日が暮れてしまったので
宿に荷物を置いてから夕食を食べに出掛けます。


島と言ったらやっぱり海鮮!
このハコフグの味噌焼きとか驚くほど美味しかったです。
観光客はビーチを求めて夏に大挙して訪れるようですが、
冬の島旅というのもまた乙なものですよ。

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