ユーラシア旅行 第14日目

壮大な乗り換え。


6:52、起床。
美しいシベリアの夜明けです。
時刻表に拠ればあと20分足らずで駅の筈だけど、
全くそんな気配が無いな…
次の街はかなり大きいから
そろそろ見えて来ても良い頃だけど…
と思ったら、時計をずらし間違えていました。
ロシアあるある?


8:09、Новосибирск Главный駅
(ノヴォシビルスク中央駅)に到着。
人口は150万人を超す西シベリア最大の都市です。
乗り換えるだけなのですが、
シベリア鉄道はもっと大胆に遅れるものと思って
10時間以上も乗り換え時間を取ったら、
まさかの2分早着という定時性で
思い切り時間が余ってしまいました。
折角なので観光します。


気温13℃。
普通に寒いです。
あと、街角にある温度表示板に必ずある
“752Р”とかは一体何の数字なんだろう…
今日のロシアの株価?


Новосибирск Главный駅外観。
この隣に博物館があると聞いたけど…


あ、これか。
早速入ります。


Музей Истории Западно-Сибирской
Железной Дорогой
(西シベリア鉄道歴史博物館)。
РЖД(ロシア国鉄)直営の博物館で、
Иркутск(イルクーツク)の
130-й Квартал
(130地区)にあったものと同じく、
入館料、撮影料は無料です。
何故か見学しているところの写真を撮られました。
宣伝にでも使うのかな?


西シベリアの駅舎を紹介する本。
めっちゃ欲しい!
一応、こういう鉄道本も出版されてはいるんですね。
本屋では一切見掛けませんが。


北極海に程近いУренгой
(ウリェンゴーイ)への
支線の建設についても展示されていました。
高校の地図帳で見付けて
夢を膨らませていたなぁ…
あの時夢見ていたシベリア鉄道に
大学生の間に乗れるとは…
中々見応えのある展示でした。


Вокзальная магистраль
(駅前本通り)を歩きます。
百万都市にしては人が少ないような…
これまでの街では一切見掛けなかった
チラシ配りは随所に居ますが。


Иркутскで買った絵葉書を
シベリア鉄道の中で書いたので、
日本へ郵送すべく郵便局にやって来ました。
航空便で一通35Р。
郵便局でも驚くほど英語が通じなくて焦った。
アルゼンチンでさえ通じたのに…


ロシアのマクドナルド。
一昔前ならジョーク上の存在でしたが、
今では普通に存在します。
なお、”I’m lovin’ it”は
“вот что я люблю”とロシア語訳されています。
あのリズムに乗っては言えない気がする…


Красный пр.(クラースヌィ大通り)の端にある
聖堂らしき場所にやって来ました。
が、入口が何処なのか分からず断念。


名古屋モード学園みたいな建物。
ロシアの、それもシベリアにこんな建物が建つのか…
時代は変わったな…
昔のロシアは知らないけど。


道すがらに本屋があるのを見付けたので
戻って物色してみます。
アルゼンチンにはIslas Malvinas
(マルビナス諸島)の旅行本があったように、
ロシアならКамчатка
(カムチャツカ)とかの詳しい旅行本があるのでは
と期待して店員さんに尋ねてみたのですが、
親切に探してくれたのですが見付からず。
Абхазия(アブハジア)まであるのに…
ロシア人にとってКамчатка等の超極東地域は
一体どういう扱いなんだろうか。
落胆して地図コーナーを見ていると…
ん?Атлас Железные Дороги…
えっ!?
鉄道地図!?
シベリア各地で本屋を渡り歩く事7軒目。
遂にロシア国鉄の路線図を入手しました!
やったー!
しかも、旧ソ連の各国の路線図も付いています。
Мая победа!


本屋で時間を潰してお昼時になったので昼食。
Пельмени(ペリメニ)専門店でした。
ロシアの水餃子みたいな料理ですが、
これに関しては水餃子の圧勝ですね。


次はНовосибирский Государственный
Художественный Музей
(ノヴォシビルスク国立美術館)。
ロシアの有名画家の作品などが展示されています。
大自然の風景が多く、知識が無くても十分楽しめます。
最上階は現代芸術ですが。
特に気に入ったН. К. Рерих(N. K. レーリフ)の画集が
たったの10Рだったので買ってみました。


嘗てのロシア帝国の丁度真ん中に位置するという
Часовня во имя Святителя и
Чудотворца Николая(聖ニコライ礼拝堂)。
旧・ロシア帝国だけでなく道のど真ん中でもあるんだな…


ロシアのSIMカードを持っていたOSが居なくなって
インターネットが使えなくなってしまったので、
フリーw
ifiを求めて喫茶店へ。
予想はしていたけど、ケーキもコーヒーも凄まじい甘さだ…
げっ、この喫茶店のwifi、
ロシアの携帯電話番号が無いと使えないやつじゃん!
ロシアのwifi事情は外国人に優しくないな…
諦めて充電だけして出たら、
広場近くの本屋にフリーwifiがありました。
本屋にフリーwifiを置く意味は良く分かりませんが、
有難く使わせてもらう事に。
極東地域の旅行本はありませんでしたが。

さて、そろそろ駅に戻る時間です。
実はここНовосибирскは
シベリア初の地下鉄があります。
市民のリアルな暮らし振りを知れる地下鉄。
何としても乗りたい!
しかし、TKはケチって乗ろうとしません。
話し合った結果、
駅まで高々1kmの距離なので別行動する事にしました。
海外でこんな事は普通してはいけないんだけど、
まあロシアなら大丈夫だろう…


パッと見普通のお店のようなこちらが
Пл. Ленина駅(レーニン広場駅)。
ロシアでも地下鉄はメトロ(МЕТРО)なので、
頭文字であるМの看板が目印です。


石造りの立派な駅です。
薄暗いかと思いきや構内は意外に明るい。
Ленинская線(レニンスカヤ線)
Заельцовская(ザエリツォフスカヤ)行きに乗車。


Красный Проспект駅
(クラースヌィ大通り駅)で下車し、
Сибирская駅(シビルスカヤ駅)に移動して
Дзержинская線(ジェルジンスカヤ線)
Пл. Гарина-Михайловского
(ガリーン・ミハイロフスキー広場)行きに乗り換え。


Пл. Гарина-Михайловского駅に到着。
Новосибирск Главный駅に
戻ってきました。
ロシア人も地下鉄の中では無口なんだな…
シベリア鉄道の車内は賑やかだけど。
TKとも無事合流。
買い出しを済ませてホームに向かいます。


ん?
これまで見慣れた灰色に赤線ではなく
この水色の車両は…


ロシア国鉄ではなくカザフスタン国鉄の車両!
そう、これはカザフスタン行きの国際列車。
車掌もロシア人ではなくカザフ人で、
見た目は日本人にとても良く似ています。
僕等の車両の車掌は友近似です。
が、日本人の乗客は初めてらしく、
乗客名簿に署名した僕等の氏名(漢字)を
物珍しそうに見ていました。


でも、機関車はロシア製ですね。
18:32発301Н列車に乗車。


今回は奮発して何と二等車です!
何故か余り運賃が変わらなかったので。
しかし、他の乗客はほぼ漏れなく三等車で、
コンパートメントは貸切状態でした。
(車掌の乗客名簿に拠れば、
僕等の07番、08番の次の乗客は33番。)
内部はこんな感じ。
ロシア国鉄の車両とほぼ同じですが、
カザフスタンらしく絨毯が敷かれています。
しかし、車両は見るからに古そうで…


時刻は7:06(外は17:52)。


日付は2002年8月26日(外は2016年9月16日)だそうです。
カザフスタン国鉄は14年前を生きているのか。


車内販売はカザフスタンの通貨テンゲでも
ロシアルーブルでも買えます。
ルーブル建てだと高くなりますが。
あと、土産も売っているらしいので
早速友近似の車掌さんに訊いてみました。
予想通りその殆どは在庫がありませんでしたが、
カザフスタン国鉄のペンをゲット。
やったぜ。

結局、僕等以外は乗ってこないまま出発。
貸切状態だからコンセントも使い放題!
と気を良くしていたら…
あれ?iPodの電源が付かない…
ええっ!?
ここに来てiPodが故障!?
宿の位置とかを全てメモしてあったのに!
最悪のタイミングだな…
しかし、壊れてしまったものは仕様が無い。
コミュ力を存分に発揮して乗り切ろう。


今回最後に見るシベリアの夕陽か…
シベリア、想像よりも更に良いところだったな…

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