今日は理論演習の日。
超難しい理論がいきなり何の導入も無しに現れて
意味不明だったから手当たり次第訊きまくった、
という話を以前書きましたが、それが今回の担当です。
いや、説明せずに流しても良かったのかも知れませんが。
その理論というのがワインバーグ=サラム理論、
即ち、電弱統一理論です。
自然界に存在する四つの力(相互作用)の内、
光子(光)が伝えるお馴染みの電磁気力と
ウィークボゾンが伝える弱い力の二つを
一本の方程式で説明しようという気違い染みた理論。
力の働き方を現す方程式というのは
とあるルールに従って見方を変えても変化しないという、
ゲージ対称性を元に作り上げたゲージ理論の一つで、
(ゲージ”gauge”は「物差し」の意味。
「物差しを変えても物理法則は変わらない」という事。)
U(1)対称性を持つ電磁気力と
SU(2)対称性を持つ弱い力を纏めており、
所謂普通の数を掛けるだけのU(1)対称性はまだしも、
行列を掛けるSU(2)対称性は
非可換(AB≠BA)になっており、
凄まじくややこしい理論になっています。
そのややこしい理論で出て来たラグランジアンの
極小値が真空に対応し、
そのトポロジカル電荷をバリオン数に対応させて、
異なる真空同士を鞍点(スファレロン)経由で転移させて
宇宙のバリオン数保存則を破る…
と、素粒子論の人々が
一学期丸々掛けてやるレベルの内容を
1時間でやるのは大分無理があると思う。
(当時の)最新の研究分野をオムニバス形式で知れるのは良いけど、
ゼミで扱うとなるとこの本は鬼だな…
(無題)

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