5:20、YRと共に起床。
YRは昨夜僕の下宿に泊まりました。
手早く準備を済ませて北千住駅へ。
6:23発JR常磐線快速取手行きに乗車。
取手駅で下車し、ときわ路パスを購入。
茨城県内の普通列車が私鉄も含めて
(つくばエクスプレス以外)乗り放題というあれです。
そう、YRがやって来たのは
北千住の下宿で語らう為では無く、これが主目的。
今日は5/8までが有効期限の
春季発売分ときわ路パスを使える最後の機会なので、
YRと茨城県沿岸部を巡る事にしました。
7:10発JR常磐線普通勝田行きに乗り換え。
寝ます。
8:37、勝田駅に到着。
ひたちなか海浜鉄道に乗り換えます。
まず第一の目的はこのひたちなか海浜鉄道に乗る事です。
嘗ての茨城交通湊線。
茨城交通は嘗て茨城県内に
三つもの鉄道路線を有していたのですが、
モータリゼーションの煽りを受け、
茨城交通自身もバス指向だった事も相俟って
水浜線と茨城線は昭和40年代に相次いで廃止、
最後まで残っていた湊線も
平成20年、遂に茨城交通が撤退。
しかし、沿線のひたちなか市が財政支援を申し出た為、
ここだけは廃止にならず第三セクター化で留まりました。
8:42発ひたちなか海浜鉄道湊線
普通阿字ヶ浦行きに乗り換え。
車内はそこそこ混んでいます。
やはりあれが目的か…?
出発してものの1分もしたら隣駅に到着。
日工前駅です。
勝田駅での写真で気付いた方も居るかも知れませんが、
ひたちなか海浜鉄道の駅名標は
駅名の文字が地元の名物に合わせて
面白くデザインされているのが特徴です。
グッドデザイン賞にも輝いたとか。
ここ日工前駅は工場を意識して
工具をモチーフにした文字になっています。
ちなみに、「日工」というのはこれ。
日立工機本社工場です。
豊田市のトヨタ帝国に負けず劣らず、
この辺りは日立帝国が築かれているんだろうな…
金上駅。
近くに自衛隊の施設学校がある為、
飛行機と戦車をデザインした文字になっています。
金上駅を過ぎると市街地を抜け、
いきなり森の中を走り始めます。
森を抜けるともう田んぼしかありませんでした。
中根駅。
近くにある前方後円墳と
そこから出土した刀子を文字にしています。
ひたちなか海浜鉄道のパンフレットで
「首都圏に一番近い秘境駅」を謳っていたけど、
この程度で秘境駅だったら
青梅線でも秘境駅は山程ある事になるぞ…
秘境駅の名を安売りしてはいけない(戒め)
ちなみに、一般には首都圏から一番近い秘境駅は
いすみ鉄道の久我原駅とされる事が多いです。
高田の鉄橋駅。
去年開業したばかりの新しい駅で、
駅名の由来となった鉄橋(国道245号線)が
駅名標にデザインされています。
ただ、鉄橋の上を列車が走っている図になっているけど、
実際には鉄橋の下を走るんだよな…
那珂湊駅。
車両基地もあるひたちなか海浜鉄道の中心駅で、
駅名標には列車と反射炉、
それに駅ネコらしきネコが描かれています。
ホームの端にプランターの土をほじくる黒猫が居ました。
殿山駅。
ひたちなか市の市花である
ハマギクとケイトウがモチーフになっています。
但し、花壇に植えられているのはチューリップです。
平磯駅。
近くの海水浴場のシンボルであるクジラと
太陽観測センターの電波望遠鏡が描かれています。
海浜鉄道を名乗っていますが、
海が見えるのは平磯-磯崎間の極一部だけです。
オーシャンビューを期待して
ひたちなか海浜鉄道に乗る人は居ないと思いますが。
磯崎駅。
茨城県名産のサツマイモがデザインされています。
そろそろネタ切れ感が漂っていますね。
9:10、阿字ヶ浦駅に到着。
駅名標は温泉やら名物のアンコウやら
色んなものが詰め込まれています。
茨城交通の無料シャトルバスに乗り換え。
今の今までこのシャトルバスの存在を知りませんでした。
普通に歩く気満々だった。
阿字ヶ浦海岸。
嘗てはここへの海水浴客を運ぶ為に
上野駅から阿字ヶ浦駅まで
直通の急行列車が走った事もあったとか。
海を望みつつ走って着いたのは…
国営ひたち海浜公園です。
四季折々の花畑で有名な公園で、
近年では特にこの時期に咲く
ネモフィラでその名を轟かせています。
お目当ては勿論そのネモフィラです。
実は、ひたちなか海浜鉄道湊線も
このネモフィラ需要を見込んで
平成36年にこの海浜公園まで延伸する計画なんだとか。
ニュースでひたちなか海浜鉄道の名を見た時は
廃線の二文字しか思い浮かばなかったけど、
まさかあの経営状況で延伸するとは…
ネモフィラ効果恐るべし。
410円の入園料を払って中に入ります。
北に来たからか結構肌寒いです。
ネモフィラの咲く見晴らしの丘に着きました。
おお、一面真っ青だ!
丘を埋め尽くす数え切れない程のネモフィラの花。
空よりも青いです。
有名になるだけの事はあります。
まあ、曇天ですが。
人も多いです。
写真撮影をする際は周りにも気を配りましょう。
また、花畑に踏み入るのも厳禁です。
以前は花畑に柵は無かったそうなのですが、
無駄で立ち入るマナーの悪い観光客が多かった為に
柵が設置されるようになってしまいました。
ネモフィラの中に点々とポピーが咲いているのは
どうしてなのだろう…
狙ってやっているのかな?
見晴らしの丘の上から見た画。
さながら青い絨毯のようです。
丘を降りたところにネモフィラソフトなるものが。
ネモフィラを練り込んだソフトクリーム…
では無く、ネモフィラの色に似せた
ラムネ味のソフトクリームだそうです。
青色って見る分には綺麗だけど、
食欲をそそる色では無い気が…
菜の花の黄色とネモフィラの青色のコントラスト。
ネモフィラの話題ばかりが独り歩きしていますが、
ひたちなか海浜公園にはコキアやヒマワリなど
様々な花が植えられているので、
真冬でも無い限りは何かしらの花が見られます。
満足したので更に混む前に次へと向かいます。
10:58発のシャトルバスに乗車。
阿字ヶ浦駅近くの堀出神社にちょっと寄り道。
国内旅行で神社に立ち寄るのは
欧米旅行で教会に立ち寄るようなものです。
11:19発ひたちなか海浜鉄道湊線普通勝田行きに乗車。
11:31、那珂湊駅に到着。
昼食を食べます。
那珂湊おさかな市場。
那珂湊港に水揚げされた魚介が並ぶ魚市場です。
定食屋もあるので常陸の海鮮を食べます。
カナガシラ刺身定食。
普通に海鮮丼とかにしようかとも思いましたが、
地ものという言葉に惹かれてこちらにしました。
あと、聞いた事の無い名前で気になったので。
これは…美味しい!
脂が乗っているとかでは無く
シンプルに旨味が凝縮されています。
これは頼んで大正解でした。
食後にYRたっての希望で生牡蠣を購入。
驚くべき大きさです。
一口に収まるかどうかギリギリのライン。
これも美味しかったです。
生牡蠣は初めてな気がする。
あたるかな?
12:54発ひたちなか海浜鉄道湊線普通勝田行きに乗車。
勝田駅で13:11発JR常磐線普通水戸行きに乗り換え。
YRは就活があるとかで水戸駅で分離。
ここからは単独行動になります。
水戸駅で13:33発鹿島臨海鉄道大洗鹿島線
普通鹿島神宮行きに乗り換え。
今回第二の目的がこの鹿島臨海鉄道。
3年前の鹿島祭りの時に、普段は旅客営業をしていない
鹿島サッカースタジアム-神栖間だけ乗ったきりで
本来の旅客営業区間である
鹿島サッカースタジアム-水戸は手付かずでした。
ときわ路パスは鹿島臨海鉄道も乗り放題なので
この機会に乗り潰してしまいます。
大洗鹿島線は鉄道建設公団が造った
比較的新しい路線なだけあってかなり高規格です。
特急列車も余裕で走れる。
こんな田んぼを高架で貫く必要はあったのだろうか…
13:49、大洗駅に到着。
ここ大洗はガールズ&パンツァーという
女子高生が戦車を乗り回すアニメの
舞台になった事で「聖地」となったそうで、
棚からぼた餅とばかりに街おこしをしています。
が、僕はそのアニメを知らないので普通に観光します。
巡回バスの列車との接続が異常に悪かったので
大洗駅で自転車を借ります。
まさかの無変速か…
しかも、茨城なら平地ばかりだから大丈夫かと思ったら
結構アップダウンのある道だし…
大洗磯崎神社の大鳥居。
ここもアニメに出て来たのか、
辺りにはアニメのパネルを出したお店が幾つかあります。
海までやって来ました。
雲が晴れて実に爽快!
YRと別れた途端に天気が良くなったな…
余り言うとYRが悲しむのでこの辺にしておきますが。
神磯の鳥居。
海に突き出た岩礁の上に鳥居が立てられています。
もう少し近付いてみます。
思った異常に波が激しい!
飛沫がカメラにかかりそうです。
この状況では鳥居の場所まで辿り着くのは無理ですね。
大洗磯崎神社。
元々、大洗の観光名所と言ったらこれくらいでした。
勿論、今でも大洗最大の観光名所です。
参道の階段を上って振り返ると
美しい太平洋が望めます。
列車の時刻まで全く余裕が無かったのでここで折り返し。
死に物狂いでママチャリを漕ぎます。
15:00発鹿島臨海鉄道大洗鹿島線普通鹿島神宮行きに乗車。
間に合った…
今度は高架では無く切取部を走ります。
周りがどうなっているのか全く分かりません。
新鉾田駅。
鹿島臨海鉄道の中心的存在の駅です。
嘗ては鹿島鉄道が石岡駅から延びていたのですが、
平成19年に廃止されてしまい、
今では鹿島臨海鉄道だけが生命線に。
仮に鹿島臨海鉄道が廃止されると
この近辺一帯は日本でも有数の
鉄道空白地帯となってしまいます。
今でもそんなに栄えているようには見えませんが…
北浦湖畔駅。
鹿島臨海鉄道で秘境駅と呼ばれる事があるのはここです。
大した秘境ではありませんが。
真の秘境駅というのは自然に畏怖して
己の小ささを認識させられるような駅なんだよなぁ…
辺りはこんな感じ。
水鏡と化した水田の先に見える湖が北浦です。
長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅。
南阿蘇水の生まれる里白水高原駅と並んで
日本一長い駅名の駅です。
会社名、路線名も合わせると
鹿島臨海鉄道大洗鹿島線長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅。
余りに長いので「公園前」や
「長者ヶ浜」と略される事が多いです。
16:08、鹿島神宮駅に到着。
3年前は素通りしていましたが、
今回は観光してみたいと思います。
やって来たのは駅名の由来となった鹿島神宮。
香取神宮、息栖神社と並んで東国三社と呼ばれ、
大和朝廷の東国開拓の拠点になったとも言われる神宮です。
拝殿。
この奥に本殿があるそうです。
本殿や社務所などは鳥居のすぐ傍に固まっていますが、
境内はまだまだ奥に続いています。
さざれ石。
君が代に出て来るあれです。
さざれ石というのは特定の石を指すのではなく、
細かい石がくっ付いて大きな巌となったもの全般を言います。
ただ、さざれ石(細石)というのは
くっ付く前の小さな石の事なので、
くっ付いた後の状態は寧ろ巌と言うべきかも知れません。
奥宮。
本殿を建て替える際に
元あった本殿を移してきたのだそうです。
苔生していて神秘的な雰囲気です。
要石。
地中に眠る大ナマズの頭を抑えて
地震を起こさないように止めているのだとか。
地面から顔を覗かせているのはごく一部で
全貌がどれほどのものか分かっておらず、
その昔に徳川光圀が七日七晩掘らせてみたら
怪我人が続出したので断念したとか。
それは多分祟りとかじゃなくて
1週間も連続で働かせた労働環境に問題があるのでは…
駅から鹿島神宮までの参道にも
要石が大ナマズを抑え込む絵が描かれています。
東日本大震災は防げなかったのだろうか。
御手洗池。
御手洗と言っても便所の事では無い。
豊富な湧水があって常に澄んでおり、
嘗ては参拝前にここで禊をしたのだとか。
鹿島神宮も一通り見終えたのでそろそろ帰ります。
17:08発鹿島臨海鉄道大洗鹿島線
普通水戸行きに乗車。
この車両、良く見たらボロボロだな…
お金の無さを体現しています。
こんな状態で走って大丈夫なんでしょうか。
水田広がる常陸に日が沈む…
水戸駅で18:40発JR常磐線普通上野行きに乗り換え。
予てから気になっていたので
少々値は張りましたがのし梅を買ってみました。
梅味の寒天を竹皮で包んだ和菓子です。
梅の香りが凝縮されていて美味しい!
梅羊羹というのも売っていましたが、
そちらは梅の色に似せただけで
梅は入っていないので気を付けましょう。
この後は我孫子駅で途中下車して
巨大唐揚げの立ち食い蕎麦を食べてから
北千住駅へと帰りました。
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