ここのところ、レポートや中間試験で
土日に勉強ばかりしていて、
田舎分が欠乏し過ぎて禁断症状が出そうです。
そう言えば、明日はあの切符の有効期限か…
良し!折角だし気分転換に出掛けよう!
という訳で、久々に列車で出掛ける事にしました。
5:30、起床。
普段の平日と変わらない遅い起床です。
今回は登山をする訳でも無いので。
7:14発JR常磐線快速勝田行きに乗車。
7:42、取手駅に到着。
ここでときわ路パスを購入。
そう、明日が有効期限の切符とはこれの事。
つくばエクスプレスを除く茨城県内の鉄道の普通列車が
1日乗り放題というお得な切符。
この切符が凄いのは青春18きっぷよりも安いのに
JRだけで無く私鉄や第3セクターまで乗り放題というところ。
あっと言う間に元が取れます。
そんな訳で、今回は青春18きっぷでは乗れない
茨城県の私鉄を乗り潰す事にしました。
7:51発関東鉄道常総線普通水海道行きに乗り換え。
北千住から最も近い非電化路線です。
複線非電化。
この関東鉄道常総線は近くに地磁気観測所があり
直流電源を使うとその観測を乱してしまうので、
複線化する程の需要があるにも関わらず
非電化のままになっているのです。
(JR常磐線は交流電化。)
本数は複線らしくかなり多めですが、
保線状態は非電化らしい感じです。
割と揺れるし、複線なのに第4種踏切があったりします。
新幹線…では無くつくばエクスプレスがオーバークロス。
ときわ路パスでは何故かTXだけ利用出来ません。
茨城県内でJRと接続していないから?
TX沿線特有のニュータウン。
まだ更地なのか…
仙川には良く多摩ニュータウンのチラシが届きましたが、
北千住だと守谷ニュータウンのチラシが多いです。
8:21、水海道駅に到着。
昭和な雰囲気が漂っていますね。
気動車の排気ガスの所為なのか何なのか
常総線は何処の駅も赤茶けています。
実は、この水海道駅から下妻駅までは
9月の豪雨で鬼怒川が決壊した際に甚大な被害を受け、
ほんの12日前に漸く通常運行に戻ったばかりの区間。
某Y乗り換え案内では未だに災害臨時ダイヤのままで
時間にゆとりを持っていなかったら危ないところでした。
ん?
駅の前で何やら行列が出来ているな…
一体何だろう?
復旧列車!
なるほど、全線復旧の記念列車か。
しかも、今日が運行日だそうです。
これ、調べて来た訳では無く本当に偶然です。
調べたのならときわ路パスを使っていません。
(ときわ路パスでは乗れないらしい。)
でも、下妻駅で停車中に車内ギャラリーを一般公開するのか。
これは見ておくしかない。
急いで時刻表を捲り、
数字と睨めっこして頭を捻ります。
ちょっとドタバタするけど、
これでどうにか行けるか…?
8:35発関東鉄道常総線快速下館行きに乗り換え。
ここから先は単線になり、
れっきとしたローカル線になります。
洪水で路盤が流出したからか
バラストが真新しいものになっています。
茨城県の象徴、筑波山を望みつつ走ります。
嘗ては筑波山のお膝元にも
関東鉄道の子会社筑波鉄道が列車を走らせていましたが、
筑波山以外の需要が無さ過ぎて
とっくの昔(昭和62年)に廃止されました。
代わりにTXを筑波山まで延伸しよう(提案)
下館駅で9:42発真岡鐵道普通茂木行きに乗り換え。
真岡鐵道は旧・国鉄真岡線から転換した第3セクター鉄道。
起点の下館駅こそ茨城県内なものの
路線の大半が栃木県内にあるにも関わらず、
ときわ路パスが全線で利用出来ます。
太っ腹!
折本駅に居たのは…DL牽引の客車!?
幾ら特定地方交通線と言えど
まさか客車が現役なんて事は…
あ、SLもおかの回送列車か。
真岡鐵道には土日や祝日を中心にSLが走っています。
純然たるローカル線。
この先、久下田駅からは栃木県に入ります。
沿線にはカメラを構えた人が多く見受けられます。
SL狙いでしょうか。
SLを模した真岡駅。
名実共に真岡鐵道の中心駅です。
ここで半分くらいの人が下車。
市塙駅から先は山道になってきます。
笹原田駅。
その名の通り、笹と田に囲まれた良い雰囲気の駅です。
休日はこんなところでのんびりしたい。
紅葉の美しい道の駅もてぎを過ぎると
終着駅はもうすぐそこです。
茂木駅に到着。
ツインリンクもてぎで有名な茂木です。
実は長倉線と言ってここから更に
あの烏山駅まで延伸しようとしていたのですが、
こちらは戦時中に不要不急線に指定されて
そのまま亡きものとなりました。
ここからツインリンクもてぎへ…
と言いたいところですが、
後々の行程があるのですぐに引き返します。
11:53発真岡鐵道普通下館行きに乗車。
11:18、益子駅に到着。
線路に沿って少し歩きます。
ジブリ映画にでも出て来そうな家。
こども110番の家だそうです。
人居るのかな…
田んぼが広がる線路脇に到着。
ちゃんと行きの車内で調査しておいたのさ!
既に2人、カメラをセットしている人が居ます。
狙うのは勿論…
SLもおか号!
SLはそんなに好きな訳ではありませんが、
久し振りに見ると撮りたくなるものです。
汽笛が丘でこだまして田園に染み渡ります。
SLは乗るものでも見るものでも無く
聴くものだと僕は思います。
まだそこまで寒くないので蒸気は控え目。
SLも良いものですね。
割と空いているように見えたけど。
次の列車が来るまでちょっと散策します。
天下の公道で随分大胆な告白をするものだと思ったら
益子はここの地名だった。
益子鹿島神社。
信号付きの丁字路に面しているという立地。
神社の入口って奥まったところにある印象だけど…
その丁字路の先にあった太平神社。
神社というよりはお寺っぽいけど…
その裏手にあった太平山。
何故か日露戦争の戦没者の慰霊碑があります。
益子から出征した人が多かったのかな?
太平山山頂(?)からの眺めは殆どありません。
おっと、列車の時刻が迫っている!
12:08発真岡鐵道普通下館行きに乗車。
下館駅で13:05発関東鉄道常総線普通守谷行きに乗り換え。
13:25、下妻駅に到着。
復旧列車が停車していました。
まあ、これを狙って戻ってきたんですけどね。
車内には鬼怒川決壊の際の写真や
その後の復旧工事の写真等が飾られています。
ホームでは関東鉄道グッズの販売も行われていました。
これ以上買うと収拾が付かなくなるので止めましたが。
13:33発関東鉄道常総線普通下館行きに乗り換え。
お前は一体何を考えているんだと言われそうな経路ですね。
13:38、大宝駅に到着。
田んぼを望むとても雰囲気の良い駅。
大宝とは何とも縁起の良い名前です。
実際、縁起切符として硬券入場券が売られています。
大宝駅は無人駅なので下館駅等でしか買えませんが。
ここまでまともに観光をしていないので
ここで観光したいと思います。
駅から歩いて2分のところにある大宝八幡宮。
茨城県中部に於いて観光と言ったら神社仏閣巡りです。
お腹が空いたので取り敢えず茶店で厄除け団子を食べます。
空腹に甘味は反則的過ぎる。
お腹を満たしたら大宝八幡宮を参拝します。
大銀杏。
御神木?
神社の裏手には田んぼが広がっています。
茨城県らしい感じです。
高校生の頃は社寺の良さがさっぱり分からなかったけど、
大学生になって漸く分かってきたような気がします。
都会の喧騒に疲れた者にとって
古き良き日本の原点を思い出させてくれる社寺は、
正に心の拠り所です。
本殿の裏に遊歩道があったので歩いてみる事に。
雑木林の空気が心地良い。
一体何処に繋がっているのだろう…
これは…
風が梢を揺らす音、鳥の鳴き声、
夕陽の温もり、田んぼの香り…
だから何だと言われてしまえばそれまでだけど、
何故僕は鳥肌が立つ程感動しているんだ…
何でも無い風景だけど、
こういう何でも無い情景を享受出来る事こそが
臭い言葉だけど本当の幸せなんじゃないかな…
何だか隠居人みたいな事を言ってますね。
と言いつつ、列車が来たので鉄道写真を撮る。
この風景にはやはり電車でなく気動車しか考えられません。
さて、駅に戻るか。
14:54発関東鉄道常総線普通水海道行きに乗車。
「水海道乗り換え取手行き」と案内されています。
接続を明示してくれて親切と言うべきか、
逆に混乱してしまうというべきか。
水海道駅で15:41発関東鉄道常総線普通取手行きに乗り換え。
15:46、小絹駅に到着。
気動車の煤で赤茶けた駅が
夕陽で更に赤く染め上げられています。
一々郷愁を煽ってきますね。
ここからとある観光名所まで歩きます。
Google先生に拠るとこの道らしいけど…
これって私道では無いのか…?
距離を重視する余り偶に凄い経路を出してきますね。
まだ日が沈んでいないから良いけど。
田んぼの中を歩きます。
田んぼは日本人の必須栄養素。
小貝川の土手に上がります。
夕暮れ時の土手は良いものです。
小絹駅から歩く事30分で小目沼橋に到着。
極めて珍しい木造の沈下橋です。
そもそも、沈下橋とは良く洪水が起きる川で
洪水の際に橋に物が引っ掛かったりしないよう
欄干を無くしてしまった橋の事ですが、
主に高知県の四万十川など中国四国地方に多く
関東では極めて稀な存在。
更に、沈下橋はコンクリート製が一般的で
木造の沈下橋となると全国でも類い希な存在です。
欄干が無いのでちょっと怖い。
吊り橋効果ならぬ沈下橋効果が期待出来るかも?
沈下橋に付き合ってくれる人どれだけ居るか知りませんが。
渡り切った側から橋を振り返る。
川のせせらぎと虫の鳴き声…
いやぁ、良いなぁ…
暗くなってきたので駅に向かいます。
田んぼに囲まれた集落の細い路地。
それなのに、どの家も無駄に思える程
敷地内で空き地の占める割合が高い。
千代田町もこんな感じでしたね。
複線の第4種踏切。
最も多い時間帯には1時間で20本近くが通過します。
危なくないのだろうか…
良く良く地図を見返したら
小絹駅は最寄りじゃないんじゃないか説が浮上したので
隣の新守谷駅に来ました。
大して変わらなかったです。
ただ、道が滅茶苦茶分かり難い。
17:21発関東鉄道常総線普通取手行きに乗り換え。
取手駅に到着してJR常磐線に乗り換えます。
北千住に帰る…のではありません。
折角なので、あともう一つだけ乗っておきます。
17:52発JR常磐線普通勝田行きに乗り換え。
佐貫駅で乗り換えます。
実は関東鉄道は常総線の他にもう一つ、
竜ヶ崎線という路線を持っているのです。
18:06発関東鉄道竜ヶ崎線普通竜ケ崎行きに乗り換え。
星が瞬く田んぼの中を走ります。
18:13、竜ヶ崎駅に到着。
僅か7分で終わってしまう程短く、
しかも他の自社路線と一切接続していない
盲腸線の竜ヶ崎線ですが、
その歴史は115年と常総線より13年も長く、
常磐線が引かれる際に竜ケ崎が経路から外れて
衰退する事を恐れた地元の有力者達が
アクセスを確保する為に引いたのが起こりです。
また、近年龍ケ崎市は龍ケ崎コロッケで町興しを図っており、
茨城県に於けるB級グルメの草分け的存在なのだとか。
龍ケ崎の人達は昔から町興しに熱心なんですかね?
龍ケ崎コロッケは持ち帰りが無いようだったので断念。
18:18発関東鉄道竜ヶ崎線普通佐貫行きに乗車。
佐貫駅で18:36発JR常磐線普通上野行きに乗り換え、
19:12、北千住駅に到着しました。
茨城県には一体何か名所はあるのかと訊かれると
筑波山とKEKくらいしか無いと答えざるを得ないのが事実なのですが、
寧ろ「何も無い」事の良さを体現している県だと思います。
「何でもある」と言われる東京都に居ると
尚の事その良さが身に沁みます。
茨城県は良いです。
…でも、泊りの旅行にはちょっと向かなさそうですね。
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