クラスメートに
「最近、格好良い数式が沢山出てくるタイヤのCMがやってる」
と聞き、調べてみました。
ブリヂストンのECOPIA with ologicというCMのようですね。
このCMに現れる数式が何なのか
紹介されているサイトが見当たらなかったので、
折角だから「物理学的な日々」っぽいところを見せて
方程式を解説してみます。
(秒数は全て30秒版)
1つ目(0:00~0:04)
「ナヴィエ・ストークス方程式(Navier-Stokes equations)」
液体や気体のように形が定まっていない
流体の運動を記述する流体力学の基本方程式。
これを解けば「流体がどう流れていくか」が分かります。
天気予報などもこの式を使って計算されているのですが、
「本当に」解が存在するのかどうか、実はまだ分かっていません。
理論的な解の存在を示す事はミレニアム問題となっていて、
解ければ100万ドルが手に入ります。
CMで登場したのは非圧縮性流れに対する方程式のよう。
cf. ナビエ-ストークス方程式 – Wikipedia
2つ目(0:04~0:08)
「波動方程式(wave equation)」
その名の通り、波の運動を記述する方程式。
これを解けば「波がどういう形をしていて
どのように伝わっていくか」が分かります。
CMに登場したのは2次元(平面波)の波動方程式。
座標についての一般性を持たせる為に、
右辺はラプラシアンを使って書かれる事も多いです。
cf. 波動方程式 – Wikipedia
3つ目(0:08~0:11)
「黄金比(golden ratio)」
二次方程式x2=x+1の(大きい方の)解φ=(1+√5)/2≒1.618。
1:φは最も美しい比率とされています。
有名どころだとパルテノン神殿の縦横比、
卑近なところだとテレビや名刺の縦横比も
これに近く設計されています。
フィボナッチ数列の一般項を表す際にも現れたり。
cf. 黄金比 – Wikipedia
4つ目(0:11~0:13)
「ケプラーの第3法則(Kepler’s laws of planetary motion)」
惑星の公転周期の2乗は、軌道の長半径の3乗に比例するというもの。
重力(万有引力)の逆2乗則による結果であり、
ここからニュートンの万有引力の法則が導かれました。
cf. ケプラーの法則 – Wikipedia
5つ目(0:14~0:17)
「転がり摩擦(rolling resistance)」
滑らずに転がる物体が受ける摩擦力の事。
CMの式に出て来た「RRC」というのは
Rolling Resistance Coefficient(転がり摩擦係数)の略。
本来は垂直抗力を基準にするので、
CMで描かれていたFzのベクトルは向きが逆です。
転がり摩擦は静止摩擦や動摩擦に比べて遥かに小さいので、
車輪を使う事によって大量の荷物を効率的に運べる訳です。
その極致は他ならぬ鉄道なので皆さん乗りましょう。
cf. 転がり抵抗 – Wikipedia
6つ目(0:17~0:20)
「空気抵抗(drag)」
空気中を動く物体が受ける抵抗。
物体が小さく、速度が遅い時に主として働く
速度に比例する粘性抵抗と、
物体が大きく、速度が速い時に主として働く
速度の2乗に比例する慣性抵抗とがあります。
CMに出て来た式は後者のものです。
cf. 抗力 – Wikipedia
何故シュレーディンガー方程式が無いんだ…
あと、4つ目はアインシュタイン方程式にすべきだったと思う。
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