サンフランシスコにて(書きかけ)

引っ越すと良く掛けられる言葉、
「今度遊びに行くよ!」
世間一般的には「行けたら行く」並に確度の低い言葉ですが、
それを覆す友人が僕の周りには多い気がします。
今回何と米国まで遊びに来るという友人が現れました。
という訳で、仕事を頑張って早めに終わらせて
San Francisco(サンフランシスコ)に向かいます。


友人に会う前に妻の希望で、
San Francisco北部にある公園、
Presidio of San Francisco
(プレシディオ・オブ・サンフランシスコ)の敷地内にある
とある建物にやって来ました。


建物前の噴水にはヨーダが鎮座しています。
ここは映画Star Wars(スター・ウォーズ)シリーズの制作会社、
Lucasfilm(ルーカスフィルム)の本社の公開部分です。


エントランス部分のみ一般公開されており、
R2-D2の模型などが展示されています。
Star Warsファンの妻が興奮していました。


同じブロックにはStar Warsグッズを扱う
Skywalker Ranch General Store
(スカイウォーカー・ランチ・ジェネラル・ストア)もありました。
“Ranch”は「大農場」を意味する語で、
Lucasfilmの本社の本体(非公開部分)が
外からだと農場にしか見えないのでそう名付けられているとか。
高度な偽装工作なのか分かりませんが
最近では本当に農場としてブドウも作っているそうで、
そこで採れたブドウを原料にしたワインも売られています。

駐車場が20分上限と言われたこともあり、
Lucasfilmを足早に見終えたら
San Francisco国際空港(サンフランシスコ国際空港)へ。
ここで日本から飛んできたST(元・旭丘高)を迎えました。
現状最後に一緒に海外旅行をした友人です。


ST達を連れて改めてSan Franciscoへ。
STから話が来た時に、
「まだSan Francisco市街地へ行ったことがないから
大した街案内は出来ないよ」
と伝えたところ、
「なら行かないままにして初体験のバイブスを共有しようや」
と言われたので、
これが僕の初San Franciscoです。
こちらはSan Francisco北端の
Aquatic Cove(アクアティック湾)。


その湾に面した煉瓦造りの建物群。
こちらが第一の目的地です。


Ghirardelli Square(ギラデリ・スクエア)という
土産物屋や食堂が集う観光広場。
ここは元々San Francisco発のチョコレート会社、
Ghirardelli Chocolate(ギラデリ・チョコレート)の
チョコレート工場があった場所で、
その跡地に当時の工場の雰囲気を残す
煉瓦造りの観光施設が造られたという訳です。


そのGhirardelli Chocolateの直営喫茶店、
ここでアメリカンなチョコレートパフェを頂きます。
カロリーは左から順に1,020kcal、970kcal、490kcalです[1]。
比較までに、コメダ珈琲のフルサイズのシロノワールが933kcal [2]。
食べ切れるかな…
と心配していましたが、サイズがそんなに大きくないので
意外と普通に食べられました。
流石に妻と協力して1個でしたが。

…と思っていたら、日本からST達は完全に食べ倦ねていて、
自分が米国に染まりつつあることを認識させられました。
知らない内にアメリカンになっていた…


十分な腹拵えを済ませた後は、
これまたSan Francisco名物のケーブルカーに乗ります。
とにかく坂の多いSan Franciscoでは
ケーブルカーが公共交通機関の一つとなっています。
Ghirardelli Squareすぐ近くにあるHyde St & Beach St電停
(ハイド・ストリート&ビーチ・ストリート電停)へ。
ここはPowell-Hyde線(パウエル=ハイド線)の終点にあたり、
San Franciscoケーブルカーの中で最も人気のある電停です。


日本で最初の鉄道が開業した翌年の1873年開業で、
世界最古のケーブルカー。
San Franciscoという米国屈指の大都会にありながら
開業当時の姿を今も残しており、
転車台は何と人力です。
日本でも大井川鐵道只見駅など
弩級のローカル線が演出の為に残していたりはしますが、
こんな都会のど真ん中にあるというのは異質です。
日本で例えるなら阪堺電車都電荒川線
人力の転車台があるようなものです。


開け放された乗降部で手摺りにしがみ付きながら
風を感じるスタイルの乗客。
安全基準も一昔前のまま止まっています。


しかし、このケーブルカー最大の特徴はそこではありません。
不思議ではないでしょうか?
一般的にケーブルカー(交走式ケーブルカー)は2編成の列車をケーブルで繋げて
お互いをカウンターウェイトとして上下させるもの。
その為、途中駅は中間地点を基準に対称となる位置に置かねばならないという
極めて強い制約が掛かる上、
上りと下りのキッカリ2編成しか同時に動かせないので
大都会の市街地の高密度・高頻度な輸送とはまるで正反対です。
どうすれば都会の日常の足たり得るのでしょうか?


その謎を解く鍵は地中にあります。
実はSan Franciscoのケーブルカーは
列車とケーブルが接続されていないのです。
ケーブルは常に道路の下を回り続けています。
列車は上り坂ではこれを適宜掴むことで釣られて引っ張りあげてもらい、
下り坂では重力に任せてブレーキ操作で下るという訳です。


タイムスタンプが前後しますが、
これが地下のケーブルを掴む為の装置。
これをGripman(グリップマン)と呼ばれる乗員が手動で操作します。
日本語ではこの方式のケーブルカーを
「循環式ケーブルカー」と呼ぶそうですが、
アメリカ英語ではこの循環式ケーブルカーこそが”Cable Car”であり、
交走式はイタリア語由来で”Funicular”と呼ばれます。

鉄オタとしてはもっと色々と語りたい話がありますが、
それはいつかCable Car Museum(ケーブルカー博物館)を訪れた時にでも…


大行列のHyde St & Beach St電停で待っていては
いつになったら乗れるか分からないので、
隣の停留所まで歩いてケーブルカーに乗ります。
よりにもよって交差点のど真ん中で停まるのか…
まあ、この周辺で唯一水平なのは交差点の中だけだけど…


ケーブルカーに乗り込んで
急勾配のHyde St(ハイド・ストリート)を上ります。
思ったよりも速いですね。
坂の延長線上に見えるのはAlcatraz Island(アルカトラズ島)です。
そしてこちら、ロバート。


坂を上りきってLombard St(ロンバード・ストリート)。
急勾配を克服する為に
九十九折になっていることで有名な坂です。
観光名所になっているのでケーブルカーも一時停車しますが、
上からだとうねうねと曲がりくねった様子は良く見えませんね。


今度は急坂を下っていきます。
そろそろと徐行して下るのかと思いきや結構な速度。
大都会の公共交通機関としての責務を果たすには
とろとろ走っている訳にもいかないのでしょうか。


上述の通りケーブルと車両がくっ付いていないので
放っておくと際限無く加速してしまいます。
その為、車両中央部に居るGripmanと
車両後部に居るConductor(車掌)が
連携しながらそれぞれブレーキを操作して速度を調整しています。
2系統のブレーキがあるのは
万が一片方が故障した際にも止められるようにしているのでしょう。


勢いが付いた車両を制動するので、
ConductorもGripmanも全身を使ってブレーキを掛けています。
滅茶苦茶重労働だな…


煉瓦造りの建物に吸い込まれる分岐線。
あれがケーブルカーの車庫です。


ケーブルカーの車庫を含む右手の建物が
このケーブルカーシステムの心臓部で、
街中の地下を張り巡らされた17km超のケーブルを動かす
発電所があの中で稼働しているそうです。
Cable Car Museumも入っています。


San Francisco中心部の摩天楼が見える
California St(カリフォルニア・ストリート)との交差点。
今日は上部が雲に隠れてしまってその高さが良く分かりませんが。


上の写真にも写り込んでいますが、
California StにもCalifornia Street線
(カリフォルニア・ストリート線)という
ケーブルカーの複線路線が走っており、
それがPowell-Hyde線とPowell-Mason線(パウエル=メイソン線)の
単線並列と交差するという、
お手本のようなダイヤモンドクロッシングになっています。
これ、地下のケーブルはどうなっているんだろう…


California Stを超えると一際急な坂を下り始めます。
ブレーキシューの焼ける臭いが…


俄かに繁華街の様相を呈してきたら
終点はもう間近です。


終点、Powell St & Market St電停
(パウエル・ストリート&マーケット・ストリート電停)に到着。
観光客が思い思いに記念撮影をしています。
我々も勿論撮影しました。


地下鉄のPowell St駅(パウエル・ストリート駅)もあり、
San Franciscoの中心部として非常に賑わっています。


そんな大都会のど真ん中でも転車台は勿論手動です。
先程は言い忘れましたが、
ケーブルは転車台の下にまでは当然延ばせないので…


転車台から本線に戻る際は
これまた人力で押し出します。
世界的なIT企業が集っているというのにDXのDの字も無い運用。


San Francisco Municipal Railway
(サンフランシスコ市営鉄道)はケーブルカー以外にも
Historic Streetcars(歴史的路面電車)と称して
F Market & Wharves(F系統マーケット&ワーヴス線)で
世界各地からかき集めてきた骨董品の路面電車を走らせていたり、
レトロ感を醸し出すのに余念がありません。
こちらの1075号車はCleveland, OH
(オハイオ州クリーブランド)で1946年から1953年まで走っていた、
車齢79年の大ベテランです。
日本からも阪堺電車広電の車両が譲渡されていますが、
どちらも現在修繕中で残念ながら走ってはいません。

To be continued.

参考文献
[1] https://ghirardellichocolatemenuglass.vercel.app/, 2026年8月7日閲覧.
[2] 「シロノワール(単品) | コメダ珈琲店」, 2026年8月18日閲覧.

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