4:20、起床。
5:00に朝食を頂きます。
雲が晴れていますね。
目指すは真ん中奥にシルエットが見える雲ノ平。
午後は天気が崩れるという予報なので、
天気が保っている内に宿泊地まで辿り着きたいところです。
それでは5:58に出発です。
しばらくは稜線に沿ったトラバース路を歩きますが…
直に激下りが始まります。
昨日稼いだ標高がどんどん失われていく…
今日の累積標高は下降763mの上昇543mです。
沢筋まで下りてきました。
黒部川に注ぐ支流の一つ、薬師沢です。
太郎平と雲ノ平の間は深い峡谷で隔てられている為、
登山者はこのような下り上りを強いられます。
標高が下がったので薮と樹木が五月蝿くなりました。
また何か熊が出そうな…
ただ、沢の冷気の所為なのか
完全に森に覆われているという訳でもなく、
笹薮も多めです。
まあ、笹薮にも熊は良く出没しますが。
8:03、下り切ったところにある薬師沢小屋に到着。
沢登りや渓流釣りの人達で賑わっています。
小屋の中にあった謎の傾斜計。
“DANGER”の領域に入ったところでどうやって修正するのでしょうか。
カイジみたいに水のタンクを並べるのかな。
ただ、現時点で6°(~1/10)くらい傾いているように見えるけど、
本当だとすれば既に下界の基準[1]の30倍を超える傾斜なんだよなぁ…
あまりにも綺麗な黒部川。
冷たくて気持ち良い!
…を通り越して、10秒も手を浸けていると痛いほど冷たいです。
この盛夏で登山して汗もかいているというのに、
流石は黒部川源流域。
前述の通り、雲ノ平へ行くには黒部川を渡る必要があるので、
上の写真にも写り込んでいた吊り橋が進路です。
結構高くて揺れる上に細い。
黒部川を渡渉するのに比べたら天と地の差ですが。
高所恐怖症の後輩は辛そうでした。
高所恐怖症で山屋が務まるのか。
まあ、僕もIT(元・旭丘高)に比べると高所恐怖症だけど。
吊り橋を渡ると険しい河岸を梯子で進みます。
富山県の川の宿命として当然黒部川は暴れ川なので、
増水時にはこの梯子も流されてしまうのでしょうか。
対岸から見た薬師沢小屋。
瀞峡の水害を考えるとこの高さでもちょっと不安な気がします。
雲ノ平と高天原温泉の分岐。
冷静に考えると両方とも凄い地名ですね。
高天原温泉のフォントが洒落ています。
我々が目指す雲ノ平はわざわざ「直登」と書かれている通り、
今回の山行で一番の急登です。
折立-太郎平も結構な急登でしたが、
あちらはまだ九十九折で傾斜を緩和していました。
こちらは雨が降ったら滝になりそうなガレ場を
脳筋で直登していきます。
辛いな…
特に撮影適地も無く、汗を流しながら黙々と登ること2時間弱。
不意に視界が開けて台地上に出た雰囲気を感じます。
抜けたか…!?
遂に雲ノ平に入りました!
10:48、アラスカ庭園に到着。
宿泊を挟んで登山開始から27時間弱、
この遠さこそが日本最後の秘境たらしめているところです。
雲ノ平は四方を山に囲まれていることもあって
携帯電話の電波が殆ど届かないのですが、
このアラスカ庭園は僅かに電波が入ったので天気予報を確認したところ
明後日の天気が微妙なことが判明。
更に1日行程を延ばす決断をして小屋に電話を入れました。
これで当初計画からは2日間延長したことになります。
まあ、経路が同じなら時間を掛けた方が楽なので…
To be continued.
参考文献
[1] 国土交通省, 「住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準」, 2002.
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