7:06、起床。
朝のニュースを見ていたら西表島が登場して吃驚。
何でも、「日本一お米の販売価格が高い」のだそうです。
インタビューを受けているの白浜集落唯一の商店の主人じゃん!
お米の値段は見ていなかったけど、あそこが最高値だったのか。
曰く、5kg税込6,500円だそうです。
白浜は西表島の中でもちょっと特殊な気はするけど…
お米だけの問題じゃなくて任意の日用品が高いし。
では、陸路最奥部の白浜集落ではなく、
港のある上原集落ならどのくらいの価格なのか?
という訳で、裏取りすべく上原港の前にあるスーパー川満へ。
鹿児島県産あきほなみが4kg税込3,969円(5kg換算で4,286円)、
沖縄県産ひのひかりが5kg税込4,901円と
決して安い訳ではありませんが常識の範疇です。
政府発表や報道でインパクトを狙うのは分かるけど、
西表島でも白浜だけを切り取るのは些か不誠実なような…
朝食として「日本一お米が高い」西表島の
ポーク玉子おにぎりを買ってから上原港へ。
9:00発八重山観光フェリーやいまに乗船。
さらば、西表島よ…!
今回完全にノータッチの東部とか中央部とか、
まだまだやってみたいことの残る良き秘島でした。
ただ、次は夏を避けたいかな…
この便は鳩間島も経由していました。
10:10、石垣港に上陸。
大都会です。
帰りの飛行機は夕方の便なので、ちょっとだけ石垣島を観光します。
公共交通機関縛りを課しているので大して行けませんが。
まずはこちら。
いきなり無味乾燥な建物の写真ですが、
何に使われている建物か分かるでしょうか?
正解は竹富町役場です。
竹富町役場は竹富町内ではなく石垣市にあるのです。
鹿児島県の三島村と十島村の役場を見た際に、
「これらの村は村内に多数の島がある上に
絶対的盟主のような存在の島が無いので、
全ての島から平等にアクセス出来る鹿児島市に役場が置かれた」
という話をしましたが、あれと全く同じ理由です。
自治体の外に役場が置かれている例は全国でもこれら3町村だけ。
ただ、竹富町では役場を石垣市に置いていると
役場の職員が石垣市民になってしまって
貴重な住民税が減ってしまうということを問題視して、
西表島の大原集落へ役場を移転する計画があるそうです。
遂に西表町になるのか…?
次はもっと一般ウケするスポット。
八重山ゲンキ乳業の公式グッズ販売店です。
肝心の牛乳が売っていないという。
とても牛乳屋がやっているお店とは思えません。
マスコットキャラクターの存在って重要ですね。
ゲンキ君の風貌が宮古島まもる君だったら
ここまで人気にはなっていなかっただろうな…
実は宮古島まもる君もグッズ展開しているそうですが。
ゲンキ牛乳の名は石垣島に留まらず、
炭酸飲料版ゲンキクールのゲンキクールサイダーは
那覇空港のJALファーストクラスラウンジでも採用されたとか。
ファーストクラスの味が気になってゲンキクールサイダーを購入。
ミルージュソーダみたいな味わいです。
蒸し暑い石垣島の屋外で飲むと最高に美味しい。
飲み終わった後に空き瓶を眺めていて気付いてしまったのですが、
このゲンキクールサイダー、何と乳成分が一切含まれていません。
脱脂粉乳くらいは入っているかと…
それで良いのか、ファーストクラス。
喉を潤したらJAおきなわ ゆらてぃく市場へ。
お土産を見ます。
あっ、今朝のニュース番組で取り扱っていた
日本一早い新米がもう入荷している!
今年(令和7年産)の新米です。
ニュース曰く一昨日収穫が始まったばかりとのことでしたが。
品種はひとめぼれで、価格は5kg税込4,500円です。
お土産…には重いよな。
JAの近くに目を付けていたお店があったので、
ちょっと早いですが昼食にします。
沖縄県発祥のご当地ステーキ店です。
リーズナブルで美味しい。
昼食を終えたら中心街へ。
あれ、さっき見たグッズ販売店とはまた別の
八重山ゲンキ乳業関連店がありますね。
石垣島の経済は八重山ゲンキ乳業に牛耳られているのでしょうか。
こちらのお店はグッズ販売は殆ど無く、
ヨーグルトシェイクとプリンの販売に専念しているようです。
そしてここにも牛乳は置いていないという。
牛乳屋とは一体。
また別の店舗に行けばあるそうですが。
さて、暑過ぎてずっと外に出ていると死にそうなので、
避暑がてら西表島で積み残していた2つの疑問を
石垣市立図書館の郷土資料室で解決したいと思います。
即ち、ウナリ崎の漢字表記・由来と竹富町の由来についてです。
①ウナリ崎の漢字表記並びに由来について
まず、ウナリ崎については漢字表記が「宇那利崎」で、
「波風の音が激しいためにウナイ(唸り)と名付けられたともいう」
だそうです[1]。
僕の初期仮説が合っていたんじゃないか!
なら「唸崎」にすれば良かったのでは。
②竹富町の町名の由来について
次に竹富町が何故「竹富」の名を冠しているかについてですが、
話は16世紀にまで遡ります。
琉球王朝が八重山での反乱を制圧した後に行政機構を敷く際、
竹富島出身の西塘という人がその才能を買われて
沖縄本島での教育の後に八重山全島を統治する役職に任命されました。
その際に現代で言うところの役所に相当する蔵元が
西塘の出身地である竹富島に置かれたのが、
今の竹富町(+石垣市)の起こりなのだそうです[2,3]。
昔は西表島どころか石垣島まで竹富島傘下だったんですね。
ただ、幾ら何でも竹富島は小さ過ぎるし良港も無いということで
程無くして八重山行政の中心は石垣島に移ったそうですが[3]。
また、大正3年に竹富村が成立する直前の明治39年時点では
西表島の人口978人(古見に属する由布島を含む)に対して
竹富島の人口は1,141人[2]だった為、
近代に於いても実際竹富島は竹富町の中心的存在だったようです。
という訳で、西表島で抱いた地名に関する疑問は
宿題にせず八重山諸島に居る間に解決することが出来ました。
石垣島まで来て文献調査とか何考えているんだと言われそうですが、
これが研究者の性というものです。
疑問が氷解して身体の火照りも取れたところで外へ。
石垣市街地の中心である730記念碑。
本土復帰した沖縄県が昭和53年7月30日に
米国式の右側通行から日本式の左側通行へと
一斉に交通規則を変えるのに成功したことを記念しています。
そして、この730記念碑のある730記念碑交差点が
石垣島唯一の国道、国道390号の起点。
日本に於ける国道の最西端の地点でもあります。
加えて、730記念碑交差点よりも南に陸地を有する島は
南鳥島と沖ノ鳥島を除いて全てここより西に存在しています。
即ち、日本国道最西端の地が730記念碑交差点であるならば
日本国道最南端の地もまた石垣島内の国道390号上にあることが
演繹的に導き出せます。
ならばそちらも極めましょう。
路線バスは日に2往復しか通っていない地点なので
日焼け止めを入念に重ね塗りして歩きます。
暑い…
沿道にあったファミリーマート石垣八島店。
もしかして日本最南端のコンビニ?
壁画で日本最南端のファミマであることは主張していました。
日本最南端のコンビニと言わないのは
商店の扱いが微妙だからでしょうか?
焼けるような炎天下の中辿り着いた緩いカーブ。
特に何の案内も無いこの地点こそ、
日本全国に張り巡らされた国道の中で最南端の地点です。
国道それ自体はともかくとして、
周囲のお店とかが何かしら主張しているかと思ったけど
それすら何も無いな…
もう少し歩くとCoCo壱番屋が日本最南端を主張していました。
もしかして、四極を気にするのは愛知県民だけ?
同じ愛知県のお店なら今はココイチよりコメダが良かった…
気象庁が熱中症警戒アラートを出すこの熱波の中で
1時間も屋外を彷徨って沖縄県八重山合同庁舎に到着。
ここから路線バスに乗って空港へ向かいます。
14:46発東運輸4系統石垣空港行きに乗車。
新石垣空港に戻ってきました。
最後にゲンキ牛乳とさんぴん茶を合わせたミルクティーを購入。
さんぴん茶と牛乳は意外に合いますね。
特に暑い日には最高。
16:10発NH1774便に搭乗。
おっ、あれは多良間島じゃないか!
懐かしいですね。
17:10、那覇空港に到着。
帰りも乗継便です。
羽田着はかなり遅くなるので、那覇空港で夕食を調達しましょう。
これは大東寿司じゃないか!
南北大東島を思い出すなぁ…
沖縄県もそろそろ思い出のある島の方が多くなってきたかな?
18:30発NH474便に乗り継ぎ。
さっき乗ってきたNH1774便の機材が
大阪・関西万博塗装だったのでそちらを撮ってみました。
この後は21:18に羽田空港に着陸して急ぎ足で松田へと帰りました。
参考文献
[1] 「角川日本地名大辞典」編纂委員会. 『角川日本地名大辞典 47 沖縄県』. 角川書店, 1986.
[2] 竹富町誌編集委員会. 『竹富町誌』. 竹富町役場, 1974.
[3] 沖縄竹富郷友会創立50周年記念期成会記念誌部会. 『創立50周年記念誌 竹富』. 沖縄竹富郷友会, 2000.
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