5:00、起床。
トレッキングの聖地ニュージーランド。
国立公園には当然幾つものトレッキングコースが設定されています。
その中でTongariro National Park(トンガリロ国立公園)と言えば、
数々の成層火山の合間を縫うように縦走する
Tongariro Alpine Crossing(トンガリロ・アルパイン・クロッシング)が
世界的にも名を馳せています。
当然、僕もこれを目当てにWhakapapa(ファカパパ)に宿泊し、
6:00発の登山口行きシャトルバスを予約していたのですが…
荒天が予想されていて危険だから運休!?
まあ、天気ばかりはどうしようもないか…
昨夜みたいな豪雨の中歩く破目になっても辛いだけだしな…
この旅行では日の出前起床ばかりしていて寝不足気味なので不貞寝
もとい、二度寝します。
改めて目を覚まして窓の外に目を遣ると、
何と青空が顔を覗かせているではありませんか。
あれ…荒天予報は?
ネットで天気予報を調べてみると
確かに暴風警報と降雨予報は出ていますが、
少なくとも目の前の空の様子はそれとは食い違っています。
勿論、山の天気は変わりやすいから
今この時点で晴れているからと言って
この先数時間保つかどうかは分からないけど…
しかし、やらずに後悔するよりやって後悔したい!
その精神で無駄に経験だけは積んできたので
暴風の中の登山も、大雨の中の登山も、
暴風雨の中の登山もどんなものかは肌感覚があります。
防水対策と防寒対策を万全にして
宿の近くに登山口がある全長17.6kmのトレッキングコース、
Tama Lakes Track(タマ・レイクス・トラック)に挑戦します。
9:07に入山。
天候不順なのに17.6kmもあるコースを選ぶとか正気か?
と言われてしまいそうですが、
縦走路のTongariro Alpine Crossingと違って
Tama Lakes Trackはピストン行きと帰りで同じ道を通って往復し、入山時と同じ登山口に下山するコースのこと。なので、
天候悪化の兆候が見られたらそこで引き返してくることが出来ます。
特に、3km地点にTaranaki Fall(タラナキ滝)があるので、
そこを撤退判断地点としておきましょう。
Tongariro(トンガリロ山)方面は厚い雲が垂れ込めているな…
特に難所も無くTaranaki Fallに到着。
しかし、上からだと滝の音しか聞こえないな…
滝壺に下りる道があったので寄ってみます。
こんなことをしている猶予があるのか良く分からないけど。
おお、昨晩の雨の影響か中々迫力のある滝に仕上がっていますね。
身体に感じる水滴は雨じゃなくて全て滝飛沫のはず。
さて、ここで引き返すかどうかの判断をする訳ですが…
現時点で極僅かな霧雨しか降雨が無いので続行します。
撤退判断って難しいですよね。
家族連れのハイキングにも使われるTaranaki Fallを過ぎると
起伏が激しくなってきました。
とはいえ、階段などがきっちり整備されていますが。
おおっ!?
小さな尾根を越えたところでTongariroの複合火山がはっきりと見えました。
あの一番綺麗で巨大な成層火山がTongariro
…ではなくて、Ngauruhoe(ナウルホエ山)です。
本当のTongariroは左のパッとしない形の山です。
何故この存在感でTongariroが国立公園の名前を張っているんですかね?
もう少し歩いていたら更に雲が晴れて
Ngauruhoeのお鉢が見えてきました。
完全に富士山ですね。
眺望に恵まれてきて士気も上がりながら意気揚々と歩いていると…
あれ?
登山道が沢沿いで途切れているように見えるのだが…
…対岸のあれが道の続き?
緩い勾配にも懇切丁寧に階段を付ける過保護っぷりだったのに
渡渉に関してだけ急にスパルタ過ぎない?
無事に足を濡らすことなく渡渉して
湿原みたいなところに出ました。
そろそろ目的地だろうか…
ありました!
Tama Lakes(タマ湖)です!
西武鉄道がやっきになって鉄道を通しそうな名前してますね。
Tama Lakesは2つの湖から成る火山湖で、
こちらはLower Tama Lake(ローワー・タマ湖)です。
勿論、ここまで来たからには上の湖も目指します。
このタイミングで遂に雨がパラついてきた…
そして、標高を上げるにつれ風も強く…
暴風雨にめげず、Upper Tama Lake(アッパー・タマ湖)に到着。
火山の成分が溶け込んでいるのか、
この曇天でも明らかに純水とは違う水色が映えています。
To be continued.
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