(以降、オーストラリア東部標準時 UTC+10.0h)
9:31、Sydney Kingsford Smith空港
(シドニー・キングスフォード・スミス空港)に到着。
2年振り(2023/11/27)のSydney(シドニー)です。
今回豪州は乗り継ぎだけで1泊もしませんが、
乗継時間が9時間近くもあるのでちょっと観光します。
ただ、Sydneyは一度訪れたことのある街だからな…
何処へ行くのが良いか…
地図を開いて良さ気な場所を探します。
International Airport駅(インターナショナル・エアポート駅)から
10:51発Airport & South線(エアポート&サウス線)
Revesby(リヴェスビー)行きに乗車。
あれ、空港駅の駅名標ってもっとクソダサフォントだった気が…
いや、あれはBrisbane空港(ブリスベン空港、2024/5/4)だったか。
それでも絶妙なダサさです。
10:53、Wolli Creek駅(ウォライクリーク駅)に到着。
ここは乗換駅ですが、時間があるのでちょっと出てみます。
三井不動産辺りが開発したのか?と思ってしまいそうな
柏の葉とかを彷彿とさせる雰囲気の住宅街です。
何故かアジア系のお店が異常に多いです。
中華は勿論、日本も韓国もタイもベトナムも揃っています。
このように英語が一切書かれていないポスターもあります。
アジアンタウンなのでしょうか?
まさか支社の人に出くわしたりしないよな。
マンションの1階部分に色んな食べ物屋が入っているので、
喫茶店でブランチにします。
まだホームシックになるには早過ぎるので欧風で。
フレンチトーストを頼んで安牌過ぎたかなと思ったら、えぇ…?
どういう訳か粉チーズが混ざっているっぽいしょっぱい衣を付けて
こんがり揚げられたものが出てきました。
卵液たっぷりとろとろのが食べたかったから注文したの!(クレーマー)
それとも、日本で見るふわとろの方が実は亜流なのでしょうか…?
教えてフランス人。
では、謎料理でお腹を満たしたところで出掛けます。
11:39発South Coast線(サウスコースト線)Kiama(カヤマ)行きに乗り換え。
前回(2023/11/26)はSydneyから西に外れて
Blue Mountains(ブルーマウンテン)を訪れましたが、
今回は南に外れてみます。
外れない選択肢は無いのかって?
Sydneyって都会だし…
が、Sydney市域から出る一歩手前のSutherland駅
(サザーランド駅)で足止めを喰らってしまいました。
車内放送の音量が小さくて遅延理由が聞き取れない…
20分ほど遅れて発車。
これで一安心…
かと思いきや、次の下車予定の駅では前方車両はドアカットし
後方6両からしか降りられないことが判明。
電光掲示板の停車駅案内で駅名の右に”SP n”と書かれている場合、
Sydney寄りn両しかドアが開かないようです。
今居るのが何両目か分からない不親切仕様だけど、
確か結構前の方に乗ってしまった気がするぞ…
しかも、途中の車両の連結部が故障していて通り抜け出来ない!
かなりまずい状況なのでは…
ところが、通過する感じで案内されていたWaterfall駅
(ウォーターフォール駅)で幸運にもドアが開いたので、
その隙に後ろの車両へと移ることが出来ました。
どうやら、この駅は乗車客が居る時のみ停車するようです。
初見殺しが過ぎる。
ここから列車は右へ左へとうねりながら標高を上げていきます。
12:38、Helensburgh駅(ヘレンズバラ駅)に到着。
ヘアピンカーブの途中に設けられた山間の駅です。
僕がここを訪れた理由が分かったら真のSydney通、
と言うよりは真の豪州鉄道オタクでしょう。
駅に通じる唯一の道がこれ。
秘境駅味がありますね。
しかし、ここへ来た目的は秘境駅巡りではありません。
駅前通りから分かれる未舗装路に立ち入ってみると…
ありました!
旧・Helensburgh Tunnel(ヘレンズバラ・トンネル)です!
山越え区間の旧線にあったトンネルで、
日本では見た記憶の無いかなり縦長の断面をしています。
まさか当時からDouble Decker(ダブルデッカー)2階建て車両のこと。だった?
内部はレールや枕木が取り除かれてコンクリート舗装になっており、
真っ暗ながら遊歩道みたいに歩くことが出来ますが、
北側坑口のすぐ先で閉鎖されているので
このトンネルを楽しむ為だけに整備されているようです。
南側坑口からも廃線跡を辿ってみると…
旧・Helensburgh駅がありました!
窮屈な掘割に押し込められたプラットフォームです。
森の中で妖しい雰囲気を放つ廃駅ですね。
旧・Helensburgh駅のすぐ南にもまたトンネルがあります。
今度はレールも枕木も残されているこの廃隧道の名は
旧・Metropolitan Tunnel(メトロポリタン・トンネル)。
Metropolitan(大都会)…?
盛大に湧水が流れ込んできていて、
線路は水浸しになっています。
こういうところが新線に付け替えられた理由の一つでしょうか。
レールと枕木を足場にしてトンネルの中に立ち入ってみます。
奥に光の点が写っていますが、あれは先客です。
比喩ではなくて、先に来ていた鉄オタです。
こんなところ他に誰も来ないだろうと踏んでいたので驚きました。
この後に別の5人組も来たりしたので、
意外にも豪州で廃線巡りはそんなに異端ではないようです。
流石は英連邦。
奥へと進んでいくと途中でレールと枕木が途切れ、
路床が急にぐずぐずになって進めなくなってしまいました。
泥濘に嵌ったりしても嫌なので引き返します。
戻ってきて見付けた案内看板。
曰く、この旧線が開通したのは1889年の元日で、
1914年の複線化に際して現在の新線に付け替えられたそうです。
想像以上に古かった。
廃止後は80年以上歴史の闇に埋もれたままにされ、
1995年に住民の手で「発見」されて整備されたそうです。
地図上では旧線(図中赤線)の方がトンネルを多用して直線的で
寧ろ新線(同緑線)よりも先進的な線形にすら見えますね。
トンネルを減らしつつ勾配を抑えるというのが
新線の設計思想だそうなので、
その理念は忠実に反映されているのですが。
年代を鑑みるに、蒸気機関車の安全性を考慮したのでしょうか。
さて、豪州観光が廃線探訪一つだけというのは流石にあれなので、
もう1ヶ所寄ってみようと思います。
13:23発South Coast線Kiama行きに乗車。
Helensburghはどうやら炭鉱の町としての出自があるようで、
今でも住宅街に隣接してMetropolitan Colliery(メトロポリタン炭鉱)があり、
South Coast線から貯炭場への貨物支線も延びています。
歴史のありそうなアーチ橋。
Stanwell Park駅(スタンウェル・パーク駅)を出てすぐの所ですが、
お立ち台とかあるのでしょうか。
13:39、Coalcliff駅(コールクリフ駅)に到着。
South Coast線にはドアカットの他にもう一つ初見殺し要素があり、
Kiama行きの便の半分ほどはこれと言った表示も無しに
Helensburgh以降多数の駅を飛ばす快速運転をしています。
列車種別として明示的に設定せずに
時刻表の注意書きだけで済ませるとか頭名鉄か?
Waterfall駅から必死に標高を稼いできたのは、
この一帯が断崖絶壁になっていて
とても海岸沿いに線路を通せるような地形ではなかったから。
その中でも特に険しい地形の中に設けられているのが
このCoalcliff駅です。
向こうの崖に見えているのはまた旧線跡なのかな?
はい、廃線探訪の次は秘境駅巡りです。
と言っても、駅の目の前を通る道路はそれなりに交通量があり
別荘地としてある程度開発されているようなので、
秘境感はそんなにありませんが。
秘境駅巡りを追加したところで
廃線探訪だけで帰るのと大して変わらないだろって?
駅は海水面よりかなり高い位置にありますが、
海辺まで下りていけるらしいので歩いてみます。
Coalcliff Beach(コールクリフ・ビーチ)にやって来ました。
砕けた波で潮に煙る荒々しい海岸です。
サーフィンに興じる人達で賑わっています。
波が強過ぎて海水浴には向きませんが、
泳ぎたい人の為にプールもあります。
離島みたいですね。
南へ歩いていくと磯釣りエリアもありました。
太公望が沢山居ます。
垂直な断崖絶壁を怖がって中空に弧を描く
Sea Cliff Bridge(シークリフ橋)も見えました。
豪州でもこういう道があるんですね。
さて、そろそろCoalcliff駅に戻りましょう。
この別荘、凄く格好良いけど遊歩道に近過ぎて中が丸見えだな…
15:07発South Coast線Bondi Junction(ボンダイ・ジャンクション)行きに乗車。
Sydney Kingsford Smith空港に戻ります。
Sydney Kingsford Smith空港のマクドナルドで
マックVSマクド論争にまさかの第三勢力として殴り込みをかける豪州。
Macca(マッカ)って何だよ(哲学)
マック派とかマクド派とかじゃなくて
ムスリムからもっと深刻なお叱りを受けそうだけど。
Maccaで豪州限定っぽいメニューを頼んでみました。
Classic Angus(アンガスビーフバーガー)と
Biscoff(ビスコフ)のシェイクです。
Biscoffはベルギーのビスケットだったはず…
アンガスビーフは牛肉の風味がかなり強いです。
では、乗継地の豪州を発ちます。
18:05発NZ220便に搭乗。
向かうのは…
(以降、ニュージーランド標準時UTC+12.0)
23:26、Christchurch空港(クライストチャーチ空港)に到着。
2年振り(2023/11/20-25)にして私用では初のニュージーランドです!
かつ、今回はSouth Island(南島)スタートです。
何はともあれ、もう遅いのでUberを呼んで宿に向かいます。
Christchurch(クライストチャーチ)はSouth Island最大の都市のはずですが、
深夜0時になると真っ暗です。
それ以前に、地震対策なのか3階建て以上の建築物が見当たりません。
その中では割と高い部類に入るこちらの建物が今夜の宿。
その名もJailhouse Accomodation(刑務所の宿)です。
縁起でも無いって?
でも、実際そうなのだから仕方ありません。
ここは刑務所をコンセプトにした宿泊施設なのです。
それも、単に刑務所を模して造られたという訳ではなく、
1999年までAddington Prison(アディントン刑務所)として
実際に刑務所だった建物の居抜き物件なのです。
ほんの数時間しか滞在しないので満喫は出来ませんが…
今夜の部屋は雑居房、もといドミトリーなので
他の人を起こさないようこそこそと2段ベットに潜り込んで寝ました。
コメント