6:28、起床。
山間なので日の出は見えませんでした。
朝食はお粥とRoti(ロティ)にバナナ。
Rotiにパクチーが練り込まれるという攻撃を受けましたが、
何とか耐え凌ぎました。
今日は勝負の日。
今回の4日間のトレッキングで最大の
1,400mの標高差を1日で登り詰める必要があります。
それも標高2,200mから3,600mへという高所勝負です。
体調が万全であっても相当にキツいと予想される行程なので、
ガイドさんの提案通り、体調を崩してしまったメンバーは
残念ではありますがGurdum(グルダム)に待機してもらって、
残りの5人で登山を続行することにします。
今日は初っ端が一番の急登。
情け容赦無い勾配にめげす歩を進めます。
ちょっと歩くとストゥーパが現れました。
日本では訛って「卒塔婆」になったものです。
この辺りはチベット仏教が多いようですね。
マニ車ならぬマニ岩もありました。
触って回ると御利益があるのでしょうか。
マニ岩の上から見える向こうの山々はブータン領だそうです。
実はArunachal Pradesh(アルナーチャル・プラデーシュ州)ではなく
前半にブータンを組み合わせるという案もあったのですが、
ビザ取得が困難で諦めました。
マニ岩がGurdum集落の縁だったようで、
遂に(漸く?)舗装が途切れて登山道らしい道になりました。
とはいえ、日本の登山道に比べると相当歩きやすいです。
日本だと草木が生育旺盛で道が埋もれやすいとか?
恰もその辺の低山里山みたいな景色ですが、
こう見えて標高は2,700mを超えています。
日本なら日本アルプスでしか経験出来ない標高なのです。
海面と比較して3割減の酸素密度は確実に体力を削いできます。
行動食を持って来いと明示的には書かれていなかったから
ガイドさんが適宜食料を分けてくれるのかと思いきや
集落でのご飯休憩以外では全く補給が無くて力が出ない…
せめて水で誤魔化そう…
と立ち止まって水を飲もうとすると、
「もう少しで茶屋があるから止まらず頑張ろう!」
とガイドさんが急かしてきます。
おお、茶屋があるのか…!
そう聞くと俄然やる気が湧いてくる!
……
茶屋は何処…何処…
喉も渇いたし、お腹が空いて倒れそう…
もう少しって全然もう少しではないじゃないか…
まさか今日の宿泊地のことを指していないよな…?
だとしたら多分そこまで辿り着けずに斃れそう…
あれは…茶屋か!?
幻覚じゃないよな!?
死にそうになりながらDhopitar(ドピタル)の茶屋に着きました!
ダージリンティーが最高に美味しい!
しかし、ここは完全に登山道しか通じていないのに
急に小屋が現れるんだな…
それは日本の山小屋も同じか。
草地に座って談笑したり、
ギターを弾く人も居たりして楽園のような雰囲気です。
ここで昼食休憩というのも乙ですね。
…と思ったのですが、
食料はバナナ1本しか貰えず登山を再開させられました。
ちゃんとした昼食は上の宿に着いてからだそうです。
ま、マジか…
スパルタだな…
標高を上げるとガスってきて
苛烈ながらも確実に熱を供給してくれていた太陽が隠れたので
一気に高山らしい冷え込みになってきました。
尚のこと体力を奪われる…
パッと見は奥秩父か何処かの山にも見えますが、
こう見えて標高は既に3,000mを優に超え、
日本なら富士山以外では存在しないレベルに突入。
一歩一歩が有り得ないほどに重いです。
これは写真をお見せしてもご理解頂けないでしょうが…
かと言って歩みを遅くすると今度は寒い…
小屋は…小屋はまだか…
おや…?
ガイドさんがあそこに立って待っているということは…
つ、着いた…
着いたー!!
今夜の小屋があるSandakphu(サンダクプー)の集落に到着です!!
空気の薄さの所為なのか過去一疲れた…
休憩を含めても行動時間が5時間しかなかったとは信じられない疲労です。
辛い経験を都合良く忘れているだけかも知れませんが、
11時間歩いた剱岳の2日目(2020/9/21)や
13時間歩いた大峯奥駈道の2日目(2013/9/8)よりも辛かったです。
肩の痛みがヤバい…
To be continued.
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