時代の残照を捉えて

今日は特に予定が無かったので
東海地方の地図を眺めてお出掛け先を探していたのですが、
岐阜県大垣市に気になるものを見付けました。


という訳で、大垣市にやって来ました。
もう少し詳しく言うと、JR東海道本線美濃赤坂支線の
美濃赤坂駅(2014/1/1)近辺です。
しかし、写真に写っているのはその美濃赤坂支線ではありません。


神社の境内を横切るこの線路は西濃鉄道市橋線です。
西濃鉄道は金生山の石灰石を搬出する目的で敷設された貨物鉄道で、
ご多分に漏れず路線の廃止が相次ぎ現在では営業距離1.3km。
日本一営業距離の短い普通鉄道としてやっています。

が、この西濃鉄道で有名なのは営業距離の短さではありません。
何と令和にもなって昭和顔負けのガバガバ運営が行われていた点です。
どのくらいガバガバかと言うと、
線路や車両の整備点検を全然やっていないのは勿論のこと、
時刻表が事実上無視されてその日の雰囲気で運行されていたり、
果ては閉塞をしない運行まで行っていたとか。
閉塞をしないというのは、反対側から別の列車が来ていないかどうか
知る術が無いまま列車を走らせるということです。
で、労組が会社に対して改善要求を出したものの交渉が決裂、
中部運輸局に通報される形で明るみに出たのです。


数え役満でお取り潰しになってもおかしくない所業の数々ですが、
今日もまだ西濃鉄道は走っています。
風評被害を防ぐ為に言っておくと、
カンガルーのマークでお馴染みの西濃運輸とは無関係です。


石引神社の参道を横切る西濃鉄道の貨物列車。
流石に今は時刻表通り走らせているようですね。
鳥居の反対側から反対方向の列車を撮った方が
本殿も写せてより境内感のある写真になるのでは?
という御指摘は尤もですし、実際今朝時点では僕もそう思って
昼の上り列車を狙うつもりだったのですが、
大垣に来てからとある情報を入手して
急遽ターゲットをこの下り列車に変更しました。


西濃鉄道市橋線の終点、乙女坂駅。
駅というかセメント工場ですね。


石灰石が産出する金生山はこんな山。
秩父の武甲山(2015/12/5)を思い起こさせます。

さて、西濃鉄道を無事に撮り終えたところで
さっき入手した情報に基づいて移動します。


やって来たのは大垣ひまわり畑。
休耕田を活用したひまわり畑なのですが、
ただのひまわり畑にしては人が多過ぎます。
どうやら、同じ情報を持っている人達が集っているようですね。


このひまわり畑は東海道新幹線に沿っていて
新幹線とひまわりを組み合わせた写真を撮れるとして
撮り鉄以外にも有名なスポットなのですが、
それにしても平日に集まる人の量ではありません。
群衆は一体何を求めているのか?


やって来ました!


ひまわりにも負けない鮮やかな黄色に塗られた新幹線、
ドクターイエローこと923形です!
新幹線設備の検測の為の専用車両で、
その目立つ塗装から「見ると幸せになる新幹線」として有名になりました。
しかし、平成12年に登場してから既に20年以上が経過し、
老朽化からJR東海では来年1月に引退することが発表されました。
これまでは新型新幹線をベースにした
次のドクターイエローに置き換えられてきたのですが、
これからはもう検査専用の車両は導入しないとのこと。
一つの時代が終わる感がありますね…


2つの列車を無事写真に収めることが出来たので、
道の駅に寄りながら帰ります。


おや?
道の駅クレール平田に入っていた喫茶店のこのマーク…
Chromeがオフラインの時に現れるあの恐竜(Lonely T-Rex)では?
海津市(所在地)が世界と繋がっていないと自虐でもしているのか?


マークに釣られて入店してしまいました。
普通にクオリティが高い。
ちなみに、何故KAIJU CAFÉという名前なのかというと、
この近くで恐竜の化石が発掘されたから
ではなく、海津(かいづ)が訛ってカイジュウなのだそうです。


では、海津市のキャラクターが怪獣なのかというとそうでもなく、
公式のマスコットキャラクターはかいづっちという狐だそうです。
道の駅月見の里・南濃にぬいぐるみが売っていました。
半田市のごん吉くんと被ってない?


海津市の言い分としては千代保稲荷神社の稲荷様がモチーフだそうです。
狐のキャラって結構見る気がしますが、
ご当地キャラとして一番多い動物って狐なんですかね?
いや、犬か猫かな?


時代を越えて残っていくものと時代と共に消えていくもの、
その両方を見た美濃でのドライブでした。

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