
朱鞠内湖畔での目覚め。
日本最大の人造湖とあって巨大です。

ただ、巨大なダム湖に反して
この朱鞠内湖を作った雨竜第一ダムは意外な程小さいです。
堤高で言っても日本第50位タイの八ッ場ダム(2017/6/3)の
4割にも満たない45.5mしかありません。
ある意味非常にコスパの良いダムです。

駐車場には古い案内看板が立っていました。
まだJR深名線が残っているな…

朱鞠内湖の北西にあった白樺駅と蕗の台駅は周囲に人工物が一切無く、
駅が出来るまでは字すら無かったという程の土地。
その為、今や跡地にアクセスすることすら儘ならないという
秘境駅中の秘境駅です。

一応、北海道道528号が蕗の台朱鞠内停車場線
(=蕗の台と朱鞠内駅を結ぶ線)を名乗っていますが…

かなり手前で全面通行止めとなっていて立ち入れません。
2000年代初頭までは通り抜け出来たようですが…

旧・JR深名線の朱鞠内湖西岸区間には近寄れませんが、
朱鞠内にはもう一つ、全国でも五本の指に入る
アクセス困難な伝説の廃線跡(正確には未成線跡)があります。
鉄オタ2人で朱鞠内に来たからには挑戦せねばならないでしょう。
人気の無い朱鞠内林道をそろそろと進みます。

うおっ!対向車が来た!
まさかこの道で対向車があるとは
夢にも思っていなかったので滅茶苦茶ビビりました。
200mほど後退して何とか離合。

朱鞠内川に石油沢川と中股沢川が複雑に流入し、
上石油沢林道が分岐するところでゲートクローズ。
ここまで全くお目当ての鉄道跡を発見出来ていないけど、
視界の開けた河原なら何か見えないか…?

そう願いながらゲートの先を見遣ると…
ん?あれはッ!?

うおおぉ!あったぞ!
人里離れた石油沢川に残された橋台、
国鉄名羽線石油沢橋梁跡です!
4年前の話なので覚えている方は居ないかと思いますが、
あの羽幌炭鉱から朱鞠内まで
人跡未踏の天塩山地を突っ切って結ぼうとした狂気の沙汰の路線で、
今やその遺構を見ることすら儘ならないので
正に伝説と化している未成線です。

そんな幻の路線なので位置を特定することすら困難ですが、
最も入手しやすい資料としては、
北海道森林管理局の施業実施計画図を見ると
国鉄名羽線の跡だけ色付けの無い、
即ち国有林から外された謎のストリップがあるので分かります
(上図は北海道森林管理局空知森林管理署北空知支署発行
「石狩空知森林計画区 第6次国有林野施業実施計画図52-45(朱鞠内)」より抜粋)。

とはいえ、羽幌側ではかの有名な
三毛別羆事件も起きているようなヒグマ大量生息地帯なので、
場所が分かったとしても行くかどうかは自己責任でお願いします。
沢釣りをする釣り人は結構入っているようですが。

次は国道275号で朱鞠内湖の東岸を回り込んで
旧・JR深名線も目指していた北へと向かいます。

限界秘境駅の蕗の台駅と白樺駅を過ぎて次の駅、
旧・北母子里駅跡に到着。
現在ではNTTドコモの幌加内母子里基地局になっています。
母子里の読みは「もしり」です。

レールや枕木の類は残念ながら無さそうですね。
NTTドコモが基地局工事の際に撤去したのでしょうか。

しかし、実は北母子里駅の遺構はもう一つだけ残っています。
位置は違うのですが、母子里バス停の近くを見てみると…

こちら。
「北」の文字がテープで隠されていますが、
旧・北母子里駅で使われていた鉄道標識です。
バス停に再利用するとはありそうで無かった有効活用ですね。

母子里には一般向け(?)観光地もあり、
それがこの母子里クリスタルパークです。
その名の通りクリスタルのオブジェがあります。
これはただ無意味に置かれているのではなく、
あるものを記念して建てられています。

それは最低気温記録。
昭和53年2月17日に参考記録で-44.8℃、
公式記録としては-41.2℃を記録し、
戦後日本における最低気温記録を有しています
…というのが母子里の主張なのですが、
恐らく大半の人は最低気温記録としては
旭川市の-41.0℃を耳にしたのではないでしょうか。
実は母子里の記録はアメダスやその前身の気象官署ではなく
北海道大学が雨竜演習林の観測所で観測した記録なので、
単純比較は出来ないとされてあまり引用されていません。

公園事務所では最寒地到達証明書なるものも売っています。
折角なので1枚買っておきました。

まあ、今の気温は快適そのものの19.8℃ですが。
ただ、今日の名古屋市は37.7℃まで上がったそうなので、
比較すればやっぱり極寒の地ではありますね。

旧・JR深名線が目指していた名寄…
ではなく、国道275が目指す美深に抜け、
そのままJR宗谷本線を横切って更に奥地へと向かいます。
スバルってこんなところに試験場を持っていたんだ。

4年振りのトロッコ王国美深にやって来ました。
鉄オタ2人でやって来たということは、
前回よりも深掘りするということです。

トロッコ王国の名の通り、
トロッコに乗って旧・国鉄美幸線の廃線跡を走ります!

トロッコ、というかモーターカーな気もしますが、
エンジンが付いているのでアクセルとブレーキで加減速を行います。
殆ど一直線なのにそんな操作する必要ある?と思うかも知れませんが…

残念ながらこのトロッコは本物の列車と違って
道路を通行する自動車に対する優先権が無いので、
踏切で一時停止して通過する車が無いか確認する必要があります。
逆にこれが無いと、トロッコで出せるような最高速度では
カーブで減速するような必要も無くて、
ただベタ踏みしていれば終わってしまいますからね。

北海道らしい白樺林の中を走ります。
シラカバ大好き。
爽快感はありますが、この剥き身のトロッコでは
ヒグマが出現したら瞬殺ですね。
あと、写真だと静寂の森に見えるかも知れませんが、
このトロッコの騒音が五月蝿いので静寂要素は皆無です。

鉄橋も2ヶ所あり、ここも徐行する必要があります。

踏切は交通事故が起こり得るからまだしも、
鉄橋って徐行する必要ある?と思わないでもないですが…

鉄道橋には欄干が無いので、
そもそも徐行しないとかなり怖いです。
ただ走るだけでトロッコがそれなりに揺れるので。

森が濃くなってきたなーと思ってきた辺りで…

折返し地点に到着です。
鉄橋は無いのに「鉄橋につき徐行」の看板になっているのは、
鉄橋用徐行標識と共通化することで
部品調達コストの削減を図っているのでしょうか。

嘗ては転車台があったそうですが、
今ではラケット型ループ線で進行方向を変えます。

単線でそのまま突っ込むと正面衝突不可避なので、
後続車が全てループ線に入るまで待機します。

トロッコ王国美深の職員(国民?)さんが
北海道道49号で先回りしているので、その止まれ標識に従いましょう。
そこは腕木式信号機とかにしてくれたらもっと雰囲気が出たけど。
このトロッコの運転条件が普通自動車免許所持なので、
運転免許を持っている鉄オタでない一般人が
一目で理解出来る表示でないと駄目なのでしょうか?

ループ線でkuniと運転を交代して引き返します。

往復10kmを30分強掛けて走破。
保線員になったようで面白い体験でした。

後は道の駅に寄りながら国道40号で帰ります。
まずは道の駅もち米の里☆なよろ。
そう言われたら大福を買わざるを得ない。

お次は道の駅羊のまち侍・しべつ。
高名な侍が居たという訳ではなく、
しべつの漢字が「士」別だからです。
それだけ?と思うかも知れませんが、
実は全く同じ読みのしべつが道東にもある(標津町)ので、
そちらと区別する為に道北の士別市は
「サムライ士別」と呼ばれることがあるのだとか。

羊のまちを主張されると食べたくなってしまったので、
丘の上にある羊牧場にも寄ってみました。
焼尻島だけでなくここもサフォーク種なんですね。

ラムバーグのスープカレーを注文。
やっぱり北海道と言ったらスープカレーでしょう。
ラムの風味が掻き消されてしまうとか言わない。

最後は道の駅絵本の里けんぶち。
もち米の里、羊のまちと来てまさかの食べ物以外の絵本と来たか。

何でも、東京から来た児童図書編集長が
「剣淵の風景は絵本の聖地である欧州と良く似ている」
と評したことから絵本美術館構想が立ち上がり、
絵本の館という美術館が出来たので絵本の里を名乗っているとか。

実際に剣淵町で活動している絵本作家も居て、
道の駅にはグッズも売っています。
ファンには堪らないのではないでしょうか。

剣淵町からは道北自動車道が続いているので、
ここからは新千歳空港まで脇目も振らず走ります。
結構時間的に危うい。

良し、間に合った!
18:55発GK118便に搭乗して関東へと戻りました。
いやー、4日間趣味全開で実に濃いリベンジ旅行だった。


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